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粗方薄橙色話③

「んんっ……なんで……」 「ん?」 皇は、オレの中を指でかきまぜながら、またペニスを口に含み始めている。 「はぁ……なん、で……貝、ない、のに……」 「ああ、滑りが良いのが不思議か。誠、不思議だ。そなたの奥から、どろりとしたものが溢れて参る」 「え?」 「それがシシの印の作用らしい」 そう言った皇は、またペニスを口に含みながら、オレの中をぐちゃぐちゃとかき混ぜ始めた。 音が……オレの中で、ぴちゃぴちゃと音がする。 オレの中から、何かが、溢れてる?そんなの、よくわからない。でも、この音と、オレの中で滑らかに動く、皇の、指……。 皇の言っていることはよくわからないけど、オレの中から、皇を受け入れやすくなる、何かが出ているのは、本当、みたい……。 皇の口の中に招かれた亀頭の裏側を、ねっとりと舌で舐められながら、陰茎を手でしごかれる。 尿道口にねじ込んでくるような、皇の舌の動きに、あっという間に果てそうになって『出ちゃう』と、皇の頭を押さえつけると、皇はオレのペニスから、そっと口を離した。 さっきよりも、強めに陰茎をこすりあげられて、オレは自分の腹の上に、勢いよく精を飛ばした。 荒く呼吸を繰り返すオレにキスをして、皇は『余の口に放てば良いものを』と、ぺろりと舌なめずりして、腹にどろりと放られたオレの精に、キスをした。 「やだ!」 皇が、またオレのそんなものにキスしないようにおなかを押さえると、皇はふっと笑って『いずれそなたからねだるまでにしてくれる』と、オレの唇にキスをした。 皇の唇から、ふわりと香る……青臭い、におい。 自分の放った精子が、皇の唇から香ってくるなんて……。 いけないことをしているような感覚を覚えるのに、オレのペニスは、また緩やかに反応した。 それを感じ取ったのか、皇はまたオレのペニスに手を伸ばすと、自分のペニスを、オレのそれにぬるりと重ねた。 「んっ!」 オレの耳にキスをした皇は『余も…鎮めて良いか』と、囁いた。 苦しげな皇の声が、さらにオレの熱を上げる。 重なったペニスを包んだ皇の手に自分の手を伸ばすと『共に』と、手を取られた。 カウパー液で、すでにぬるぬるとしている二人の陰茎を、皇と一緒に強めにしごき始めた。 「あ、あっ……皇……」 静かな地下牢に響く『んっ』という皇の小さく乱れた呼吸音が、オレの羞恥心とか理性なんかをぐちゃぐちゃに崩して……また登りつめていく感覚が、全身を駆け巡った。   「雨花……ならぬ。そのように、強くしては……」 大きく息を吸った皇が『すぐに果ててしまう』と、快楽に眉を寄せる顔は、怖いくらい、綺麗で……。 『オレも』とつぶやいてすぐ、オレが先に、トロリと精を吐き出した。 そのすぐあとに、ビクッと体を揺らして、皇の精がオレの胸まで飛んできた。 それでもまだ、皇のペニスからは、ドクドクと温かいものが溢れて、オレの手に流れてきた。 「青葉……」 オレに覆いかぶさった皇のペニスは、あんなに吐き出したのに、全く萎えていなかった。 「そなたに……包まれたい」 オレの頬を指で撫でて、皇は唇を重ねた。 苦しいくらい、舌で口内をおかされて、もじもじと腰をくねらせたオレの片足を担ぐと、皇は、オレの陰嚢をふわふわと揉みながら、お尻の穴に指を置いた。 「そなたが余を望むほど、溢れて参るようだ」 オレのそこは、ゼリーの中に指を埋めたような、ずぶりという音を立てて、皇の指を飲み込んだ。 「あっ!」 また奥のほうが、ジクジクし始めた。 「皇……」 「ああ」 オレは何も言っていないのに、言いたいことがわかっているみたいにそう返事をした皇は、すぐに二本目の指を、オレの中に潜り込ませた。 「あ、はっ……あ、皇……」 皇がこくりと喉を鳴らす。 ぐちゅぐちゅと音を立てて、皇の指は、前立腺の辺りを、何度も擦りあげた。そこを擦られると、射精感が募って、気持ちが、いい。 だけど……今ジクジクと、皇から触らるのを待っている場所は、もっと、奥のほうにある。 「あっ、あ……」 「ここが、そなたが普段、よがる場所だ。だが今は……もっと奥を、欲しておるのであろう?」 「なん、で……」 なんで、わかるの?オレは、何も言っていないのに……。 「そなたに触れると、そなたが触れて欲しいと望む場所が、余には不思議とわかるのだ。そなたと余は、身は二つでも、魂は一つなのだと、そなたに触れるたび確信する」 皇は、さらにもう一本、オレの中に指を埋めた。 「そなたの嘘はようわかると、言うたであろう?それと同じだ」 皇の指が、どうしようもなく……気持ち、いい。 また沸いてきた射精感を逃すように『や……』と言って腰を捩じると、皇は『嫌なぞ嘘だ』と、口端を上げた。

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