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粗方薄橙色話②

二か月近く、触れていなかった、皇の……肌。 今までも、一か月とか、夜伽がなかった時はあったけど……。今までとは、我慢の度合いが、全然違う。 気持ちを確かめ合って、オレだけって、言ってもらったのに……自分のケガのこととか、事件があって……すぐにでも皇の全部をオレのものに出来るのに、そう出来なかったから……。 ようやく触れた……皇……。 肌と肌が、直接触れる、心地良さと、幸福感……。 お互い、ぎゅうっとしばらく抱きしめ合った。 欲しくて欲しくて……ようやく手に入れた……オレだけの、皇。 皇の滑らかな素肌の胸に頬ずりすると、皇は、オレの頭にキスをした。 ふっと顔を上げると、じっと見つめられた。 こんな場面……何かの漫画で、見たことがある。……皇の瞳に、オレが、映ってる。 オレの唇を、皇の長い指が、なぞる。 この指も、瞳も、近付いてくる唇も……全部全部……オレだけの、もの。 キスがしたくて、目を閉じた。 何度も唇を重ねながら、皇の指は、オレの指の間をなぞって、たまに強く、握りしめてくる。オレ……おかしいのかもしれない。指まで、気持ちいいなんて……。 表面だけをこすり合うような、軽いキスをどれだけ続けただろう。ようやく皇は、ちょうどいい角度で、自分の舌を、オレの口の中に潜らせてきた。 吸われて、口の外に引きずり出された舌を、軽く噛まれる。 小さくうめくと、皇は、オレの舌をさらに吸い上げた。 皇から漂う雰囲気が……少し、怖い。 欲しがられているのが……すごく、わかる。渇望……みたいな、切羽詰まった皇の雰囲気が、何だか少しだけ……怖かった。 「怖いか?」 何で……わかったの? 「……ちょっと、だけ」 本当に、本当にちょっとだけだから……やめるとか、言わないでよ? 「すまぬ。加減が出来ぬ。……ならぬと申せば、今すぐやめる。これ以上……そなたを欲して良いか?」 返事の代わりに、キスをした。 皇の人差し指が乳首に触れて、体が跳ねた。 そこにあるのを確認するように、皇の指が乳首をこねたり弾いたりする。まだ始まったばかりなのに……オレの体は、もうすごく熱くなっていて……。 今すぐにでも繋がりたくて、腰が揺れて、止められない。 皇の手が、乳首からお腹へ、脇腹へ、腰へと、するする撫でて滑っていく。指でこねられていた乳首は、代わりに皇の唇に、包まれた。 下着の中でビクビクとペニスが震える。早く……早く、触って、欲しい。 きつく張り詰めているだろうオレのペニスを、下着の上から何度か撫でて、皇の指は、陰嚢を軽く押しながら、お尻に伸びた。 「あっ……」 皇に攻められると、いつもどうしようもない射精感が沸いて気持ちがいい前立腺よりも、今はもっとさらに深い場所が、触られるのを期待しているようにジクジクし始めた。 「どう致した?」 「何か……おかしい」 「ん?」 オレの話なんか聞く気がないように、皇はオレの乳首から離した唇で、そこら中にキスをしながら、どんどん腰のほうへと顔を近付けた。 最初はあんなに拒否した皇からの口淫を、今は……待ってる。 もうすぐそこに唇が届く……そう思うと、腰の奥のほうが、さらに強くジクジクとした。 「皇……」 「ん?」 軽い調子で返事をした皇は、オレの下着をするりと脱がした。 「あ……」 ドクンっとペニスが揺れて、腰の奥が、さらに熱を持った気がする。 すぐに口淫が始まると思ったら、皇は『ああ』と、何かを思い出したような声を出した。 「な、に?」 「シシの印か」 「え?」 「奥がうずくのであろう?それが、シシの印だ」 ししのいん? 「何、それ?」 「そなた、シシに会うた時、守護の印を授かったと申しておったろう?」 「え?……あ!え?シシの守護の印?……うん。何だかわからないけど、何かもらったみたい」 シシに会った時、別れ際に中指にキスされたみたいな、あれのこと、だよね? あの時は、何のことかさっぱりわからなかったけど……。 「シロが鎧鏡の嫁の守護者なら、その対のシシは、鎧鏡当主の守護者……すなわち、余の守護者だ」 「え?!」 「そのうずきは、シシから余への祝福の証。シシもそなたを気に入ったということだ」 「は?」 皇は『すぐにわからせてやる』と言って、オレのペニスを口に含んだ。 「んんっ!」 同時に開かされた足の付け根を指でなぞった皇は、一旦オレのペニスから口を離して『とと様のおっしゃっていた通りだ』と、オレのお尻の中心に指を当てた。 「あっ!」 「シシの印を受けた者は、当主を容易く受け入れると聞いた。こういうことだったか」 皇は、オレの中に指を進めた。 いつもの貝の潤滑剤なんて、ここには見当たらない。 なのに、オレのそこは、容易に皇の指を滑らかにどこまでも飲み込んだ。

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