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…承……②

「そちは余のもの。わからせてやる」 皇は、着物から抜いた紐で、オレの両手首をまとめて縛った。 「痛っ!やめ……」 怪我をした手首に紐が食い込んで、痛くて動かせない。 手首の痛みよりも、皇にこんなことをされているのが信じられなくて、涙が滲んだ。 「やめっ、皇……」 「余を拒んでおったのは、先輩のせいか?」 皇は、新年会に出た格好のまま寝ていたオレのセーターをめくった。 「ちがっ!やめっ……」 皇が渡って来る時はいつも、ロウソクの灯りだけになっているこの部屋に、今日は煌々と照明が点いていた。 明るい部屋の中、皇の前に肌を晒されて、恥ずかしさに身を捩ろうとするのに、体ごと押さえつけられて、動けない。 「や……だ、皇!やめて!」 「……どこまで許した?」 「痛い!ほどいて!」 「先輩には……怖がらず差し出したのか?!」 皇は、オレの胸に指を伸ばした。 「やっ……皇!」 逃げようともがくと、手首の紐が余計食い込んでくる。 「余を散々拒んで参ったに、余以外の者に肌を許すなぞ……断じて許さぬ」 皇は、オレのズボンのボタンを外してうつぶせにさせると、足から下着こそズボンを引き抜いた。 「やだ!やだ!やめて!皇!やだっ!」 初めて下半身を晒されて、オレは逃げようと必死でもがいた。 でも、オレのズボンと下着を放り投げた皇は、うつぶせにしたオレをベッドに押し付けた。 「いっ!」 うつぶせにされた格好で、顔をずらして皇を見ると、ベッド脇の灯りの油を指で掬っていた。 「な……や……やだ!皇!」 その油は何に使うものなのか、オレは駒様から、夜伽教育で教えられていた。 「せめて痛みが少ないよう開いてやる」 皇はオレのお尻をグッと開いて、油を掬った人差し指を、オレの中に一気に差し込んだ。 「うああっ!」 「そちが騒げば、外の者共が要らぬ心配をするぞ」 「っ?!」 オレの背中から覆いかぶさった皇が、耳元でそう囁いた。 いつもとは違う、冷たい声。 痛みに叫びそうになる声を、ベッドに顔を埋めて我慢した。 皇に押さえつけられていた背中から、ふっと力が抜けたのがわかって後ろを振り向くと、皇が着物の(たもと)から、何かを取り出すところだった。 「っ!」 なに?! 皇は、グリグリとオレの腸内をかき混ぜていた指を一度抜くと、小さくて硬い『何か』をぐっと押し込んだ。 異物が腸の奥まで入っていく感覚に、体がブルリと震えた。 「な、に?」 何を入れたの? 「そなたの痛みを、緩和する薬だ」 薬……? そのあとも、皇の指は、オレのそこを広げるように、グリグリと動き続けた。 痛みと恥ずかしさと恐怖感で、あとからあとから涙が溢れた。 なのに、しばらくすると、痛みしか感じなかった皇の指の動きに、急に体が反応して、大きくしなった。 「あっ!あ……あっ……あ……」 今まで萎えていたペニスが、一気に勃ち上がったのがわかった。 な、に、これ。 体が熱くて……皇の指が肌をかすめるだけで、体が反応して、ビクビクと震える。 「やっ……や、ぁ……や……す、め……あっ、ああっ、あ」 「効いて参ったか」 皇がオレの中にもう一本指を埋め込んだ時、何の前触れもなく沸いてきた急な射精感に、めまいがした。 「あ、あ……あっ……」 腸内をかき混ぜる皇の指の動きに合わせて、腰が動くのを止められない。 「や……だ、抜いて……やだ……皇っ」 やだ!こんな、こんな酷いことをされてるのに、我慢出来ない射精感が湧いてくる。 「側仕えに聞こえるぞ」 そんなの、もう気にしていられない。 怖い! どんどん切羽詰っていくみたいな、この感覚、何? 怖い! こんなの、知らない! 自分で射精した時とは……全然違う。 怖い! やだ! 助けて! 「皇っ!」 助けて! 「喚くな」 皇は、オレの口も紐で縛った。 「ううっ!」 叫べないのすら、つらい。 「そちが余のものだと自覚するまで……幾度でも穿(うが)つ」 「ふ、うっ!ううっ!」   オレの体は、皇の指から与えられる刺激で、何度も何度も登りつめて、震えが止まらなくなっていた。 心も体も疲弊して、今すぐにでも意識が飛びそうだ。 オレが何度目かわからない絶頂を迎えた時、皇はオレの中から指を抜くと、着物を脱いで、後ろに放った。 指を抜かれたオレのそこが、物欲しげにひくついているのが、自分でもわかる。 振り向くことも出来ず、うつぶせのまま体をベッドに沈めると、皇がオレの腹を抱えて、腰を高く上げさせた。 ぐちゅっという音がして、指とは違う硬い物が、オレのそこに当てられた。 背中からオレを抱き込んだ皇の香りを感じた時、硬い物が、一気にオレを貫いた。 「ううううっ!」 「力むな、裂ける」 皇に、更に深く突かれた感覚に、息を吸うのも忘れて、目の前が白くなった。

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