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「だ、めぇ…っダメ…」 かぶりを振り、うわ言のようにだめと繰り返す佐藤。 もう限界が近いのだろう。 はふはふと呼吸が乱れて、顔も耳も真っ赤に染まり全身がうっすらと汗ばんでいる。 そんな情欲に塗れた佐藤のすがたに、塩谷は煽られ興奮に溢れる唾液をごくりと飲み込んだ。 そして我慢ならず、佐藤の首元に顔を埋め汗の匂いに混じる佐藤自身の匂いを嗅いだ。 蠱惑的で芳醇な香りを肺いっぱいに取り入れ頭がくらくらする。 一気に下半身に血が集中し、佐藤の柔らかい臀部に昂りを押し付けた。 「…ひぁっ?!」 びくりと身体を震わせ、驚いたように塩谷の方を見ようとする佐藤。 だがそれに気付かない塩谷は夢中になって下半身を佐藤に押し付け続ける。 双丘の間に何度も擦りつけ、肉を割ってその奥までも暴くようにされ佐藤は震えた。 「…ぁ、っあ…ーーッ、」 掌の中で佐藤の性器が何度も脈打ち、達したことを塩谷は悟った。 ぬるつく生温い感触に視線をやると、そこは佐藤が吐き出した欲望で白くどろどろになっていた。 「……」 塩谷は身体を起こすと、佐藤のもので汚れた手を見つめながら茫然とした。 「(やってしまった…)」 ずっと触れたくて触れたくて仕方がなかった身体。 だが決してこんな風には触れたくなかった。 でももう後には戻れない。 ーーーそれにまだミッションはクリアしていないのだから。 塩谷は徐に壁に視線を向け、そこに浮かび上がっている数字の一つが変化していることに気付いた。 【MISSION:対象者凸は道具を使用し、対象者凹を絶頂させて下さい。外0・中1】 その瞬間、塩谷は確信した。 同時に次にどうすればいいのかを独自に理解し、覚悟を決める。 「(佐藤さん…)」 だが、ベッドに横たわり肩を震わせている佐藤を見ると心臓が痛んだ。 それを振り切るように少しの間を置き、躊躇しながらも傍に置いていたローションと玩具を手に取った。

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