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第47話

~結果~ 5位入賞 入賞出来ると思ってなかった紅葉はきょとんとし、学校内過去最高位の受賞に盛り上がる教師たち。 紅葉は表彰式でもらった花束をここまで練習を共にしてくれたお礼にと後輩の風へプレゼントした。 軽くインタビューや学校への対応を済ませてようやく帰宅出来ることに。 光輝がお祝いに食事をご馳走すると言ってくれた。 「光輝くん!私、お寿司食べたいなぁー! お昼食べてないからお腹すいた。」 こんな時は女子を見せるみな。 上目遣いでお願いされた光輝はご機嫌だ。 「お寿司?僕、回るやつがいい!」 安上がりな紅葉。 結局回転寿司にしては少し値のはるところにして、試験終わりの誠一も呼ぶ。 「おめでとう紅葉! みなもお疲れ様。 少し食べたらスケジュールの打ち合わせしていい?」 光輝が笑顔で切り出す。 罠だった…。と嘆くみな。 「来月中に新曲をあげてもらって、再来月紅葉の卒業式が終わったら合宿を出来れば2週間くらいしたい。場所は誠一がアテがあるみたいだから…一応長野の予定。 合宿でアルバムの構成と作曲まで詰めて、帰ってきて東京でレコーディング。どう?」 凪は同棲開始早々にメンバーで合宿が入りそうでガックシきたが、仕方ないとOKを出す。 「紅葉くんはあと卒業公演だけ?卒試とかは?大丈夫?」 誠一が確認すると紅葉は何それ?といった表情を見せた。 「そつし…?」 「卒業試験、テスト…ある?」 「テスト?…あるのかな?」 「…今すぐ友達に聞いて確認しないと!」 クラスメイトにLINEするとテストあるよー。と返事があり、落ち込む紅葉。 「また追試だったら卒業出来ない、合宿行けない、そんなんなったら凪との同棲もダメだからね!」 「そんなっ!!」 みなからの言葉にショックを受けつつも誠一がまた勉強教えるから大丈夫だよと励まし、みんなで仲良く寿司を食べた。 その後、駅で光輝と誠一と別れてみなを送る。 「紅葉は今日凪のとこに泊まるの?」 と確認され、明日はオフだからとOKがでた。 ようやく2人きりになった車内で目が合うと何故だか照れ臭くてふふっと笑う紅葉。 「早くチューしたいな。」 「今信号赤だから、する?」 「ダメ!お魚食べたから歯を磨いてからねっ!!」 ビシッと言われて吹き出す凪。 「変なとこ拘るなぁー?」 紅葉の髪に手を伸ばし、少し長くなったサイドの髪を指で掬いながら凪は自宅へとハンドルを向けた。 2240 お風呂と歯みがきを済ませ、凪はドライヤーで紅葉の髪の毛を乾かしてやる。 「今日の紅葉カッコ良かったよ。 やっぱり俺、お前がバイオリン弾いてる姿好きだわ。」 「ふふっ。ホント? 嬉しいー。僕もドラム叩いてる凪くん好き。あとドラムセット組み立ててるとこも、すこいカッコ良くて、あ!ご飯作ってる時、フライパンクルってするとことかー。ドライヤーのこの手もサイコーなの!」 「ははっ、そんな好き?」 「うん。好き。…大好きっ!!」 「ん。…俺も好きだよ。」 そう返してソファーの後ろからキスをする。 そのまま寝室へ連れて行こうと手を取ると、凪のスマホが鳴った。 「あ、悪い…。先輩からだ。 …ほら、ラジオん時の人。出てもいい?」 「うん。」 2人でソファーに座り、手を繋いだまま通話ボタンを押す凪。目線は紅葉に置いたまま、繋いだ手で頬を撫でたり、イチャイチャしながら先輩の翔と話す。 「凪ー! めっちゃピンチ。 聞いて!俺、骨折れた!」 「えっ?! マジでっ?! どこをどーしたんすか…」 「右手。。 バイクで転けたー。 顔は無傷でバイクは廃車で右手骨折。 マジめっちゃ痛かったよー。」 「ヤバいっすね。 右利きでしょ?飯とかどーしてんの?」 「コンビニのおにぎりが開けられないっていう大ピンチです。 弁当とカップ麺…テキトーに左手でも食べれるやつにしてる。風呂も超大変ー。 凪くんと違って寂しい独り身だからさー。」 「ははっ。飯くらい差し入れますよ。」 「マジでっ?! いや、実はそれより頼みがあってー。」 意外と長くなる会話に紅葉は退屈なのか、凪の膝の上に座り、抱き付いてきた。 凪は苦笑しながらも紅葉の腰を抱き、待てと口パクで伝える。 紅葉はニコニコと凪を眺めながら頷いて、再び手を繋いだ。 「再来週からLIVEツアーなんだわー。 ツアーって言っても関東だけなんだけど…、さすがにドラム叩けなくて…。 凪、助っ人できてくんない?」 「えっ?!俺っ?! いや、翔くんのレベルは叩けない…」 「頼むよー! むしろ凪くらいしかいないって! ツーバス叩けて、あんだけ高度なテクニックで正確に出来るやつ。 基本土日の、2daysLIVEなんだけど、スケジュール空いてるとこだけでもいいから…頼むっ!!」 「えっと… つまり2週間でLiT Jの曲をマスターしろと?」 「凪なら出来るって! セトリ、ドラム簡単なので組むから!!」 「いや、どれもそれなりに難しいって(苦笑) えー、マジかぁ!! どーしよっかな…。」 困っている先輩を助けたい気持ちはもちろんあるのだが、翔のバンドの曲はレベルが高く、LIVEで弾くにはかなり練習をしないといけない。 そして土日がLIVEで不在となると紅葉と過ごせる時間がほとんどなくなってしまうので苦悩する凪。 「ちょっと待って」と翔に言い、紅葉と目を合わせると電話の内容が聞こえていたようで「助けてあげて」と小声で言って紅葉は微笑んだ。 スマホを手で覆い 「しばらくあんま会えなくなるけど…」 と言うと 「LIVE観に行く!平日も学校早く終わる日が増えるからちょっとでも会いにくる! 凪くんを応援する!」と言ってくれる紅葉。 凪は恋人に背中を押されて引き受ける決意をする。紅葉に口付けて翔と話した。 「翔くん…。 俺で良ければLiT Jの大事なLIVE、やらせて下さい。」 凪の答えに男泣きする翔に笑いながら全力で頑張ることを誓う。

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