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好きだよ 7
「食べっ、え?」
身動ぎの後、五藤くんは僕のカーディガンをめくり、その下のシャツをスラックスから引き抜いた。
声を発する前にひた、と手の平が脇に当てられる。
僕の身体がピク、と揺れたのに気付いたのか、ふっと口元で笑った。
「病院以来だな。この感じ」
「あ……」
そうだ。五藤くんが僕を庇って額を切った日、治療を受けた病院の病室で、僕は大きなガーゼを額に貼り付けた五藤くんにエッチな悪戯をされた。
あのときの感覚を思い出して、背中がぞくってなる。嫌じゃなくて、期待、みたいな。
「わっ、なんだこれ、つるっつるじゃん」
「ひゃっ、な、撫でないでよ」
わきの下をすりすり撫でられ、くすぐったくて身体をよじる。
「あのときは気付かなかったけど……なあ、これって、無駄毛処理してんの?」
「えっ! そんなわけないじゃん、女子じゃないんだから、天然だよ! ――なんでか知らないけど……生えてこないんだもん! コンプレックスなんだから言わないで」
いつまでたっても、と口のなかでもそもそ言うと、五藤くんは「へえ、そうなんだ」って感心したように言った。
うう……恥ずかしい。
「手触り最高じゃん。俺は――好きだけど?」
「えっ……」
――好き
「ほんと?」
「うん」
五藤くんのたった一言で、コンプレックスだった自分の恥部が、なんだか可愛く思えてくるから不思議だ。
「五藤くんのタラシ……」
独り言のつもりが、しっかり聞こえていたらしい。
「はあ? どっちがタラシだよ。エロ可愛さ発揮して男子生徒タラシ込んでるくせに」
「そっ、そんなことしてないもん! それに――」
ん? というように、手を止めた五藤くんが、僕の顔を覗き込んだ。
「一番タラシ込みたいのは、五藤くんだもん……」
五藤くんはにやりとすごく悪そうな顔で笑った。
「もう、とっくにタラシ込まれてるけど」
そう言うと、僕の胸の突起をぺろりと舐めた。
「ひゃっ」
「ここもピンク色だもんなあ、桜が咲いてるみてえ」
ぺろんぺろんと、両方舌先で転がされた。
「ふっ、んん、やっ」
唾液で濡れた先っぽを、指でくりくり弄られる。
そんなやらしい触られ方したら、勃っちゃうじゃん!
って思った矢先、五藤くんの手の平が僕の硬くなり始めた大事な場所を、ギュッと握った。
「やあっ! あん」
「ここまでは――経験済み」
ぽつりと頭上で呟かれて、僕は目を開けた。
「ふぇ」
「つっくんて、気持ちいいと忘れちゃうわけ? 俺、散々舌入れてきたけど、さっきはびっくりしてたじゃん」
そういえば、と思ったけど久しぶりだから初めてのような気になっていた。
「だって、最近五藤くんと二人きりになれなかったから、淋しくて……忘れちゃった・・・・・・あっ」
僕が話している最中も、五藤くんの手は僕の大事な場所をさわさわもみもみしてるから、気が散ってしかたがない。
「もお~、話し、てる、のにぃ」
「なあ、ここ触ったことまでは思い出した?」
「……うん」
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