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汗でしっとりとする肌をくっつけ合い、気持ち良さの余韻に浸る。
身体の奥ではまだじりじりと熱が燻っていたが、とても満たされた気分だった。
猫宮の首筋に顔を埋めたまま犬飼が呼吸を整えていると、その後頭部を優しく猫宮が撫でた。
手櫛をするように軽く指を髪に絡ませ撫でるその手の感触が心地良くて犬飼は目を細める。
少し顔を上げると、猫宮が眉を下げ照れたような表情で微笑んでいるのが見えた。
きゅん、と胸がときめく犬飼。
猫宮の頬は火照ってほんのりとピンク色に染まり、濡れた黒髪は肌に張り付いていて色香を漂わせていた。
「(エロすぎます先輩っ!)」
ドキドキし過ぎてどうにかなってしまいそうな犬飼。
あまりの猫宮のエロさにびっくりして少し身動ぐと、同時に下半身に甘い痺れが走る。
「…っ、」
「んっ、」
二人同時に声を漏らす。
まだ繋がったままであったのだ。
そのことに気付いた途端、犬飼はボッと顔を真っ赤にした。
「ウ、アアア…ッス、スイマセ…い、今抜きます…!」
先程まであんなにヤラシイ行為をしていたというのに、大袈裟に狼狽える犬飼。
慌てて腰を引き、猫宮の中から自身を抜こうとすると、それを猫宮が拒んだ。
きゅっと太ももで犬飼の腰を挟み動きを制止すると、自身の腰に添わされていた犬飼の手を握った。
そのまま指を絡め、恋人繋ぎをする。
「…だめ」
「えっ、…?(だめって、だめってそんな…可愛い過ぎです先輩…!)」
叫び出してしまいそうな衝動をぐっと堪える犬飼。
猫宮は繋いだ手を口元に持ってくると、そのまま犬飼の手の甲にちゅ、とキスをした。
「お願い…もっとしよ…?まだ終わって欲しくない…」
甘くて今にもとろけそうな声。
「…犬飼君のおっきくて、熱くて…すっごく気持ちくて…だからもっと頂戴…」
そう言って腰をゆるゆると動かし始める猫宮に、犬飼は鼻の奥がツーンと痛くなるのを感じながら、ゴクリと喉を鳴らした。
鎮まりかけていた熱が再びぶり返す。
「あ…ッ」
あっという間に元気を取り戻した犬飼に、猫宮は嬉しそうに微笑んだのだった。
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