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「ふふふ、わかるよ猫宮君!君は犬飼君に自分が身体を売っていることを知られていることから彼に対して負い目があるんだろう!いい先輩として振る舞ってきたのに、汚いところを見られてしまって嫌われたんじゃないかと思っていたのに、それでも変わらず自分を慕ってくれる彼に対して罪悪感を抱いているのだろう!だけど大丈夫!犬飼君は君にゾッコンだから!あああこのマイクで今すぐにでもそう言ってあげたいいいい!」
「駄目ですよ局長、我慢して下さいね」
場所は変わりコントロールルームでは、犬飼と猫宮のやり取りに悶絶する局長に新人が淡々と言葉を掛けていた。
局長は先程までの荒ぶりっぷりはどこへやら、すぐさま冷静になると下がった眼鏡を掛け直す。
「ふぅ…さて、やっと部屋の探索に入ったようだが新人君、例のモノはちゃんと用意されているかね」
「はい、引き出しの三段目に準備しています」
「よし、それと今回は例のモノ以外のチョイスをマミちゃんに任せているが、どんな感じか教えてくれるかな」
局長が問い掛けると、マミはキーボードに打ち込む手を止めて顔を上げた。
「えーっと、まあ前回と同様にミネラルウォーターと、ローション、コンドームですかねーあ、因みにカードは普通に机に上に置いときました。まだ二人とも気付いていないみたいだけど~」
「あれ?思ったより普通だね。マミちゃんのことだからもっと凄いの置いてくるかと思ってたのに」
マミの答えに意外そうな表情をする新人、局長も同じような顔をしている。
「ふふーん、誰が普通って言いました?今回はミネラルウォーターにだけじゃなくて、全部に媚薬を仕込んでもらようにお願いしましたよー」
「え、全部ってローションとコンドームにも…?ひぇえ…」
青ざめる新人、だが局長は興奮している。
「流石だマミちゃん!ぐっちょんぐっちょんのドロッドロに乱れに乱れてお互いを本能のままに求める…最っ高じゃないか!!これなら純情な犬飼君は獰猛な猛犬のようになるし、ビッチで経験豊富な猫宮君はひぃひぃ言いながら子猫のように震えるといった素ン晴らしい計画だ!俄然燃(萌)えてきた!!」
「ですよね~」
拳を突き出して喜びを露わにする局長にニヤニヤと溢れる笑みを抑え切れていないマミ。
そんな二人を眺めながら、ただ一人新人はこっわ…と呟くのだった。
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