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嫉妬⑤
白映はあんな大きな会社なのに、鎧鏡一門的にはその他大勢だなんて……。
鎧鏡一門基準がおかしいだろ?
一般的には、白映の社長令息なんて言ったら、ものすごいよ?
しかも、天戸井は女優さんの息子だよ?絶対そっちのほうがすごいのに。
午前中、高遠先生の課題をこなし、学校に向かうため、11時半に屋敷を出発した。
今日は祝日のせいか、いつもより車の進みが遅い気がしたけど、学校の車寄せに到着したのは12時少し前だった。
靴を上履きに履き替えて、生徒会室棟専用エレベーターに向かう途中、ふと窓の外を見ると、学校の車寄せに、一台の車が停まったのが見えた。
「え?」
車寄せに停まったのは、皇がいつも使っている車だ。皇の車を見間違えるわけがない。
何で今日、皇が学校に来るの?祝日なのに……。
ドキドキしながら車を見ていると、後部座席から出て来たのは駒様だった。
「へ?」
駒様が一緒に学校に来たのかな?今までそんなことあったっけ?
駒様のあとからすぐに出て来ると思った皇は、一向に車から出て来ない。
駒様は腕時計を見るような仕草をして、校舎を見上げていた。
……どういうこと?
不思議に思いながらエレベーター前に着くと、ちょうどエレベーターの扉が開いた。誰かが降りてきたところらしい。
少しずつ開く扉の隙間から、頭を下げているサクラが見えた。
サクラが乗ってきたのか。でも何してるの?と、思っていると、エレベーターの扉が完全に開いて、サクラが頭を下げている先に、もう一人乗っていた人がいることに気付いた。
「えっ?!」
皇だ。
何してんの?学校にいたんだ?しかもサクラと一緒とか……何で?
それ以上何も言えず立ちすくんでいると、ものすごく慌てた様子のサクラが『昼過ぎに来てって言ったのに何でもう来てるの?!』と、オレに向かって怒鳴ってきた。
「え?だってもう12時じゃん。ってか……何してんの?」
サクラが何で怒ってるのかわからないけど、今はそれより、皇だ。
どうして皇がここにいるわけ?
『何してんの?』と、皇を見上げると『温室の整備が入ったのだ』と、口端を上げた。
「あぁ……そうなんだ?」
だから駒様も来てたのかな?
っていうか……自分で理由を聞いておいてなんだけど、皇が学校に来ている理由なんか、もうどうでも良かった。
会えるなんて全然思ってなかった今日、皇に会えたことが嬉しくて……顔が緩むのを止められない。
「そんな嬉しいんだ?」
存在を忘れていたサクラが、皇の後ろでポツリと呟いた。
「は?」
さっきまで怒っていたはずのサクラは『がいくんに会えて嬉しくて仕方ないって顏してるー!ばっつん』と、悪そうな顔で微笑んだ。
「ちっ!違っ……」
……わない、けど。全然違わないけど!嬉しくて仕方ないけどっ!皇の前でそういうこと言うなよ!サクラのバカっ!恥ずっ!
「顔、真っ赤だよ?ばっつん」
「こっ、これはっ!そうじゃなくて!」
顔、熱い。真っ赤なのは自分だってわかってるけど!
うう……恥ずっ!
「藤咲」
「へ?」
「柴牧はいつまでに生徒会室に向かえばいい?」
「え?ばっつんは、ばっつんの都合で来てるだけだから、いつでもいいよ?」
「そうか」
皇は『来い』と、オレの手を引いた。
「ちょっ!」
そのまま皇に、トイレの個室に引っ張り込まれた。
「何?」
トイレの壁に追い詰められて皇を見上げると、オレを見下ろす皇に、ふっとキスされた。
「なっ……」
抵抗する間もなく、皇は何度も唇を重ねて来る。
駒様が下で待ってるのに……。皇、知らないの?
唇がほんの少し離れた時に『駒様来てたよ』と、教えると、皇は『知っておる』と、また唇を重ねてきた。
「ちょっ……早く、行かないと……」
返事もしない皇は、ズボンの上からオレのペニスをそっと撫でた。
「んっ!ちょっ……駒様が……」
駒様が、皇のこと外で待ってるのに……。
「余とてこのようなことをする気なぞなかったものを……。そなたがあのような顔をしおったゆえ……」
皇は、オレのペニスを、ズボンの上からギュッと握った。
「ふぁっ!」
ちょおおおお!勃、つ……勃つ!勃っちゃうって!
皇の腕を掴んで、何とか止めようとするのに、抵抗すればするほど、皇はオレのペニスを強く揉んだ。
「あ、くっ……や、め……皇っ……」
もう……完全に勃ったし!どうすんだよ!バカ!だって、こんなことしてる場合じゃ……駒様、待ってるのに。
なのに……もう……止められないじゃん!……バカ。
「駒様……待って……」
「そなたが達する姿を見たいだけだ。駒を気にするのなら、早う達してみせよ」
何、言ってんの?こいつ!もー!バカでしょ?ホント、バカでしょ?
皇は相変わらずズボンの上から、オレのペニスを上下に擦ってくる。
っていうか……早くとか言われなくてもオレ……もう……。
もう……。
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