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と、ここまでが回想である。
「くっそぉ〜あの性悪専務め…っいつかきっとぎゃふんと言わせてやる〜っ!!」
会議で受けた屈辱を思い出し、局長は怒りでわなわなと震えていた。
手にしたマグカップの中身をスプーンで乱雑にかき混ぜては、中身が飛び散って迷惑極まりない。
「いや、今回の件は専務さんが正しいですよ…最近改装の頻度も多かったですし、数字を出せてないのも事実ですし…だからいつもあんなに調子には乗らないようにって言っているのに…」
局長が汚した箇所をウェットティッシュで拭きながら新人がそう小言を呟く。
それにだってだってと局長は駄々っ子のように頭を横に振った。
「だってやるからには最高の環境を提供したいんだよ私は…っ中途半端な真似はしたくない!それもこれもターゲット達のことを思ってこそ!…っなのにアイツが…あの冷徹専務が…っ!」
「そう言えば専務さんって局長と同期なんですよね?」
「え、今この流れでそんなデリカシーのないこと聞いちゃう?やっぱり君って心の大事な部分欠けちゃってるの?」
「いや、そういえばそんなことを噂で聞いたなって思って…」
「ハッハーンわかったぞ?マミちゃんだよね?それ、マミちゃんに聞いたんだよね?」
そう言えばマミちゃんは?と訊ねる局長に、お花摘みに行きますって言ってましたと新人が答えた。
「…いいだろう、新人君にもどうして私がアイツを嫌いなのか教えようじゃないか…」
「いや、嫌いな理由じゃなくて…同期なんですよね?ってことを聞いているんですけど…」
「それは遥か昔!私がまだ入社したての頃!」
「わー始まっちゃった…」
新人の言葉にも耳を傾けず、否、聞こえないフリをして、局長は語り出した。
専務との出会いから確執に至った経緯を。
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