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第73話※R18

※未成年者の飲酒を連想させる箇所がございますが、未成年者の飲酒を推奨するものでなく、構成上の演出になります。 2100 凪side 珊瑚は紅葉同様によく食べた。 器用に箸を使いこなし、食事のマナーも良いが、まぁよく食べる食べる…。 運動部の中学生並みだな…。 明日から量を増やすことを決め、今月はエンゲル係数が羽上がる覚悟を決める。 「凪くん、今日のコロッケ最高だった! あ、珊瑚の分のご飯代僕が出すね。」 後片付けを手伝う紅葉がそう言ってくれたが、気持ちだけで十分だ。 「別にいーよ。 あとやるから練習してくる?」 「ありがとう。 じゃあそうするね。」 珊瑚がシャワー中なので、キスをしてバイオリンの練習に向かう紅葉。 片付けが終わる頃、珊瑚がバスルームから出てきた。 タオルを首からかけたまま、冷蔵庫を開ける。 別にいーけど、こいつは遠慮とかないのか… 「テキトーに飲んでいい?」 「いーけど。 …って、ビールはダメ。」 「ケチだな。」 「そーじゃなくて18だろ? 日本では酒はハタチ…20からなの。」 「はぁー? じゃーワインある?」 「ない。ってか、ワインも酒だから…(苦笑)」 「俺にほんきらい…。」 拗ね方が紅葉と似てて苦笑する。 仕方ないので小さいビール缶を1つだけ与える。 「家の中でならうるさく言わねーけど、とりあえず今日はそれだけ。 明日ノンアル買ってきてやるから。 あと外ではダメ。 みなにも言われてるだろ? 俺らバンドでメディアに出る仕事してるから、社会のルール守らないとダメなの。紅葉と同じ顔で悪さするならここには置けない。」 「…分かったよ。 じゃー、セックスしよ?」 「はっ?」 「キスはダメって言われたけど、セックスならいい?あいつと同じ顔だよ?キョーミないの? それとも三人でする?」 「…わー、頭痛い…。」 想像のナナメ上をいきすぎていて、日本語なのに会話が難しい。 顔は同じ、食欲同じか紅葉以上、性格だいぶ違う、頭脳違う、貞操観念真逆。多分これで合ってる。 「興味ねーよ…。 とっとと寝ろよ…!時差ボケはどーした…!」 「…何、あんたバイ? …うわ、その反応、まさかノンケかよ。 最悪…。」 「…お前ゲイ?」 「そーだよ。紅葉もじゃん? あんたはバイかゲイかと思ったのに…あー、マジでー?え、じゃあアソビなの?」 「本気だよ。 じゃなきゃ同じメンバーで付き合わないし、同棲もしない。」 「ふーん。」 「同じ顔でも中身は全然違うな…。 俺は紅葉だけだから。 そーいうのは他あたって。あ、でも酒と同じで下手に遊ばれるのも困るんだけど…」 「じゃーオトコ紹介してよっ!」 「…そんな知り合いいねーよ。 頼むから大人しくしてて。」 今すぐ癒しが必要になったので、紅葉を呼びにいく。 「紅葉…風呂に入るぞ。」 「一緒にいいの?」 『客』が来るなら別々でと言ったが、こいつはもう客じゃないので、好き勝手することにする。 一緒に風呂だと言ったそれたけで嬉しそうな顔をする紅葉が可愛い。 あと一曲だけ待ってくれる?と言って演奏を続ける。 「相変わらず下手だな…。」 いつの間にか防音部屋に来ていた珊瑚がそう呟いた。 紅葉が下手…? それから珊瑚は「そこ違ーう」「脇しめろって!」「この程度が弾けないとかバカなの?」などダメ出しを続け、だんだんその罵声はドイツ語になり、あと一曲と言っていた練習は40分を超えている…。 なるほど…。 これが日常だったならうち(Links)の練習にもついてくるはずだ。 「~っ!! 分かんないっ! そんなに言うなら珊瑚が弾いてみてよっ!」 「分かったよ!貸せよっ!! 弾いてやるから一発で覚えろっ!!」 珊瑚のバイオリンは紅葉の奏でる音色より力強く、同じ楽器、同じ曲でも印象が違った。 多分、巧いのだろう…。 カメラマンだと言っていたが、バイオリニストにもなれそうだ。 2343 練習を終えてようやく紅葉と風呂へ入る。 向かい合って湯に浸かるとさすがに狭いのだが… 紅葉は入浴剤を入れたお湯を手にすくって遊びながら言う。 「凪くん…。 珊瑚のこと…好きにならないでね?」 「はぁ…。好きにってどーいう意味で?」 「恋愛の好きだよ! 絶対ダメだからねっ!」 「…あいつはねーよ。」 「ほんと?」 「ないない。 なんか食われそーだし…(苦笑) そんな心配?」 「だって…珊瑚の方がキレイでしょ?」 「キレイ?」 「髪も瞳も…。僕はくすんだ色…。」 「そう? 俺はこの色、気に入ってるけど…?」 「…昔から珊瑚の方がなんでも上手なんだー。 運動も、勉強だってスキップして先に卒業しちゃうし。バイオリンも…さっき凪くんも聴いたでしょ? お父さんと同じくらい上手…。」 「でもあいつは音大には行かなかったんだろう?」 「音楽やるの、お金かかるし…。 僕はバイオリンしか出来なかったから…譲ってくれたの。」 「…それでも、ホントに続けたかったらあいつの性格なら続けてると思うぞ。 あいつはカメラやりたくてそっちを選んだんだろ…。 それに、俺はお前のバイオリンの方が好きだよ。」 「ほんと?」 2人を比べると技術的には紅葉の方が未熟かのかもしれないけど、音に暖かみがある気がする。 「おいで…?」 安心させるように紅葉を抱き寄せる。 キスをしながら、濡れた髪をかきあげて、膝の上に乗せると舌を絡める。 「んっ、ふぁ…っ!! …っぁ! や…。」 今日も安定の感度の良さと、俺が仕込んだ俺好みの素直な反応を見せる恋人に夢中になり、少し触るだけのつもりが胸にも腰にも…もちろん下にも手が延びてどんどんエスカレートしていく。 お湯は温めだが、そろそろ逆上せるかもしれない…。 紅葉を抱き抱えて、バスタブの淵に座らせると躊躇わず紅葉のモノを口に含む。 「ひぁっ!! やっ、だめ…っ! あっ、ァ、んっ! あ、一緒、がいーよっ。」 可愛いことを言う恋人の腕を掴んで立たせ、後ろから抱き込んで細い脚の間に自身を滑り込ませて紅葉のモノと合わせる。 「ん、んっ。ァ、あ、つい…っ!」 「かわい。好き。」 「ふ、ぁ。 …僕の方がいっぱいすきだからねっ!」 謎の意地をみせる紅葉に笑って、我慢させながら一緒にイった。

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