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……転…⑥
皇の指が、オレの乳首の上で、小さな円を描く。
そのたび、オレの体は小さく震えて、皇に快感を伝えた。
「っ……んっ」
「そなたが……余さず欲しい」
背中からオレを抱き込む皇が、耳元にキスをしながら『青葉』と、何度も切なげにオレの名前を呼んだ。
体の力が抜けて、皇に体重を預けると『また軽くなったのではないか』と、耳朶を食まれて、体が跳ねた。
「んっ!」
オレの乳首をいじっていた指が、すっと下がって太ももを撫でた。
ごくりと唾を飲み込む音が、耳元でする。
オレのペニスから垂れる透明なカウパー液が、灯りに照らされて光って見える。
皇の指が、足の付け根をそっと撫でた。
陰嚢を、揉むように大きな手で包まれて、ピクリと体が揺れる。
ペニスの裏筋をなぞって、皇の指が、先端に向かった。
「あっ、はぁ、っん……」
我慢しようと思っても、我慢出来ずに、声が漏れる。
こんな声を出してしまう自分が恥ずかしい。
でも……。
背中に、皇の……すごく、硬くなってる、ものが……当たってて。
皇がオレでこんなことになってるんだから……オレがこんな、ほんのちょっと触られただけでビクビクしちゃうのも、当たり前だって、開き直れた。
だって……皇に、こんなこと……されてるんだから。
皇に……。
ペニスの先端をぐっと指で押されて、息を飲んだ。
そんなことされたら……オレ……ダメだってば!
垂れるほどのカウパー液で濡れたペニスを、皇の手で滑らかに扱かれて、大きく仰け反った頭が、皇の肩の窪みにおさまった。
もう……今すぐにでも……出ちゃいそう。
浅い呼吸をしながら皇を見ると、小さく『青葉』と呼んで、おでこにキスされた。
「も……あっ……すめ、ら……ぎっ、んっあっ!」
もどかしいくらい優しく扱いていた皇の手が速くなって、もう……我慢出来ない。
「あ、あっ……はっ、はぁ、あ……だめ、もっ……はあっ」
ヒュッと勢いよく息を吸い込んで、シーツに精液を飛ばした。ガクガク体が震える。
皇の手が、更に筋をなぞるように優しくペニスを扱くから、残りの精液が、皇の指にだらりと垂れた。
全身が、だるい。
皇の胸に頭を預けると『そのまま力を抜いておれ』と、頭にキスをして、皇はベッド脇の照明の油を指で掬った。
あの日……皇に与えられた、どこかに飛んで行ってしまうくらい深い快感を思い出して、ほんの少し、怖くなった。
「青葉……」
後ろから皇の膝に足を押されて、膝を曲げた格好になったオレのお尻を撫でて、皇の指は、そのまま戸惑うことなく、オレの中に入ってしまった。
「んんっ!」
だるさも忘れて、びっくりして震えた体を、皇が片腕でしっかり抱きしめた。
「案ずるな」
そんなこと言われても……ぐっと入った皇の指が、あの時擦られて気持ちが良くなった部分を、迷わず擦ってきて、全然、大丈夫じゃない。
さっき登りつめたばかりのペニスが、またゆるく反応し始めた。
「あっ……す、んっ……はぁ、はぁ……っう、ん……」
左手の指で乳首を捏ねながら、右手の指は、オレのそこを広げるよう動かしている。
少し痛いけど、それより……気持ちいいほうが、強い。
ゆるゆると腰を動かしている自分に気付いて、ものすごく恥ずかしくなった。
どれだけそうされていたのかわからない。にちゃにちゃという粘液独特の音と、オレの荒い呼吸音だけが、部屋に響いていた。
何度も絶頂に向かいそうになっては、そのたび力を緩める皇の指に、もういい加減、いかせて欲しいと懇願する言葉を、さっきから何度も飲み込んでる。
「あ、はぁ、はぁ……」
皇はまた一旦指を抜いて、油を指で掬った。もうこの動作も、何度目かわからない。
「す、めら、ぎ……」
もう……無理。
泣きつこうと皇を見ると、オレの髪を撫でた皇が、低く囁いた。
「ゆっくり、息をしておれ」
オレを仰向けに寝かせて、足を上げさせると、皇は自分のペニスを軽く扱きながら、オレの体に近付けた。
入口を確かめるように、肛門周りをくるくると、ペニスの先端を滑らせる。
「んんっ!」
十分指で広げられたそこは、ズッ……という音をたてて入ってくる皇を、容易く奥まで受け入れた。
「ああっ!」
体を刺されるような挿入感に、体が逃げる。
「案ずるな。力を抜け」
皇はオレの頭を撫でて、更に深くまで、ゆっくり進めた。
「あ、あ……あっ……はあっ……あっ!」
「しっかり息を致せ」
オレに被さった皇が、耳元で囁く。
「はぁ……あ……はぁ……」
皇の腕をすがるように掴むと、更に奥まで貫かれた。
「ああっ!」
皇の亀頭の張りが、触れて欲しいところに届いて、大きく体をのけぞらせたオレを、皇がぎゅうっと抱きしめた。
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