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第42話※微R18

1/1元日 1342 「お腹すいた…。」 「何時…? うわっ…。起きるか。」 「ん。」 「紅葉、今日1/1だよ。 あけましておめでとう。」 「NewYearなんだね! あけましておめでとう!」 何度かキスを交わしたあと、足元の覚束ない紅葉の腰を支えてリビングに移動する…。 凪の母、早苗が持たせてくれたお節と昨日仕込みをしておいたお雑煮を仕上げる。 「わわ。 いっぱい通知来てる…!」 「元日だからな。俺も来てた。」 「おばあちゃんからも…。ちょっと電話してもいい?起きてるかなぁ?」 時差を計算して電話をかける紅葉。 しばらくして聞こえてきた賑やかなドイツ語の会話に凪も思わず笑みがもれる。 準備が出来たところでテーブルに運び、ちょうど通話を終えた紅葉を後ろから抱き締める。 「終わった? 餅ももらったやつに入ってたから雑煮に入れたけど、食える?」 「わぁ、初めて見るやつがいっぱいー! 食べるー!」 紅葉は嬉しそうにいただきますと言い、箸を進める。 凪はお節料理の重箱を前に考える。 どう見ても一人で食べる量じゃないし、母親は自分が好んで食べないことを知っているはずなのに栗きんとんや伊達巻が多めに入っている…。 直接聞かれたわけではないが、勘の鋭い母親は何かに気付いたのかもしれない…。 凪が調理の専門学校に通っていた時も本当は音楽を続けたいのだという凪の気持ちに気付いていたし、働きに出てからも悩む凪の背中を最終的に押してくれたのも早苗だった。 今度プライベートで帰省する時には紅葉のことを恋人として紹介出来たらと願う凪だった。 結局、お餅は飲み込み時がよく分からないという紅葉には白米を与えて、遅めの昼食をとる。 「甘い栗美味しいー! このぐるぐるの卵焼きも好き!」 「伊達巻?これなら材料あるからまた作ってやるよ。」 そう言うととても嬉しそうに微笑む紅葉。 昼食後、紅葉は防音の部屋でバイオリンの練習を始める。 まだ身体がしんどいのか椅子を持ち出し、座りながらコンクールの課題曲に取り組む。 しかし、あまり集中出来ないようで、何度も中断しているようだ。 リビングで年始の挨拶メールに返信をしながらその様子をガラス越しに眺めていた凪は、気になって紅葉に声をかけにいく。 「…大丈夫?」 昨夜無理をさせた自覚かあるため、心配してきくと紅葉はバイオリンを手にしたまま顔を覆い、集中出来ない…と言う。 「ごめん、身体ツラい? 横になって少し休む?」 「あ、違う…。 もー…なんか、いろいろ思い出して…集中出来ないだけ。」 メンタル的な問題だったらしく、凪は笑って紅葉の頭を撫でた。 「ほら、頑張って。 上手に弾けたらご褒美にキスな?」 「それは…すごいやつ…?」 「ははっ、どーしよっかー?」 「頑張るっ!」 気合いを入れてバイオリンを奏でる紅葉だった。 結局、キスだけで終わるはずもなく、それなりにイチャついてから初詣に出ることに。 参拝の作法を教えると、間違えたら日本の神様に失礼だからと何度か練習して、願い事をする紅葉。凪も隣で手を合わせた。 その後はおみくじを引いたり、2人で笑い合いながら楽しく過ごし、お正月休みも翌日の2日からコンクールの練習だと言う紅葉を宥めてみなのマンションへ送った。

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