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声を揃え驚嘆する二人に、局長はニヨニヨと意地の悪い笑みを浮かべている。
「そうそうそう!そうなのだよ!実は嘆願書は二人から提出があった!あ、因みに君達二人に最初に見せたのものも佐藤君のだよ」
局長の言葉に更に衝撃を受ける二人。
てっきりストーカーする程までに佐藤のことが好きな塩谷が用意した物だと思い込んでいたからだ。
「な、なんで気付かなかったんだろ…まさか佐藤君からも嘆願書が出ていたなんて…」
「…というかー…だとしたら佐藤君、何も知らないって顔してたのも、嫌がってたのも、全部演技してたってぇーこと?」
マミの考察に新人がすんごい顔をして固まった。
局長は嬉しそうにうんうんと頷いている。
「その通り!いやーマミ君、君は実に優秀だね!塩谷君が佐藤君のことをストーカーしてるのは君達も知っていることだと思うが、これが実は佐藤くんもストーカーされてること知ってるんだよね」
「ひぇ…」
思わず新人が息を飲んだ。
これにはあのマミでさえ圧倒されているだろうと、横目で見るが、そんなことなかった。
「ひゃ〜〜ッ!純真無垢な顔して佐藤君ってば、とぉんでもない性格してますね!大好きですそういうの!」
瞳をキラキラさせ大興奮なマミ。
バンバンとデスクを叩いている。
「あれですよね?あれですよね?盗撮盗聴されてることに気付いててわざと際どいポーズとったり、エッチな声出したりしてたんですよね〜!塩谷君に聞かせる為に!」
「そう!そうなんだよ!佐藤君ってば結構性悪でね、どうすれば人に好かれるかとか把握しちゃってるタイプで、普段は猫被ってるんだけど。本気で塩谷君のこと手に入れたいって思ってるから、塩谷君が自分のこと好きだってこと知ってて、わざとあざといことしたり、塩谷君が罪悪感感じるように仕向けたり、もうすんごいの!」
「で、この日の為に自分でお尻慣らしておいたけど思いの外開発しちゃってて、塩谷君にガンガンに責められてひぃひぃ泣いてたんですね!うぎゃぁ萌える!!大好き!」
二人して大興奮に力説する局長とマミに、新人は一人付いていけなかった。
ちょっと寂しい。
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