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嫉妬②
着物の衿から差し込まれた皇の手は、すぐにオレの乳首に触れた。
グニグニと押しつぶされた乳首から、すぐにジンと快楽が広がっていく。
十五夜の日のことを思い出して、皇の手を止めようかと思ったけど……しばらく渡らないと言った皇の声が耳に残って、止めるのを躊躇った。
中間テストだけじゃなくて、学祭の準備もあるからって、皇、言ってた。
学祭まで渡らないとしたら……これから一ヶ月近く渡らないことになる。
一ヶ月近く……皇と……こんなこと……出来なく、なる。
「ふっ、う、はぁ……」
「雨花……」
耳元で名前を呼ばれて、ゾクリと体が震えた。
皇とこんな関係になるまで、オレ、そこまで……こういうことしたい、とか……思ってなかったっていうか。
ずっと、こういうことは……女の子と……する、つもりでいたし。
でもそこまで……したい!とか、思わなかったのに。
今では皇のことを思い出すだけで……ちょっと……おかしくなったり……することがある。
皇とは何だかんだ、一週間に二回くらいは、こんなこと、してるかな?
それでもたまに……足りない……って思うことがあるっていうか……うおおおお!恥ずっ!
ホント恥ずかしい、けど……それが現実で……。
なのに、一ヶ月もそういうこと、なくなる、とか……。
乳首をいじっていた手を抜いて、皇はオレの着物の衿をぐっと広げた。
顔中にキスをしていた唇が、今度はオレの乳首にキスを落として、今まで乳首をいじっていた手が着物の裾を割って、膝から足を撫でながら、オレの中心目指してゆっくり進んでいった。
完全に勃ち上がったペニスが、自分の意思とは関係なく、下着の中でビクビクと震えるのを感じた時、部屋の外で何か音がしたような気がして、ハッと扉のほうを向くと、皇が『どう致した』と、手を止めた。
「何か……音、が、聞こえた気がして……」
「何の音もせぬ。案ずるな。誠、何か物音がすれば、そなたより先に余が気づく」
言われてみれば、確かにそうか……。
「あ……うん」
すぐに再開されると思ったのに、皇は手を止めたままオレを見下ろしていた。
え?何?
「しかし……そなたが聞こえるはずもない音を気にするのは、この部屋だからか?」
「え?」
皇はちょっと考えるような顔をして、開いたオレの着物を直した。
「そなたが余以外に気を取られるのは腹立たしい。和室に参る」
「はぁ?」
え?この、中途半端に煽られた状態で和室に?ええっ?!
皇はオレの手を引いて体を起こさせた。
いやいや……ええっ?ホントに?
皇は、自分の着崩れた着物も簡単に直すと『早う』と、もう一度オレの手を引いて、立ち上がらせようとしてくる。
いや、待って!だって、いや、オレ……ちょっ……完全に、勃ってて……えええっ?!
体は起こしたものの、畳の上に座り込んだまま立とうとしないオレを見て、皇は『ああ、動けぬか?』と、ふっと笑った。
笑い事じゃないからぁ!
「おぶされ」
「はぁ?」
「抱き上げて階段を下りるのは危険だ。おぶされ」
皇は、オレに背中を向けてしゃがんだけど……おぶされって……いや……絶対無理!
「や……やだよ!ちょっ……もうちょっとで落ち着く……」
「落ち着くでない」
「はぁ?」
皇に腕を引かれて、無理矢理おぶわれた。
「ちょおっ!やだ!」
「暴れると、余もろとも落ちるぞ」
「や!下ろして!自分で歩ける!」
まだ全然萎えていないオレのペニスが、皇の帯に当たってる。
おんぶされてるんだから当たり前なんだけど、足を大きく開かされて……皇が歩くたびにその振動で、ペニスが帯にこすられて……暴れたら余計こすられて、やばい!
「皇!ホント!ぁっ……」
うあっ!おかしな声がぁ!
階段を下り始めていた皇は、ほんの少し足を止めると『部屋に戻ってすぐ風呂だな』と、ふっと笑って、さっきよりあからさまにオレを上下に揺さぶりながら、さらに階段を下り始めた。
「ちょおっ……やめっ!」
「ん?どう致した?」
楽しそうな声の皇は、おんぶし直すようにオレを持ち上げて、太ももに置かれていた手を、お尻にずらした。
「ひゃっ!や……」
皇はお尻を揉むように手を動かしてきた。
こいつ!絶対オレのこの状況わかっててやってるー!
乳首は着物にこすれてジンジンするし、ペニスは皇の帯にこすられて、どんどん気持ち良くなってきちゃうしで……こんな階段の途中で……ホント、やばいって!
「……っ……皇ぃ」
ダメだってばぁ!こんなところで、皇におんぶされたまま、出す……とかあり得ない!
皇の肩をギュッと掴んで、何とか和室まで頑張れ!オレの理性!と我慢してたのに、ふっと振り向いた皇が、オレの耳たぶを軽く噛んだりするから!その瞬間……イっ、て、しまった。
うっ……ううーっ!
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