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「……!」
目が覚めた時、大鷹は自分が今まで眠っていたことを知った。
慌てて身体を起こし、目に入った光景に硬直する。
「…どこだここ…?」
そこはえらくどピンクな空間であった。
壁も天井も床さえも、見渡す限り全てがピンクを基調とした色合いで統一された部屋に大鷹はいた。
正確にはその部屋に配置された大きなベッドの上で眠っていたようだ。
「…なんなんだここは…?」
一見するとファンシーな内装だが、ピンクの主張が激しすぎてどことなく下品なその部屋に見覚えなどなく、大鷹は困惑した。
「俺は、なんでこんなところに…?」
眠る前のことを思い出そうと腕を組み思案するが、靄がかかったように記憶が朧げではっきりとしない。
確か学校で、誰かと一緒だったようなーーーー。
「…ん?」
その時目の端に何かを捉えた。
ギクリとしてそちらに顔を向けると、大鷹のすぐ隣でシーツに包まり横たわる人間がいた。
「…!」
驚いて後退し咄嗟に距離を取る。
てっきり一人だと思っていたので、自分以外の誰かの存在に焦りを隠せなかった。
心臓がバクバクして、こめかみに冷や汗がつたう。
「……っ、?」
息を潜めじっと相手の出方を伺うが、その人物はただ横たわったままで何のアクションもない。
警戒して耳を澄ませば、聞こえるのは静かな寝息だけ。
「(寝てる、のか…?)」
頭まですっぽりとシーツに隠されているから確証は持てないが、どうやら眠っているらしい。
恐らく大鷹と同じように眠ってる間にこの部屋に連れて来られてきたのだろうと推測するが、その意図が謎だった。
一体誰なのだろうか。
「……」
考えても答えは見つからず、大鷹は少し躊躇したが決心すると、慎重な動作でそろりとシーツを捲った。
「……!!」
露わになったシーツの中身に、大鷹は驚愕する。
衝動的に大きな声を上げそうになり、咄嗟に手で口を塞いだ。
そこにいたのは、大鷹のよく知る人物だった。
「…小雀、君…?」
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