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「やはりそうか、諸君これを見たまえ」
そう言って見やすいように向けられたタブレットの画面を覗き込むと、そこには今回のターゲットである広瀬と牧野の身体状況を示すグラフが映し出されていた。
「二人とも興奮度が予想を上回る数値を示している。おおよそ今回使用した媚薬の量が適量ではなかったようだ。…あれほど使用料用法は守るようにと言ったのに技術班めっ」
ぷるぷると怒りで震える局長を見て、新人とマミはあーまた始まったと溜息を吐いた。
「マミちゃん!すぐに内線で技術班に苦情を入れてくれ!」
「えーいやですよー。それ毎回私じゃないですかーたまには新人君にお願いして下さ~い」
「新人君は他に仕事があるから、頼むよぉマミちゃーん」
「はあ…わかりましたぁー」
目の前で局長に拝まれ、マミは渋々了承した。
内線を手に取りあーもしもし、こちらコントロールルームですが技術班の…と苦情の連絡を入れ始める。
「…あのー僕何か仕事任されてましたっけ?」
局長とマミのやり取りに巻き込まれた新人、自分の仕事は終わった筈だがと局長に問い掛ける。
「ああ新人君、君は管理部に部屋の内装についての会議を執り行うよう調整してくれたまえ」
「ええ!つい先日も会議したばっかじゃないですか!」
「だってこの内装やっぱり気に入らないんだもん!私はもっとゴテゴテのラブホみたいな下品なピンクばっかりの内装がいい!だってその方がターゲットが起きた時に余計混乱するじゃん!」
「はあ…また予算がどうとかって言われますよ絶対…」
「それを何とかするのが君と私の仕事じゃないか」
「そうですけど……わかりましたよ、やるだけやってみます」
いよっ流石期待の新人!と手を叩いて喜ぶ局長に、新人はうわーおじさんくさいなぁーと苦い顔をしながら自分のデスクに戻った。
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