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ーーーその頃『部屋』内部では、自分達の行動が監視されているとも知らず、大鷹は必死で出口を探していた。 「くそっ、なんで出口がないんだ…っ?」 目につくところは全て探してみたが、どこにも出口が見つからない。 それどころか窓の一つもないのだこの部屋には。 ーー閉じ込められた?と嫌な考えが頭に浮かび背筋がゾッとした。 「どうする…っ」 どうすると言ったって、出口はないはどうしてここにいるのかもわからないのではどうすることも出来ない。 うーんうーんと頭を悩ませ考えついたのは、小雀を起こすことだった。 もしかすると大鷹は知らないだけで小雀はこうなった理由を知っているかもしれない。 いや、知っていて欲しい。 そんな僅かばかりの期待を込めて、大鷹は未だすぅすぅと熟睡する小雀に手を伸ばした。 「す、小雀君…」 そっと肩に触れ声をかける。 なんだかいけないことをしているようで、緊張に手が震えた。 そのまま遠慮気味に身体を揺らすと、あどけない寝顔を浮かべていた小雀の表情が曇った。 眉を顰めうーん…と唸っている。 「(唸ってる…くっ…可愛い…出来れば寝かせてあげたいけど…)」 しばらくゆさゆさとしていると、頑固に閉じられていた瞼がゆっくりと開いた。 何度かしぱしぱと瞬きを繰り返した後、右往左往に瞳が揺れ、そのまま目の前の大鷹を捉える。 「………」 「お、おはよう…小雀君…」 寝ぼけ眼で大鷹を見つめる小雀。 まだ夢と現実の区別が曖昧なのか、ぼーっとしている。 「…ぉ、おたかくん…?」 「大鷹です…」 「………ぇ…」 手の甲で目を擦り段々意識がはっきりしてきて、完全に目が覚めた小雀は跳び上がるようにして身体を起こした。 「…ぇえええっ!??」 「えええっ!!?」 小雀の叫びに吊られて大鷹も叫ぶと、余計パニックになった小雀がもう一段階大きな声で悲鳴を上げた。 そ、そんなに驚かなくても…と大鷹はちょっぴりショック。 「ど、どどどどーして大鷹君が?な、なんで僕寝て…え!ここどこ??!」 まず大鷹を見て、それから自分の姿を見て、そして部屋を見て動揺する小雀はまるで目が覚めた時の大鷹のようで。 「(ああ、この反応は…)」 どう見ても二人がこうなった理由を知りそうもない小雀のリアクションに、大鷹はまた頭を抱えたくなったのだった。

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