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「あのー局長さんの言い方だと根暗君がキラキラ君とただ純粋な気持ちで仲良くなりたいだけみたいな風に捉えられるんですけどー。あ、因みにこの仲良くは決してあっちの意味じゃないですー」
「え?その通りだけども。だって塩谷君童貞だし、なんていうかそこまで望めない的な?付き合う?いやいや友達になるだけでもハードル高い的な?」
あっけらかんとそう言い放つ局長にええー?!とマミと新人の声がダブった。
「え、何その反応?!」
「だ、だってストーカーしてるって聞いたら、目当ての人間と二人っきりになれば触れ合いたいって思ってるんだろうなって思いません?!あ、性的な意味での触れ合いです」
「そうそう!憧れのあの子に中出し種付け孕ませキメたいんじゃ~って感じで依頼してきたと思ってたんですけど予想外!あ、もちろん性的な意味でです」
知らされていなかった事実に早口で局長に詰め寄る二人。
局長はあるぇー?と首を傾げている。
「マミちゃんそれ付け加えなくてもモロに性的な意味ってわかるよ。それにしても二人共そのつもりで動いてくれてたんじゃなかったのか…驚きだ」
「もー驚いたのはこっちですよ~そうならそうってちゃんと報告して下さい~局長がきちんと報連相してくれないって専務に言いつけちゃいますからね!」
可愛らしく頬を膨らませるマミに局長の顔が強張った。
「マミちゃんそれだけは…これからはどんなことも皆で共有していこうと思いますので今回の件は大目に…」
「わかりましたー次からそーして下さいね。あーあそれ知ってたらもっと色々工夫したのに。媚薬増し増しとか玩具とか…あ、『部屋』のプログラムだってもっと優しめの設定にしたのに~」
「あ、マミさんの言う通りですよ局長!今回から追加された『部屋』の新機能!プログラムの設定完全にヤンデレモードにしちゃいましたよ!どうするんですか?あれは攻めの塩谷君には厳しいと思いますけど…」
「うーん、まああながち設定は間違っていないから大丈夫だよ新人君」
心配げな新人を余所に、局長はモニターの前に立った。
「それでは予定通り職務を遂行しようか。些か思い違いもあったが…何、君達は心配することないさ。その『部屋』の中でしっかりと愛を育んでくれたまえ」
そう画面の中の二人に告げるように呟くと、局長はコントロールパネルに新たに設置された赤いボタンを押した。
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