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能ある鷹②
明るい温室の中、何度も唇を重ねた。
混ざる唾液を何度も飲み込みながら、目を開くたび視界に入る皇の顔が、昼間の顔とは全然違うことに、下半身が震えた。
オレの頬を包んでいた皇の手がシャツの中に入って、腰から脇腹をなぞって、右の乳首で止まった。
「っ!」
乳首の先端を軽く撫でられて、下着の中でビクビクとペニスが震え出す。
腰をモジモジと動かすと、皇の指は強めに乳首をこね始めた。
気持ち良さに、皇の肩を強く掴んだ時、皇は外でトイレにも行かないという、藍田の話が頭に浮かんだ。
「ちょっ……」
胸にジンジン広がる快感は、下半身をビクビクと痙攣させていた。このまま気持ちよさに飲まれたいけど……オレは皇の手を掴んで止めた。
「どうした?どこか痛むか?」
「どこも痛くない、けど……お前、外でこんなことしたら、駄目なんじゃないの?」
敵にいつ襲われるかわからないから、外でこういうことしたら駄目だって教わったって、藍田が言ってた。
皇がいかがわしいことなんかするわけないってふっきーが言ってたの、そういう意味だったんだ、きっと。
「あ?」
「曲輪以外で……こういうことしたら、駄目なんじゃないの?お前、いつ襲われるかわかんないから、外ではトイレにも行かないし、こんなこと、しないって……」
皇は一瞬指を止めて、でもまたすぐに、オレの乳首をグリグリと押しつぶした。
「っん……いい、の?」
「ここは特別だ。蟻一匹たりとも入っては来ぬ」
ここは、特別……そう言われて、キュウっと下半身が反応した。
この零号温室は、ふっきーが言ってた"特別な場所"、なの?
「他の人とも……お昼、ここで食べてるの?」
「いや」
その答えを聞いて、皇の唇に、かぶりつくようにキスをした。
オレだけ、なんだ……。
ここが皇にとって本当に特別な場所かはわからないし、この先、他の候補様を連れてくることがあるかもしれない。だけど今のところここは、オレだけの場所、なんだ。他の候補様と、ここで、こんなこと、してないんだ。
皇の制服をぎゅっと握ると、ズボンの上からグッとペニスを握られた。
「んっ!」
大きな衝撃に体が跳ねたあと、ずっと小刻みに痙攣していた下半身が波紋を広げたように、全身がガクガク震え出した。
首筋に小さなキスを何度もしながら、どんどん下に降りていく皇の唇は、喉仏に吸い付いて、また首筋に上がってきた。
背筋が、ゾワゾワする。
「は、はっ、あ……す、めらぎ……」
ズボンの上からペニスを掴んだまま、もう片方の手で器用にシャツのボタンを外していく。
皇の指が、インナーの上から乳首を撫でた。
「んっ!ふ、あ……」
それ……オレ、ヤバい。も、ああ!もう……気持ち、ぃぃ……。
皇の肩口に顔を埋めてぎゅうっと抱きつくと、皇はオレのズボンのファスナーを下ろして、下着からペニスを引きずり出した。
「ああっ!」
皇の手が、直接オレのペニスを包んで、軽くキュッと握りこまれる。ガクンと跳ねた体を押さえつけられて、直接扱かれ始めたペニスの先端から溢れるカウパー液が、グシュグシュと音をたてる。
「あっ!んっ、あ!……は、あ……はあっ……っ!」
体の震えが、止まらない。
「皇っ!……はあっ!あ!あっ、だ、め……オレ……あっ……」
雁首を強めに撫でられて、体を仰け反らせると、皇はインナーの上から、左の乳首を食べるように唇を動かした。
「んぅっ!」
も……オレ……それ……ホント、駄目、だってば。
ペニスがさらに熱を持って、皇の手の中でビクビク跳ねる。
もう、止まんない。
「皇……んっ、んんっ」
「ん?」
皇の唇で包まれている乳首に、皇の熱い息がかかる。
「は、あ……皇……」
オレを見上げた皇の口に、舌をのばした。
もう……無理。もう、止めらんない。気持ちいぃ……。もっと……して、欲しい。もっと……。
「んっ、んんっ……皇……」
皇がオレのペニスを扱くたび、ニチャニチャといやらしい音が温室に響いた。
今日はそんな音をかき消す雨音がない。
亀頭を握り込むように強めに扱かれて、悲鳴みたいな声が出た。
だってもう……イッ、ちゃう……よ……。
「皇っ……んんっ!」
絶え間なく、皇の手はオレのペニスを包んで上下する。
体にこもる熱が、熱くて、熱くて……もう……。
「ん?」
イ、く……。
「す、め……はっ、皇っ……」
「良いか?」
そんな声で……聞かないでよ。
「んぁっ!」
皇のいやらしい声に煽られて……ホント、もう……。
「ん?」
「んっ……んっ!あっ、皇っ!はあっ、あっ!皇っ!……出、るっ!んんっ!出る、からっ!」
「出るから……何だ?」
「はっ、あっ……」
出る、から……手、止めないで。
ギュウっと皇の首にしがみつくと、皇は更に手の動きを速めた。
「あっ!あ、あっ、んんっ!んっぅ、ああっ!」
勢い良く飛び出した精液が、オレのズボンの股部分に着地した。
「……うあああああ!」
それを見て、一気に現実に引き戻された。
「ちょっ……今、何時?!」
心臓はまだ全然、バクバクいってる。
でもまだお昼ご飯は食べてないし、午後のテストだってある!こんなことしてる場合じゃない!
うわあ……だって、このペッタリくっ付いてるオレのコレ……どうすんの?!
うわあああ!せめて脱いでからすべきだった……って!いや!そもそもこんなことしてる場合じゃなかった!
急いでハンカチでぬぐったけど、色が明るめのズボンだから、股部分の色が変わってるの……バレ、バレ?
何で色が変わってるかなんて、他の人には絶対わかんないと思うけど……思うけど!オレ自身がめちゃくちゃ気になる!
「皇!」
「ん?」
皇は口端を上げて、ソファの手摺りに肘をついた。
何のんびりしてんだよっ!
「コレ……ズボンの色、変わってるの、見える?」
ジャケットをしっかり着てれば、ズボンの色が変わっているのを隠せるんじゃないかって思うんだけど!
「あ?先程そなたが零した場所か?……よう見える」
「何ーっ?!」
お前ー!オレが零しただと!
……いや、そうだけど!そうだけどー!
お前が……グリグリしたからじゃんか!
もっと……出したあとのこととか、考えてくれたって……。
……って、オレもそんなん考えてる余裕、なかったけど。ただただ、気持ち、良くって……。
うああああ!もー!バカ!オレのバカー!
「うあああああ!午後のテスト、こんなんで出るのやだーっ!」
「落ち着け」
「落ち着けるかあああ!」
皇は鼻で笑うと、おもむろに電話を掛けた。
「今すぐ雨花用の制服を一揃え調達致せ」
それだけ言って、皇は電話を切った。
ホントこいつは、電話のかけ方がなってない!って……電話の相手、誰?
オレの制服とか、すぐ調達出来るものなの?
「……」
家臣さんたちから、すごいって言われてるのはわかってるし、オレだって、なんでも出来てすごいよね、とは思ってた。
だけど今、心の底から思ったよ。電話一つですぐに制服調達出来るとか、鎧鏡の若様ってすごいんだなって。
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