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「なぜならば猫宮君は既に処女ではない!彼は苦労人で、両親の作った借金の返済の為自らの身体を売り、横暴な借金取りに弄ばれ、アルバイト先の店長にも弱みを握られて性欲の捌け口にされているというめちゃくちゃ不憫な子なのだ」
「ぇぇー…うっわ本当だ…。リアルにあるんですねこういうことって」
手にした資料をパラパラと捲り、新人が顔を顰めた。
資料には猫宮のこれまでの生活が赤裸々に記録されていて、その壮絶さが彼の不幸を物語っていた。
「あのー質問なんですけどぉ、もしかして犬飼君って猫宮君がその店長にいやらしーことされてる所にばったり遭遇しちゃったんですか~?」
カールのきいた睫毛をパシパシと瞬かせながら可愛いらしくマミが小首を傾げると、局長が腕を組みうんうんと激しく頷いた。
「そう、そうなんだよこういう設定には実にお決まりの展開なんだよ!前々から好意を抱いていた優しくて綺麗な先輩のあられもない姿を目撃!からの悶々とする夜が続き、どう先輩と接したらいいかわからない、他の男に触れられている先輩のことを想像して胸が張り裂けそう!ああ先輩をどうにかして助けてやりたい!実にあるあるじゃないか!!」
「あ~あ~!そういうのってぇ一つ知っちゃったらなんでか他のこともどんどん知っちゃうんですよね~。例えば猫宮君が売りしてるところに出くわしちゃったり~それでまた嫉妬しちゃったり~」
「それな!」
むふふふと不気味に笑う局長とマミ、何が二人のツボにハマったのか会話は更にヒートアップしていく。
「それで猫宮君も自分を慕ってくれる可愛い後輩に痴態を見られたことに負い目があるのだけども…。日々行われる様々な調教に最初はお金の為と割り切っていたけれど!嫌悪する自分の気持ちとは裏腹に、身体はどんどん開発されてエッチなことが大好きになってしまいとんだ淫乱ビッチになってしまったんだ!」
「ひゃ~っ大ッ好きですそういう受け~!モブおっさんに身体は正直だなぁ子猫ちゃんって言われるやつですよねぇ~っ!?」
大・好・物~!と興奮の最高潮に達し、ハイタッチを交わす二人。
新人は一人、付いていけなくて溜息をついていた。
「おっほん!そんな訳で今回のターゲットは後輩純情わんこ×先輩淫乱にゃんこだ!我々は全面的に犬飼君の恋愛を応援する!あの手この手を使って二人を相思相愛にさせるのだ!」
「「了解」」
こうして選ばれた二人をCPにさせるべく、彼等三人は今日も職務に励むのだった。
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