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「ちが…っ、ちがうぅ…ぁ!」
耳を真っ赤にしながら首を振って全力で否定する佐藤。
その必死さが逆に認めているのと同じで、あまりの事実に塩谷は頭を抱え、湧き上がる衝動に耐えた。
一気に上がった体温にじっとりと額に汗を滲ませ、塩谷はそのままゆっくりと指を挿入した。
佐藤の背がしなり逃げようとするのを腰を掴んで阻み、ぬぷぬぷと指を慎重に進ませる。
あっという間に根本まで入った指に、普段どれだけ佐藤が一人で遊んでいるのかがわかった。
なんならこの部屋に閉じ込められる直前にもしていたかもしれない。
それ程までに佐藤のお尻は解されきっていたのだ。
「…嘘ですよね、だってこんなに指、ずっぽり入ってますよ…」
「やぁ…っしおたにさ、…っ」
ずるずると中の壁を撫でるように指を引き抜く、そしてまたゆっくりと奥まで挿入する。
それを何度か繰り返していると、徐々に佐藤の口から甘い嬌声が聞こえ始めた。
抵抗は既に無いにも等しく、大人しく塩谷の指を受け入れている。
「はぁ…っぁ…んんっ」
頭をぺたりとシーツに押し付けお尻だけを突き出した格好で佐藤は塩谷にいいようにされている。
塩谷が指を動かす度に腰をくねらせ、よがる姿は完全にお尻で快楽を得ているようで、佐藤の新たな一面に塩谷自身も反応し先走りに下着を汚していた。
「ひあっ…!」
まだまだ物足りなさげなそこに、二本目を挿入する。
一本目よりも少しキツイが、難なく挿入った。
佐藤の反応も見る限り大丈夫そうなので、そのまま二本の指で抜き差しを繰り返す。
じゅぽ…っぢゅる…とローション塗れのそこが下品な音を響かせる。
指をバラバラに動かし、うねる内部を指の腹で引っ掻くようにすると、ふと感触の違うしこりに触れた。
もしかしてと思ったその束の間、佐藤の身体が一際大きく跳ねた。
「ッ…きゃ、ぁう…!?」
ビクビクと腰を麻痺させ、大きな声で喘ぐ。
ガチャガチャと拘束された腕が暴れ、はくはくと開いた口からは飲み込めなかった涎が溢れシーツを汚していた。
「(ここが…佐藤さんの一番イイトコロ…)」
前立腺に触れたことを認識し、塩谷はゴクリと喉を鳴らした。
そのまま指でしこりを優しく撫で擦り、指の腹でくにくにと柔く揉み込む。
するとすぐに佐藤がほとんど泣き声に近い声で制止を訴えた。
「ひ…んぁあっ…!や、やめてぇ…ッ」
塩谷が指を動かす度、言いようのない強い快感に襲われ、佐藤は逃れようと腰をくねらせる。
だが構わず塩谷はその部分を執拗に責め続けた。
「ひゃぁあ…っぁ、ああん…ッ」
とろけそうに甘い声を上げながら、強制的に与えられる快感に佐藤はすっかり感じ入っていた。
一度達した筈の性器もすっかりと上を向いていて、とろりと先走りを滲ませたは、中途半端に下げられたスボンを押し上げ染みを作っていた。
「すごい…佐藤さん、やらしいです…っ」
そんな想い人のあられもない姿に、塩谷は興奮で眼鏡を曇らせていた。
自身の指をきゅんきゅんと締め付ける佐藤のお尻が愛らしくて、今にもむしゃぶりつきたい。
だがほんの少し残った理性でそれを堪え、手淫に集中する。
ぐちゅぐちゅのそこはしっかりと解れ、指を三本挿れても大丈夫そうだった。
「……絶対、気持ち良くしますから…」
そう呟くと塩谷は佐藤のナカから指を全て引き抜いた。
ぷちゅんと音をたてて、ひくつくそこからローションが垂れる。
佐藤はぶるりと震えると力なくベッドに沈み込んだ。
肩で呼吸し、はあはあと熱の篭った息を吐いている。
強制的に与え続けやれていた快楽が途切れ安堵するものの、身体の奥の疼きに佐藤は切なげに眉を下げていた。
「…佐藤さん、力抜いて下さい…」
塩谷はそう呟くと、あらかじめ近くに用意していた玩具を手に取り、それの先端を、寂しそうにひくつく佐藤のそこへ宛てがった。
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