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梅生誕祭⑨

「何、怒ってんだよ」 荒々しく重ねられた唇が、息をするのも苦しくさせる。涙を浮かばせると、皇はようやく唇を離した。 「そなたは手を重ねるだけで満足か?そうであるなら、この手を切り落としてくれてやる!」 肩をぐっと押されて、縁側に押し倒された。 皇はイライラした顔で、唇を噛んだ。 「そなたが余を望まぬなら!……余とてそなたを望んではならぬ」 オレの肩を掴む皇の手に、さらに力が入って、痛い。 「鎧鏡の当主は、嫁を心身共に満足させねばならぬ。ゆえに余を望まぬものを、嫁にしてはならぬのだ。そなたが余を望まねば……余は、そなたを候補から外さねばならぬ」 何だよ、それ。 だって……オレだって、お前が何を望んでるかわかんないから……お前に嫌われたくないから、お前に嫌がられたりしたら、絶対立ち直れないから……動けないんじゃん! 「お前……ずるいよ。オレにばっかり言わせようとして……。お前は、どうしたいんだよ!」 オレの気持ちばっかり聞こうとして……お前はオレのことどう思ってるんだよ! オレなんか……もう、キスしただけで……勃ってんだから!こんな欲しがってんのに……わかれよ!バカ! 「雨花」 顔をしかめた皇が、オレの頭の下に手を入れて、オレを抱き起こした。 皇の足をまたぐように座らされて、ピタリと体を重ねると、皇のペニスが固くなっているのがわかった。 「っ?!」 皇……も? 「そなたは先日、余とのまぐわいを、仕置きだと申した。誠、そなたにとって、余がこうして触れることは……未だに嫌悪でしかないのか?」 皇にもう一度きつく抱きしめられると、お尻の下に、固い感触が当たって、体が震えた。 「皇……」 目の前で不安そうな顔をしている皇に、自分から……キスをした。 恥ずかしくて、死にそうだよ。 イヤだと思ってるなら、とっくにチョコプレートをバリバリに割って、実家に帰ってるじゃん!バカ! でも……。 皇はホント、ズルイよ。 そんな風に言われたら……ちゃんと言葉にしなきゃって、思うじゃん。 「……さわっ、て」 皇にしがみつこうとした手が、震えてた。 「さわっ……」 しがみつく前に、皇に頬を包まれて、今度こそ息が止まると思うくらい、キスされた。 何、これ……。キスだけで……イッちゃいそう。 皇とくっついてるとこ全部……もう、じっとしていられないくらい……気持ちいい。 「は、あ……」 キスをしながら皇はオレを横にすると、オレの着物の衿をぐっと両側に開いた。 庭のぼんやりとした照明が、唇を離した皇の下、小さく立ち上がっているオレの乳首を照らした。 ほんの少し口を開いた皇の顔が、オレの胸に沈んでいく。 「あっ、ふ……」 舌の先で乳首を啄かれて、着物の下で、下着を付けていないペニスがドクリと大きく揺れた。 乱れた裾を割って、皇の膝がオレの陰嚢に軽く触れた。 「ぅっ、ん!」 膝に置かれた皇の指が、内股をなぞってペニスの先端に軽く触れると、オレのそこはまた大きく震えた。 「青葉……」 ゴクリと唾を飲み込んだ皇が、オレの着物の裾を開いた。 ひんやりした空気がペニスを包み込む。 寒さに体を震わせると、ペニスを持ち上げるように裏筋をなぞった皇の指が、先端をトンッと軽くノックした。それだけで飛び上がりそうになる。 「ひっ!あっ……」 小さく悲鳴じみた声を上げて、皇の腕にしがみついた。ちょっと触られただけなのに、もう……どうしよう。もう……。 「皇……」 もっと……さわってよ。もう……よくわかんないけど、もう……もどかし過ぎる。 「ん?」 首筋に唇を這わせた皇が、耳元でそう聞く。 それだけで、背筋がゾクゾク震えた。 「すめら、ぎ」 もっと……。 「ん」 「皇……」 もっと……。 強めにこすられた乳首から、ジクジクと快感がくすぶって……ペニスの先端を少ししか触れてこない皇の指が、うらめしい。 「はぁっ、あ……。皇っ!」 もっと……。 もっと……欲しがってよ。 自分の指を舐めた皇が、オレのお尻に、手を伸ばした。 「はぁっ」 まだ触られていないのに……お尻の穴が、痙攣してる。 皇にぐちゃぐちゃにされるのを……期待、してる。 「す、めら……ぎ」 自分で、ほんの少し、腰を浮かした。 クチッという小さな音をたてて、皇の指が、滑らかにオレの中に入ってきた。 「んあっ!」 オレの中で小さく一周した指が、迷わず触れて欲しい場所を撫でた。 「あっ、っく、はっ……出……っ!」 皇がちょっと力を入れて何度かそこをこすっただけで、オレは勢いよく精液を飛ばした。

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