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ざわわ⑤
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「は、あ……っ、ん、あっ」
「青葉……」
「っはぁ、あ……か、様が……」
来るって……母様、またあとで来るって、言ってたのに。
こんなことしてたら……だめ、だって思う。でも、寝間着の裾を割る皇の手を、払えない。
「ん?」
寝間着の衿から差し込まれたもう一方の手は、すぐにオレの乳首に届いた。
「ふっ、ぅ……はっ、ふ……」
オレに被さって、息が苦しいくらい舌を絡める皇の頬を両手で包むと、ピクリと皇が小さく震えた。
腿の内側を滑って、すうっと下着の隙間に差し込まれた指が、陰嚢に柔らかく触れた。
「んぅ!」
やんわりした手つきで、ふわふわと陰嚢を揉まれて、ビクビクとお尻の穴が痙攣を始めた。
「母、様が……」
「黙れ……余だけ見ておれ」
「はぁ、っん……だって、こんな事したら……ダメって……」
母様が言った『激しい運動』って、こういうこと、でしょ?
こんなことしたら駄目って、母様が言ってたのに……。
「御台殿の駄目は、しろという意味だ」
「嘘」
「真だ。お館様が仰っていた」
皇の爪が、乳首を弾いた。
「っは……は、あ……」
「……そなたが、決めよ」
皇の指が、陰茎をなぞった。
「ふ、うっ……」
何を、決めろって?
「余を求めるなら、引け」
皇は、自分の着物の紐をオレに握らせて、手を止めた。
これを引けば……皇の着物を脱がせることになる。
「……」
何でそうやって、オレを試すようなこと、言うんだよ。
帰らないでって言った時点で……もう……わかるじゃん。バカ。
「どう致す?」
「……皇、怒られない?」
「あ?」
「母様に。……駄目って言ったのにって、怒られたり、しない?」
目を見開いた皇が、オレを強く抱きしめた。
「皇?」
「そなたには、駆け引きすら出来ぬ」
皇の着物の紐を持つオレの手を掴んで、皇はオレの手ごと、ぐっと引いた。
皇の着物がはらりと開かれて、白い肌襦袢が覗く。
「誰に咎められようが構わぬ」
「……」
「……構わぬ」
かぶりつくようにキスしてきた皇の、肌襦袢の紐を、自分から……引いた。
着物も肌襦袢も脱ぎ捨てた皇の素肌に、皇にされるみたいに、指を滑らせた。
ビクビク反応する皇の体に触れているだけで、オレの体もかあっと熱くなって……もっともっと……皇に触れたくなる。
「は、う……すめら、ぎ……」
皇の下着の上から、固くなっているペニスをそっと撫でた。
「あ、お……っ……」
眉を顰める皇の、余裕のない反応に、オレも、痛いくらい反応していく。
「皇……」
「っ……」
するりと下着を脱がされると、ヒクヒクとペニスが震えた。
皇は自分の下着も脱ぎ捨てて、オレのペニスに、自分のペニスを擦り付けた。
「あっ!はぁ、はっ……あっ、皇!」
「っ……」
皇は、オレと自分のペニスを握って、上下にしごき始めた。
「や、あっ!あ、ああっ!すっ、め……あ、あっ!」
「っ、青葉……っは……」
皇の手が、容赦無く上下する。
「や!あ、や……っ、皇っ!」
出る!
もう、出ちゃう!
「は、ああっ!だ、あっ!出ちゃ……すめ、んっあ……出ちゃ、っ!」
「青葉……」
はふはふと、苦しげに呼吸を続ける唇を唇で塞がれて……加速した快感が、弾けたがる。
「ふぅっ!」
皇の肩をぎゅうっと掴むと、ペニスの奥から湧き上がる快感が、ジュッと音を出してほとばしった。
「んんんっ!」
ガクガク体が震える。
皇の首に抱きつくと、お腹に温かい物が当たって、皇の体がブルっと震えた。
「はっ、はぁっ……」
「青葉」
皇はまた唇を合わせて、クチクチと音を立てて、舌を吸い上げてくる。
「んう、ん、っん……」
さらに皇に抱きつくと、皇も痛いくらい強く抱きしめてきた。
「んうっ……ふ、んっ」
「青葉……」
切なげな顔の皇が、もう一度オレにキスをして、強く抱きしめた。
「これ以上は、そなたの体に負担をかける」
「皇……」
「そのような顔で見るでない」
皇は、オレを胸に抱きこんだ。
「皇……」
「……黙れ」
「な、んだよ」
「黙れ」
「……何で」
「黙れ。……そなたの声を聞くだけで……己を抑えきれなくなる」
「っ!」
皇……。
そんな風に言った皇は、オレを抱きしめながら、何度も耳元で『青葉』と、呼んだ。
お前も黙れよ。そんな風に……呼ばないでよ。オレだって……我慢してるのに。
ふるっと腰が震えた時、ドアをノックされた。
「起きてる?入るよー!」
ぅええっ?!
母様の声だ!
「ちょっ!いや!あの!」
「ん?」
母様は、有無を言わさずドアを開けた。
そのあと皇は、急いで羽織った肌襦袢だけのほぼ全裸姿で、散々母様に怒られた。
何が『御台殿の駄目はしろという意味だ』だよ!バカ!
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