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「ふ、ぅ…ちゅ…っ」
触れ合う舌が熱くて、とても心地よくて、犬飼はずっとこのままでいたいと思った。
猫宮の舌が犬飼の震える唇を抉じ開け中に侵入する。
犬飼はくぐもった声を上げ、舌を引っ込めようとするが猫宮がそれを許さない。
逃げられないように絡めとり、くちゅ…と撫でるように刺激された。
「ちゅ、…ん、ふ…」
「へ、へんぱ…んん、」
猫宮から発せられる芳醇な甘い香りが、息をする度に鼻から頭の奥を犯す。
くらくらして頭が茹で上がって、犬飼はこれがいけないことなのかそうじゃないのか判断が出来なくなりつつあった。
気持ちいい、それだけしか考えられなくなり、いつの間にか猫宮の身体に押し付けるように腰を揺らしていた。
「…はぁ…すご…犬飼くん、またビンビンになっちゃったね…」
大人のキスを終え、どっちのものかわからない唾液で濡れた唇を猫宮はぺろりと舐めた。
しっかりと硬くなって、再度お腹にくっつきそうなぐらい立派に主張する犬飼を見て感心したように息を吐くと、そこから溢れた透明な汁が自らの下腹辺りを汚している様に嬉しそうに微笑んだ。
「…ねえ、キスしたからかな…?なんだか俺にも犬飼くんの熱いの移っちゃたみたい…」
「はあ…はあ…ぇ…?」
慣れないキスで若干の呼吸困難に陥り、反応が遅れてしまった犬飼。
猫宮の言葉の意味を考え、きょとんと見つめていると、困ったように眉を下げて微笑む猫宮が犬飼の手を取った。
その手は濡れていて、それが自分から出たものだと認識するのにも時間が掛かった。
「だから…ね、犬飼くん。キスよりもっと気持ちいいことしよっか…二人で」
ちゅ、と控えめに犬飼の手の甲にキスをして、猫宮はそう言った。
まるで今までの行動が嘘だったような、そんな可愛らしい誘い方をされては、犬飼に断るなんて選択肢が浮かぶ筈なく。
「…は、はひ」
と、声を裏返えしながら犬飼は息絶え絶えに答えた。
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