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第111話※微R18

平九郎とボール遊びをしたり、お砂場セットを手にした紅葉は砂の城を作り始めた。 「えー…難しい…っ! 凪くん手伝って!」 「…もう山にすれば良くない?」 既に崩壊しかけた城を見た凪はそう提案し、2人で単純に砂を積む。 「もっと大きい山にしてトンネル掘ろうっ!!」 少年に戻った紅葉は張り切ってどんどん砂を高く積み、凪に反対側からトンネルを掘るように言う。 「いい加減腰が痛い…!(苦笑)」 長身の凪はしゃがみっぱなしの姿勢に疲れて、砂の上に座り休憩することにしたようだ。 とりあえず平九郎用の水とお茶を1本持っているので紅葉と分けあって喉を潤す。 「そーいえば、翔くん遅いね?」 「あー…。寝てるんじゃない? 仕事明けだし…!」 「そっか~!」 絶対今頃車でヤってるだろと思いながらも紅葉が車の方へ近付かないように気を張ることにする凪。 「まだ腹減ってないよな? ガムならあるよ? とりあえずもう少ししたら連絡してみるから…! よし、トンネル完成させる?」 「うん!」 スマホは紅葉の分も凪が預かり、念のため防水ケースに入れている。 2人で手を砂まみれにさせながらトンネルを開通させる。 「やったー!! 凪くんの手と会えたっ!!」 たったそれだけのことなのに、嬉しそうに笑顔を見せる紅葉が可愛くて凪は目を細めた。 「ごめん…こどもっぽいね…っ!」と俯く紅葉に凪はトンネル内で手を繋いでキスをした。 すぐ後ろを犬連れの通行人が通った気がしたが、この瞬間を大切にしたかったのでどうでも良かった。 平九郎も近付いてきて2人の顔を舐め始めたのでただの戯れになり、しかも平九郎が興奮してそのまま突進してきて力作の山とトンネルは開通1分程で崩落した。 「もー!平ちゃんー!(笑)」 「最悪、砂まみれ…っ!! 海で洗おう…。」 顔に着いた砂を一先ず海水で洗い流して凪の首にかけていたタオルで拭く。 「汗臭かったらごめんね?」 「それはそれでサイコーだから大丈夫っ。」 ちょっと変態チックな恋人に笑いながら浅瀬で水遊びを楽しむ。 「カニだっ!!」 紅葉が小さなカニを見つけてつつく。 「気をつけろよー!」 「うん。 ほら、平ちゃん、カニさんだよー!」 初めて見たのだろう生き物を前に興奮気味の平九郎… 「危ないよっ? ちょ…!凪くん!動画撮ってー! 平ちゃんが変な動きしてるー!(笑)」 前足を上げてカニに向けるが、ビビって近付けずエアパンチを繰り返す平九郎に爆笑する紅葉。 座り込んで笑うので海水と砂まみれだ。 着替え持ってきて正解!と思いつつ、確かに面白い平九郎の動きを動画におさめたのだった。 それから、やたら機嫌のいい翔とややお疲れモードの珊瑚もやってきて4人で少し遊び、ぬるくなったコーヒーとおにぎりを片手に喋りながら過ごす。 「それなに?」 「似顔絵っ! 凪くんと僕と平九郎、こっちが翔くんと珊瑚だよ!」 紅葉が砂浜に描いた似顔絵は……芸術的だった。 「お前それヤベーよっ!」 「平九郎は上手い! あとは…ごめん、どれが誰?」 珊瑚も翔も爆笑している。 「光輝とみなのも描いてやれよ。 今日のプレゼントにしたらウケるから。」 凪もそう言って笑っている。 「けっこう上手に描けたと思ったのにー!」 紅葉だけは不服そうだった。 帰りは凪が運転し、紅葉は助手席で爆睡。 珊瑚と平九郎も寝ている。 「翔くんも寝てていーよ。 疲れたでしょ?」 「さっき充電したから大丈夫。 帰ったら寝るし。」 「あー!やっぱヤってたんだ?(苦笑)」 「だってあれからヤってないし。 え、フツーヤるよね? 付き合いたてはヤりまくるよね?」 「気持ちは分かるよ? でもそれじゃあ今までと同じじゃん。 フツーにデートでもしなさい。」 「はっ!そっか…! そーだよね…っ!! 分かった!まずはデートから…!」 「健全な、ね?」 「えー、じゃあラブホ以外ってこと? どこ行こう?」 早速スマホでデートスポットを検索し始める翔。 「凪はどこ行ってんの?」 「ベタだとプラネタリウムとか? 神社、新宿御苑で紅葉(こうよう)見たり…フツーだよ。」 「なるほど…。 ちょっとあとで恋愛の師匠にも聞いてみる!」 「恋愛の師匠…??(笑)」 840 凪の家に到着 「じゃあまた夜に。」 「ありがと。また夜、よろしくー!」 「翔くんありがとう!」 「珊瑚…翔くんのとこ行かなくていいの?」 「いい。ヤることヤったし。 俺他にやることあるから。」 そう言うと珊瑚はカメラ機材を持って家に入ってしまう。 「ヤベー…。 翔くん…!ちょっと! ちゃんと大事にしないとまずいよ…?」 「え、何かやらかした?」 「この前あれだけヤって、恋人宣言して、朝から車ではないよ…(苦笑)」 「うそっ!怒ってた? けっこう乗り気だったはずなんだけど…!」 「珊瑚照れてるだけだよ。」 「ほんとっ?!」 「うん、でも大事にしてあげてね。 頑張り屋さんだから、いつも一人で無理しちゃうの。珊瑚は大丈夫って言うけど、翔くんが守ってあげてね。」 「…分かった!」 「やっぱお前たまに良いこと言うね。」 「へへっ。 平ちゃんとシャワーしてくるー! 翔くんバイバイ!」

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