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第120話※R18
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部屋でくっつきながら明日のLIVEで使用する同期のチェックをしていると、ファンの子たちが大浴場から部屋へ戻ったのを偶然見かけた義から連絡をもらい、2人は貸し切り露天風呂へと向かった。
「ふは…っ!…サイコーですっ!」
「良かったな。
ってか昨夜も珊瑚と入っただろ? 」
念願の凪と一緒に露天風呂を満喫する紅葉は、彼に背を預けて夏の星空を見上げた。
「お星さまもキレイだし、温泉も気持ちいいし、あとは凪くんからの蕩けるようなキスがあれば完璧です。」
恋人の要望に凪は「スゲー贅沢してるように聞こえるけど、一円もかかってねーな。」と笑って口付けた。
「ん…っ! ふ…、ん、」
「俺の家族と仲良くしてくれてありがとね。」
「…?
なんでお礼?
僕の方が"ありがとう"だよ。
なんかあんまりお手伝い出来てないけど、良かったのかな?
凪くんばっか大変でごめんね。」
素直で優しい紅葉に微笑み、舌を絡める。
逆上せるので、少し浅いエリアに移動して、凪の首に腕を回す紅葉を膝上に乗せる。
「ぁ…っ、ァ…ン、あッ…!
や、だ…め…っ!!」
「…暑っいな…(苦笑)」
紅葉の首筋から胸にかけて舌を這わせていた凪は暑さに負けてお湯から引き上げた。
「あ、はっ、んんーっ!! ぁっ、ん!」
「明日LIVEだから途中までね?」
「ん…っ!」
なるべくキスで口を塞いで、コクコクと頷く紅葉の熱を追い上げていく。
「んーー…っ!!」
凪は右手で紅葉の熱を受け止め、荒い息を繋ぐ恋人の頬に触れる。
「大丈夫?」
「う、ん…っ!」
「じゃあ…
紅葉の得意なやつ…してくれる?」
「是非っ!!」
小さめの口に凪のモノを頬張り、一生懸命な口淫で彼をイカせると満足そうなのは奉仕した側の紅葉の方で、凪は苦笑し耳元で囁いた。
「次はベッドでちゃんとしたいね?」
「う、うん…っ。」
明日から頑張ろうと、シャワーで全てを流すともう一度キスを交わして風呂を後にした。
翌朝…
朝食の手伝いにしては遅刻気味で厨房に立つ凪は、お弁当の調理を言い付けられる。
時々注文を受けて近所へ配達をしているのだ。
「15個と6個ね…。」
欠伸を噛み殺して気合いを入れ直すと作業に取り掛かる。
ファンの子たちがチェックアウトするまで紅葉は部屋に留まり荷物を纏めて帰り支度を始める。
平九郎の散歩は義父に頼んだ。
時間が余ると珊瑚の部屋へ行き、自分がいない間の平九郎の世話をお願いし、旅館の外国語案内をリニューアルする作業を手伝った。
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「はい、これ。」
大量のお土産と共に先ほど作った弁当16個を渡されて凪は首を傾げる。
「配達してけってこと?」
「違うわよ
光輝くんからご注文いただいたの。
あなたたちのお昼よ。保冷バッグは名古屋で義くんと会う時に返してね。」
「なるほど…!
さすが光輝だな…。」
前回のツアーで急に宿泊させてもらったのでそのお礼のつもりだろう…
自分で作った弁当をLIVE前に皆で食べることになるとは思わなかったが、凪は保冷バッグを受け取ると車のシートに乗せた。
「それとこれは私から…
紅葉くんと2人で着てね。
忙しいのに手伝いありがとう。助かったわ。」
「浴衣…? 何…、わざわざ仕立てたの?」
「紅葉くんに何か日本らしいものあげたくて。
揃いではないけど、せっかくだから…。
着付け、大丈夫よね?」
「大丈夫だけど…
え、こんなんしなくていいのに…(苦笑)」
先月のお礼のつもりだったし、そうじゃなくても繁忙期だし、手伝いはするつもりだったのでさすがに恐縮する凪。
「いいのよ。私が何かしたかっただけだから…。…LIVE頑張ってね。まだ他も続くんでしょう?
身体に気をつけてね。」
「ありがとう。
母さんも無理しないで…、いい年なんだから…(苦笑)
あ、珊瑚のこと頼むね。父さんと義くんにも平九郎のことよろしくって伝えて。」
その日のLIVEのMCではお弁当の話題に。
「今日のLinksとスタッフのお昼は凪のとこのお弁当でした。」
「美味しかったっ!」
「ねー! 料亭の味!」
「ほんと美味しかった!
凪の味つけ?」
「店のレシピだよ。
でも俺は自分で作った弁当食べたから…微妙な感じ(苦笑)」
「お腹も満たされたので、LIVE後半戦もお弁当パワーで頑張ろうと思いますっ!!」
関西地方も小さな会場でのLIVEだが、その分お客さんとのコミュニケーションも大事に出来て、Linksにとって大きな成長となった。
名古屋で平九郎と合流し、一度自宅へ戻る。
1日休んで、翌日には平九郎をペットホテルに預け、北関東でLIVEをこなし、長野と新潟へ出発。
ここは少し慌ただしいスケジュールになったが、初上陸の地でもなんとかまとまったLIVEを行うことが出来た。
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