140 / 144
第139話※R18
その日の夜…
「凪くん、これ…!」
紅葉は手紙を差し出した。
「何? ラブレター?」
「実はそうなの…っ!」
「ふっ…。
ありがとう。え、いつの間に書いたの?
読んでいい?」
「うん…。」
二度目となる紅葉からの手紙にはこの旅行と凪への感謝の気持ちが綴られていた。
ツアーや凪の実家以外への初めての旅行がとても楽しかったという旨から始まり、
忙しいのに、美味しい料理を作ってくれること、すぐ体調を崩す自分のためにイヤな顔をせずに看病をしてくれること、時々ネガティブになる自分にかけてくれる"大丈夫だよ"の優しい一言が本当に嬉しくて安心出来ること、その全てが"いつも"であることへのお礼が書いてあった。
「凪くんが僕に向けてくれるたくさんの愛情に応えるためにも僕は自分自身のことも好きになろうと思うよ。」
そう言って凪を見上げる紅葉はとても穏やかな顔をしていた。
「ありがとう、紅葉…。
そーだな…。お前はいつも俺にばっか好きって感情を向けてくれて…嬉しいけど、もう少し自分のことも愛さないとな。
紅葉は俺が出逢った人たちの中で一番大切な人なんだから…。お前は自分が思ってる以上に大事なもんとか特別なものをたくさん持ってるんだよ。
俺もいろいろ気付かされることが多いし、それはプライベートでもバンドの音楽活動でもそう感じてる。
これからもずっと一緒に成長していこう。」
凪はもう一度ありがとうと伝えて、紅葉を抱き締めた。
2人は見つめ合って自然と唇を重ねる。
ふふっと笑う紅葉の髪を撫でながら何度か口付ける。
「我慢出来なくなるからこの辺で…(苦笑)」
切り上げようとする凪の手を紅葉が引き止めるように指先を繋いだ。
「僕もう大丈夫だよ?」
「え…っ、でも…まだ全然…1週間も経ってないけど…?」
「ダメなの…?
凪くんが大好きだよ。
もっとギュってして欲しいな…。」
そんなこと、可愛い恋人に上目遣いで言われて誘われたら凪の理性はあっという間に外れていく。
「俺だってずっと紅葉に触れたかったよ…。」
平九郎にご飯と大きなガムを与えて、この部屋はベッドルームとリビングの区切りがないので、ケージに入っててもらう。
「あっ、あ、んーっ!
凪くん…!」
「キツい?」
よく慣らしたつもりでも久々に繋がれば、いつも以上に狭くて熱い紅葉の中…
凪は恋人を気遣ってそう聞いた。
「ん、はぁ…っ!
だい、じょーぶ…っ!
あっ、もっと…近くにきて?」
「く…っ!」
腕を凪に伸ばして奥へ誘う紅葉。
凪は堪らず奥歯に力を入れてその締め付けに耐える。
「んん…っ!」
「ふっ…! 紅葉くん…スゴいことしてくれんね?」
「?なぁに?
あっ、ね、早く…っ!」
動いてと急かす紅葉を掻き抱きながら奥を突き、反射的に開いた恋人の唇を奪うと舌を絡めた。
「や、んっ!
い、くっ!あ、凪くん…っ!!
もぉ…イク…っ!」
「ん。いーよ…。
可愛いとこ見せて?」
「ーっ!!」
声もなく達する紅葉の精は濃くて、指に絡め取った凪は苦笑する。
「お前…またしてなかったの?」
「はぁ…はぁ…っ!
一人じゃイケない…」
「え? いや、そんなことないだろ?
こういう感じでさ…。」
凪がイったばかりの紅葉の前を刺激する…
「や…っ。あっ、アっ
だって…凪くんとじゃないと気持ち良くないから…!あっ、ん!」
「カワイイこと言っちゃって…」
「あ、…責任とって…っ!」
紅葉の台詞に「喜んで…」と答えた凪は再び腰を進めた。
ゆっくり、優しく…紅葉を悦ばせるように意識しながら、自分の熱も高め「好きだよ」と何度も伝えながら愛し合った。
ともだちにシェアしよう!