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幸せの嘘に気づいた日 3

腐敗した腕で、愛おしい人を抱きしめる。 「ナズナ、ナズナ、ナズナ。ねぇ、ナズナ。ナズナが好き。僕はナズナが大好きだよ。」 「俺も大好きだよ、スズナ。」 溢れてくる愛情を両腕に込めてぎゅうぎゅう抱きしめる。 「………うん。………………僕も、ナズナが好き。なのになんで?なんで嘘ついたの。どうして僕に嘘ついたの。なんでなんでなんでなんでなの!!?」 感情が上手く抑えられない。 内側から黒くてドロッとした何かがどんどん溢れてくる。 「俺だってずっとそばにいたかった。だから嘘をついたんだ。だから騙したんだ。嘘ついたの許してくれる?」 「そっか。そうなんだね。……………うん。許すよ。嘘ついたの許す。」 背中に腕が回ってくる。嬉しい。 嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい、あ、そういえば。 「ねぇ、ナズナ。穢れってなに?」 「……………。」 「僕、怨霊、なんでしょ?」  「そう。俺がずっと引き留めてたからスズナは怨霊になったんだ。で、俺は能力もないただの人間だから悪いものが身体の中に溜まってるんだけど、」 ナズナのこと傷つけてるの?僕、ナズナに悪いことしてるの? 「ダメ。ダメだよダメだ。ナズナが痛がることはしたくない。ナズナが悲しむことはしたくないよ。ダメダメだめダメダメダメだめだめだめ駄目ダメだ!!!!!」 あぁドロドロが止まらない。抑えられない。どうしようナズナが死んじゃう。どうしようどうしよう。 「そうじゃない。そうじゃないんだよ。俺は穢れだろうが痛みだろうがスズナから貰ったものは全部大事にしたいだけ。プレゼント貰っただけだから。」 「ぷれぜんと…?じゃあ、嬉しいの?ナズナ、コレあげたら、うれしい?」 「うん。すごく嬉しいから、いっぱい欲しい。俺の身体、プレゼントで全部満たして。」 「わかった。」 あげる。あげる。あげる。あげる。あげる。この黒いのあげる。あげる。あげる。あげる。ドロドロあげる。あげる。あげる。あげる。あげる。あげる。ぐちゃぐちゃあげる。あげる。あげる。あげる。あげるあげるあげるあげるあげるあげるあげるあげるあげるあげるあげるあげるあげるあげるあげるあげるあげるあげるあげるあげるあげるあげるあげるあげるあげるあげるあげるあげる!!!!!!!!!!! ずっと、ずっと一緒だよ。ナズナ。

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