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好きだよ 8

 返事したらベルトを外され、勢いよくスラックスを足から引き抜かれた。 「わっ」 「――足もつるつるだ。体毛が薄い体質? 色も白くて、スカート似合いそうだな」 「スカートって……五藤くんもそういうこと言うんだね」 「なんだよ、そういうことって」 「エロおやじみたいなこと」  一瞬無言で見つめ合ったあと、五藤くんは僕のボクサーパンツに手をかけた。 「あっ、ちょっ」 「コラ、――誰がエロおやじだって?」  目が、五藤くんの目が据わってる! 「このイチゴパンツを一気に下ろしてもいいんだぞ」  まるで脅すみたいな言い方だ。 「い、イチゴじゃないもん、キャロットだもん!」 「あ、これニンジンか」  って、下ろしてるじゃん!  オレンジ色のキャロットが沢山プリントされた僕のパンツは、瞬きしてる間に足首で丸まっていた。 「勃ちかけてる」 「やっ……」  突然空気に晒され、五藤くんにガン見されてる僕のペニスは、恥ずかしそうに半分起き上がっていた。部屋が明るいから、はっきり見えているのが生生しくて、顔から火が出そうだった。 「そんなに見ないでよお」 「見なくてどうすんだよ」 「恥ずかしいよ、僕ばっかり」  それに、五藤くんが触れる場所が全部気持ちよくて、どうにかなっちゃいそう……。 「なあ、おまえ、女とつき合ったことあるんだよな」 「ふぇ? あ、あるけど、何で今…」  この状態でそれ訊くの?!  五藤くんは悪びれた様子もなく、僕の顔を覗き込んだ。

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