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「新人君、何を勘違いしてるのかわからないけれどこの会社には男子しかいないよ」 局長の言葉に新人は固まった。 「(…そういえば何処のフロアに行っても男性社員しかいなかったような…だからマミさんが唯一の女性社員なのかーとか思ってたけど…まさかすぎる)」 「え、何その反応。本当に気付いてなかったの?」 考え込む新人を見て局長も驚く。 皆周知の事実だと思っていたからだ。 「…いや、だって皆さんマミさんって呼んでますし」 「ああ、マミちゃんはあだ名だよ。その方が呼びやすいしキャラに合ってるし」 「ええぇ…」 まどろっこしい呼び方だなと新人は思った。 絶対自分のように勘違いしてる人が他にも居る筈だ。 「じゃ、じゃああの格好は…」 「え?あれは似合ってるから私が許可したんだよ。一応制服だし」 「えええぇ…」 ブルーを基調としたザ・OL風の制服は膝丈のタイトスカートで、成人男子が着るには問題があり過ぎる。 まあ新人が気付かないかったぐらいマミはそれを着こなしているのだが。 それでも色々問題だろう。 「あーんもうっ!局長さーん助けて下さーい!」 可愛らしく高い声を上げ、マミは局長を盾にするようにその背後へと隠れた。 その声も仕草もおおよそ成人男子のものとは思えないぐらい女子で、新人は益々混乱した。 「専務さんが私の制服のことで色々言ってきますぅー」 唇を尖らせ不服そうに眉を下げるマミ。 そんなマミを追いかけ専務が早歩きでやって来た。 「マサミチ君。君はいつになったら会社指定のスラックスを履くんだい?私はいつそのスカートが捲り上がらないかとヒヤヒヤしているんだよ」 「うげぇーマジキモーい…どうにかして下さい局長さーん」 背後で泣き真似をするマミをあーよしよしと慰めた局長は、ビシッと専務に指を差した。 「こらー!私の部下にセクハラはやめろーー!!それにマミちゃんのこれはちゃんと申請してるし、専務の貴様も容認してるんだろうがー!」 「セクハラだなんて失敬な。私はただマサミチ君のことを思ってだね、いつ誰が不埒な目で見ているかわからないじゃないか!」 「その不埒な奴は貴様だ馬鹿たれ!さっきから目線が低いんだよ!エロ専務!」 キリッと真面目な顔をする専務、その目線は局長が指摘するようにマミのスカート部分をガン見していた。 新人は思った。 この人達(局長と専務)似たような人種だと。

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