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第41話
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※NL表現のみ。飛ばしてもらっても大丈夫です。
光輝の運転で帰宅したみなは凪の母親からもらったお土産で増えた荷物を部屋まで運んでもらう。
「ありがと。そこ置いてくれる?」
いつも通り玄関の端に荷物を置いた光輝はじゃあ…と言ってドアに向かう。
みなはその背中に声をかける。
「ねぇ、…光輝くん大丈夫?」
「えっ?何?」
「ホテルのキャンセル事件。」
「あぁ、あれね…
凪のおかげでなんとかなったけど…本当に迷惑かけたね。」
「いやいや、光輝くんのせいじゃないし。
完全に逆怨み系の思い込み系の身勝手系だけど、光輝くんって普段あんまり人から恨まれたりしないでしょ?
だから内心ズタボロなんじゃないかと思って。」
「そうなのかな…。なんか忙しかったからまだ実感湧かないけど…。
とりあえず事務所の金品もネットバンクも無事だったし…。
これでLIVE出来なくなってたらもう怒り狂ってただろうけどね(苦笑)
でもやっぱり一緒に頑張ってたスタッフに裏切られるのはツラいし、少しは僕も悪かったのかなとは考えるよ?」
「そっか…。
ね。…慰めてあげよっか?」
綺麗に微笑まれて動揺する光輝。
手を伸ばしたい気持ちをグッとこらえて拳を握る。
「すっごい魅力的なんだけど…、うん。
みな、17だし。結婚するまで手出さないって決めてるから。」
「はっ?!
え、何時代の人?! 光輝くんいくつだっけ?
枯れてるの?!」
「そうじゃなくて…!」
光輝は頭を抱えて下を向く。
女の子がそんなこと言うものじゃないよ、と諭す。みなは完全に引いていたが、真剣に誠意を伝える。
「君には誠意を示したいと思ってて…。」
「はぁ…。何故?」
「みなは本当に才能溢れる人で、音楽に愛されてる。僕は凡人だから…何か努力して証明して見せられるとしたら真面目に音楽に向き合うことと誠意くらいかなって思って…。
だから…絶対手を出さない。身体だけじゃなくて、心も欲しいから。」
「……。」
「正直…今も手を伸ばしたいけど、でもそしたらもう絶対手に入らない気がするんだよね。
あ、そうでしょ?一回寝たからもういいでしょ、諦めてって言うよね?(笑)」
完全に見抜かれたみなは無言のまま光輝と向き合った。
「伊達に2年片想いしてないよ?
じゃあ…帰るから。おやすみ。良いお年を。
また来年もよろしくね。」
光輝はそう告げてマンションをあとにした。
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