327 / 584

夏休み~息抜きは必要だよ、うん~⑥

「うえっ?!」 どうしてこうなった?! オレが慌てて戻ろうとすると『大人しく致せ』と、皇はオレの腕を掴んだ。 「そなた、余の言いなりであろう?」 「っ……それ、いつまで続くんだよ!」 「少なくとも、今はまだ有効だ」 皇の指が、オレの半袖のシャツの隙間から、二の腕をなぞって脇に届いた。 「っ……」 「湿布が匂うな」 「お前が貼ったんじゃん!」 つーっと二の腕をなぞる皇の指が、脇の窪みを強めに押した。 「っ!」 「筋肉痛は、もう良いか?」 「……ん」 鎧鏡家特製湿布を貼って寝たのが効いたのか、筋肉痛はもう、ホントに気にならない。 「では遠慮は要らぬな。……シャツを上げろ」 ここでーっ?!だって……ええええっ?!こんな、とこで?しかも、自分で脱げって……こと? 「そなたは余の言いなりのはず。男に二言はないのであろう?」 自分でした約束が恨めしい。 「何だ?また安全がどうのという心配か?曲輪の中は安全だ」 いや、安全とかそういうレベルの話じゃなくて! 曲輪の中なんだろうけど、外じゃん!ここ! 誰か来たら……って、こんなところに誰か来るわけないか? 「……」 ここで何をどう言っても多分……オレは、皇の言いなりになっちゃうんだろう。 口を結んで、皇の言う通りシャツをめくった。 「……胸までだ」 何だよ、それ!……恥ずかしいよ、自分から肌を見せる、とか……。 暗闇に包まれた車内は、メーターパネルがまぶしいくらい光っていて、オレを見上げる皇の顔を浮かび上がらせていた。 恥ずかしさを堪えながら、言われるまま胸までシャツを上げると、ほんの少し口端を上げた皇の指が、オレの両乳首を、ふわりとつまんだ。 「ふっ……」 それだけで、腰がびくりと反応する。 ふわふわと何度か乳首をつまんだあと『立ち上がった』と、皇はさらに口端を上げた。 そういうこと、言うなよっ!バカ! 「ふ、っぅ……」 ぐにぐにと乳首の上で、皇の指が円を描く。 「はっ……あ……」 たまらず皇の肩に額をつけて……震える腰を、皇に押し付けた。 「出せ」 何を? ……なんとなく、わかった、けど。 わからないふりをした。 だって……恥ずかしいよ。 「……」 「そなたの陽物は、強情な口と違って正直に跳ねておる。……出せ」 ようぶつ……駒様も夜伽教育の時、ペニスをそう呼んでいた。 ズボンの中では確かに、皇に乳首を押しつぶされるたび、ビクビクとペニスが跳ねている。 「男に二言はないのであろう?」 「……っうぅ」 皇に跨っている体勢じゃ、脱げない。 オレは、ズボンとパンツを下げられるだけ下げて、皇のお腹の上で、自分のペニスを晒した。 ……恥ずかし過ぎる! 「余は手が塞がっておるゆえ、余の物もそなたが出せ」 相変わらずオレの乳首をこねながら、皇はそう言ってまた口端を上げた。 手が塞がってるって……お前が勝手に塞いでるんじゃん! それでも……オレは皇に言われるまま、皇のズボンに手を掛けた。 少しだぼついているズボンのファスナーを下ろすと、下着に包まれている皇のペニスが、ほんの少し手に触れて……その硬さに驚いて、手を引いた。 「どう致した?」 皇は催促するように、オレを乗せている太ももを揺らして、乳首をつまむ指に力を入れた。 「はっ……」 皇のズボンを下ろすのは難しい。 自分と同じように、皇の下着も少しずらして、皇のペニスを解放した。 皇はそれを握って、先端をオレのペニスの先端に擦り合わせてきた。 「ふぁっ!」 どちらのものかわからないカウパー液で、ぬるぬる滑る。 ……気持ちいい。 たまらずまた、皇の肩に額をつけた。 「こうが良いか?」 オレと自分のペニスを一緒に握り込んだ皇の手が、上下し始めた。 「はっ、あ……あっ、はっ……」 吐息ではおさまらなくなった呼吸に、甘い嬌声が小さく混じっていく。 そんな自分の声が……たまらなく恥ずかしい。 「そなたが致せ」 皇はオレの手を取って、自分とオレのペニスを握らせた。 オレが握ったまま動かせずにいると、皇はオレの耳にキスをした。 「早う……」 耳元で囁かれて、手の中の、オレのペニスが重量を増した。 皇に腰を抱えられながら、オレは必死に皇と自分のペニスを擦り上げた。 気持ち、いい。 でも……皇は? 「はぁっ……す、めらぎ……」 「ん?」 鼻に抜けるような、小さな声で返事をした皇の耳に口をつけた。 「……いぃ?」 「ん?」 「はぁっ……ぃぃ?皇……も……いぃ?」 皇はびくりと体を震わせて『うつけが』と眉を顰めると、オレの手を外から包み込んで、さらにペニスを強く擦り上げた。 「あぁっ!」

ともだちにシェアしよう!