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わんことにゃんこの場合

ここは日本の何処かに存在する、『SEXしないと出られない部屋』を裏で管理・運営する組織の秘密の施設の中。 今日も今日とて新たなCPを生み出すべく、作戦会議が行われているのだった。 「はい注目!それでは諸君、今回のターゲットはこの二人だ」 局長の言葉を皮切りに、モニターに二人の男が映し出された。 一人は栗色の短髪で、もう一人は艶のある少し長めの黒髪が特徴的である。 「左の彼が攻めの犬飼(いぬかい)君、そして右の彼が受けの猫宮(ねこみや)君だ」 「こりゃまた露骨な名前の二人ですね」 二人の写真を見て一言そんな感想を新人が述べると、待ってましたと言わんばかりに局長が興奮気味に語り出した。 「そーなんだよ!まず名は体を表すというように、攻めである犬飼君はその名の通りわんこ気質である!見よこのくりくりウルウルの瞳を!ゴールデンレトリバーかよ!かっこかわだよ!かっこいいと可愛いの二つの要素を併せ持った神が創り給うた最高傑作かよ!ああたまらん!資料に書かれたウブで真面目で正義感が強く人懐っこい性格ってぬぅわんだそれはぁあ!殺しにかかってる!確実に私を殺傷するレベルだよ!」 「でも攻めなんですよね?彼の方が受けっぽい容姿してるなーって思ったんですけど」 興奮で眼鏡を曇らせる局長をいつものことと流しながら、新人は軽く手を上げ質問した。 「ふふふ、そうだろう?だが彼は正真正銘の攻めなんだよ。何故ならば、相手がどえらい受けだからだ!」 ビシッと折れそうな勢いで指示棒をモニターに叩きつける局長。 新人の隣に座っているマミが、また壊れて経費が云々って怒られちゃいますよ~と嫌味を言うが聞こえない振り。 「彼は猫宮君、犬飼君のアルバイト先の先輩である。見よこの溢れんばかりの美人オーラを!ツヤツヤサラサラの黒髪にチャーミングな猫目、からの下睫毛ふさふさときた!そしてそしてこのエロさ溢れる泣き黒子ォ~ッ!」 「確かに色気が滲み出てますよねー。人妻感半端ないっていうかー調教済み?って感じー」 顎に人差し指を当てふむふむと観察するマミに、局長が流石マミちゃん鋭い!と親指を立てた。

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