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第84話

4/20 1200 凪の誕生日食事会(バーベキュー当日) 前日のイベントLIVEは無事に終わり、Linksはアルバムの曲も1曲だが披露した。 お客さんの反応も良く、全体的な演奏もまとまっていたため、光輝が肉のランクをアップしてくれて、参加メンバーは大盛り上がり。 これからLinksはGWにツーマンやスリーマンLIVEを各地でこなし、バンド結成日の6/9(ロックの日)にアルバムをリリース&配信スタートさせる。早速明日からLIVEのリハーサルもあり、アルバムの仕上げや取材もあるのでかなり忙しくなる。 今日は明日からまた頑張るために鋭気を養おうと凪の誕生日会兼バーベキューパーティーだ。 イベントLIVEで一緒だったLiT Jや他のバンドからも知った顔が集まり、かなり賑やかだ。 だが、取り仕切る責任者が光輝なのでマナー厳守!ゴミの分別から騒ぎすぎへの注意も忘れず、飲み過ぎ厳禁、未成年者飲酒喫煙厳禁! 場の雰囲気の壊さない程度に見回りと小まめな片付けをする光輝に自然と周りのメンバーも協力していく。 集まったメンバーの派手な見た目に反してかなり優良なバーベキューパーティーになっている。 凪は結局、予想通り肉を焼いていて主役のはずだが、それも楽しいらしい。 時々可愛い恋人がノンアルコールビールを注ぎにきてくれるので、癒されつつ、また次々と肉を焼いた。 「紅葉日焼け止め塗った?」 みなが確認するが、 「塗ってない…。」 と答える紅葉。 よく見ると数十分の間に肌が赤くなっている。 「ダメじゃん!春の紫外線強いんだよ? あんた肌弱いんだから…! ほら、日陰入って! カナ、日傘と日焼け止め出して。」 みなの口もとの動きを読んでカナが日傘をさして、みなの高級日焼け止めを渡した。 「10年後の肌を守るために今努力するの。 10年後もダーリンといたいでしょ? 可愛くしてないと捨てられるよ!」 「やだっ!!」 彼女のその一言で紅葉は必死に日焼け止めを塗りたくっていた。 10年後…紅葉28、凪33、4… 捨てられるとしたら俺じゃね?と凪は苦笑する。 「凪。変わるよ。 ごめん、熱いでしょ?」 「サンキュー 熱いよ。気をつけて。」 光輝と交代して、友人やスタッフたちと談笑することにした凪。 ふと、いつもは賑やかな輪の中心にいるはずの翔が平九郎と肩を並べて座り込んでいるのを見つけて声をかける。 「翔くん…? 飲んでる? 誕プレありがとね。」 「あ、凪…。お疲れ…! どうだった? たっぷりラブラブしてきた?」 「…まぁ、それなりに…(笑) もう肉食った?」 「うん。 肉…味ついてないとこ、こいつにも少しやったけど…」 「平九郎、随分高級なもん食ったな…!帰ったら安い鶏肉食わないとかやめてよ?(苦笑) 翔くん大丈夫?酔った?」 「だいじょーぶ。 黄昏てた…。」 「…珊瑚となんかあった?」 「……。」 やっぱりと思いつつ、聞くべきか迷う凪。 「あの子…!天使じゃなくて堕天使だった! でもって傷付いた羽根でどっか飛んでっちゃった…。」 「…サッパリだけど…とりあえず落ち着こう?」 「翔くん! 珊瑚が何か失礼なことしたの?」 紅葉が寄ってきて、珊瑚の名前が聞こえたのか心配そうに聞いてきた。 「いや、そうじゃ、ないんだけど…」 「…ツアーのとき、珊瑚を車に乗せてくれてありがとう。 珊瑚は…意地悪したり、イタズラしたり…ちょっと誤解されやすい性格なんだけど…ホントはとっても優しいんだよ?」 「…そーだね…っ!! チョー綺麗だしね…! ぅう…! ちょっと代わりに紅葉くんを抱き締めてもいーい?」 「ダメに決まってるでしょーがっ!! こっち貸してやるよ!」 凪はそう言って紅葉を後ろに隠し、平九郎を差し出す。 人懐こい平九郎は嬉しそうに尻尾を振りながらじっとしている。 「毛深い…」 「…?犬だからだよ?ふわふわで温かいでしょー!」 凪の背中からヒョイと顔を出した紅葉がそう言うと翔は平九郎をぎゅっと抱き締めた。 「うん…。犬臭い…けど、我慢する…。」 やはりどこかおかしい翔を平九郎に任せてそっとしておくことにした。 GW 出演は5曲~8曲程度だが、丁寧にLIVEをこなし、地方をまわっていくLinks もちろん今回はきちんとホテルも取れていて、凪と紅葉は同室にしてもらいプライベートの時間も一緒に過ごした。 まだまだ地方ではLinksの知名度は高くないが、みなが化粧品のCMに出たおかげか彼女を知っている人は多かった。 取材やラジオ出演、地方のローカルTVなどへの出演もこなし、地道に宣伝をしていく。 深夜の時間は大人3人がラジオ出演などを担当した。 みなと紅葉は仕事や移動の合間にピアノのあるスタジオを借りて練習をする。 紅葉は学校の課題が多く、大変そうだが、なんとか両立をしようと頑張っている。 凪の実家がある京都へも仕事で行ったのだが、さすがに今回は立ち寄る時間が取れずに、東京へ戻った。 一度荷物を置いた凪と紅葉は連休の後半3日間、平九郎を預かってくれた翔のところへ愛犬を迎えにいく。 ちょっといいお酒とつまみになりそうなおかずをお土産とお礼代わりに渡して、最近は飲んだくれだという翔を心配しつつ、愚痴を聞いてきた。 平九郎には正式に家族として迎えたお祝いで犬用のケーキを用意して与えると、顔中がクリームまみれになり、いつの間にか紅葉にもついてしまったため、凪はまた2匹をまとめて洗うはめになったのだとか…(笑)

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