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第24話
※一部NL表現の会話があります。
30分後
誠一も合流したところでメンバーに報告することになった。
「え、何?
悪い話? 怖いんだけど…」
事情の読めない誠一が動揺している。
「悪い話かは分からねーけど、報告があって…。
言うのが遅くなったけど、紅葉と付き合ってるんだ。」
「それは本当なのか? え、ドッキリ?」
再びパニックになる光輝。
「いや、真面目な話。
ちゃんと真剣に付き合ってるから…。
仕事とプライベートはちゃんとするし、皆に認めてもらいたい。」
「えっ、いつから?」
「紅葉の誕生日からだからまだ一月(ひとつき)くらい?」
凪が紅葉と目を合わせると頷く。
「あのね、僕が凪くんのこと好きで…!!」
「うん。…見てると分かるよ?
そっかー、恋愛感情で合ってたんだね。」
誠一が優しい声色で聞くとと紅葉は頷き、光輝は驚いていた。
「うん。…どうしても諦められなくて、日本にきて好きって言ったの。」
「きっかけは真っ直ぐ過ぎるこいつに絆された形かも知れないけど、今は俺もちゃんと紅葉のことが好きで付き合ってるから…。」
「そっか…。
みなちゃんは納得してるの?」
誠一が紅葉の身内であるみなに確認する。
「私がどうこう言う話じゃないよね?
2人が好き同士なら付き合えばいいし。
紅葉が幸せならそれでいいよ。」
「みなちゃん!!」
ハグする紅葉の背中をポンポンとして落ち着かせる。
「僕も公私混同しないなら別にいいよ?
まぁ、男同士ってのはビックリたけど、今そういうの言う時代じゃないしね。
恋愛は自由だよねー。
って、光輝。うちバンド内恋愛禁止って言ってなかった?」
「えっ?!
そーなの?! どーしよっ」
みなが女性なのでメンバーやスタッフ間で拗れるといろいろと面倒になるのを懸念し、恋愛に発展しないよう発足時に光輝が言っていたものだったがここにきて足枷となるのか?
「そうだっけー?」
等のみなは記憶にないらしく、紅葉はパニックに。
光輝がみなに向けて言った。
「そう。バンド内恋愛禁止!
だから結婚してってもう300回くらい言ってるよね?!」
「無理って言ってる。」
「この前補導された時、配偶者なら身元保証人にもなれるって聞いたら今すぐ婚姻届書いてやるから持って来いって言ったよね?!」
「言ったっけ?
…あ、リアルに用紙持っててドン引きして怒り治まったんだった。思い出した!」
「…結婚してあげたら?」
「え、ひどい。
誠ちゃんは私の味方だと思ってたのに。」
「だってこれ…僕2年くらい隣で聞いてるんだけど…。ずっと続くと思うよ?」
「結婚してくれたら凪と紅葉のことも認める…。今も用紙持ってるし…書いて?
凪と誠一は証人欄書いて?」
「え、光輝本気? こえーよ(苦笑)」
凪が完全に引いている。
「それとこれ論点違う。
ってか、話戻そうよ…。
紅葉は凪のことどのくらい好きなの?
ちゃんと光輝くんに説明してあげて?」
「僕だって凪くんと結婚したいよ。
光輝くんズルいよ!!
ダメダメっ! みなちゃんあげないっ!!」
紅葉はみなの腕を引っ張り光輝との間に入る。
「えー…何このカオス…。」
真面目に話を進めていたはずの凪が疲れた顔でため息をついたのだった。
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