566 / 584

粗方薄橙色話④

「もう、余は何も隠さぬ。そなたも、何も隠すでない。嫌ではなかろう?良いと申せ」 皇はずるりと指を抜いて、オレの足を大きく開かせると、自分のペニスを、オレのお尻の穴に当てた。 「シシの印とは、当主の陽物(ようぶつ)の亀頭部が、ちょうど当たる場所に出来る、快楽を呼ぶ小さな突起と聞いた」 そう言いながら、皇はゆっくり、ペニスをオレの中に押し込んだ。 「あっ!」 「……ここだな」 皇と肌を重ねた時から、ずっとジクジクとしていた場所に、皇のペニスが当たった。 「ああっ!」 すぐに体をのけぞらせたオレの両足を肩にかけて、皇はオレの腰を掴んだ。ゆるゆると、”シシの印”と呼んだ、あのジンジンする場所を擦り始めた。 「ああっ!は、あ、やぁ……」 「嫌ではなく、良いと申せ」 「あ、んん……いい……いいっ!」 掴まれている腰を、思い切り動かしたい。 今まで感じたことのない気持ちよさが、シシの印から全身に広がっていく。 「やあぁっ!あっ!」 な、に……わかんない……わかんない……何、これ……何……。 皇は『余も……良い』と、息を乱して、ペニスを出し入れするスピードを上げた。 「あっ!ああっ!あ、はっ、あっ!」 強い快楽を追って、息をするのを忘れそうになる。 「こちらはそなたが愛でよ」 皇に手を取られて、自分の乳首を触るように、胸に持っていかれた。 「あ、あっ……あ……」 短く浅い呼吸をしながら、皇に命令されるまま、自分の乳首をギュッとつねった。 「んんっ!」 「……よいか?」 「は、あ、あ……あ、い、い……いい……す、めらぎぃ……あっ!」 皇は『もうならぬ』と、怒ったように言うと、さらにオレの中に、ペニスを打ち付けた。 「あああっ!」 先の見えない、ジェットコースターを登っていくみたいだ。 皇がオレの中に出来たという”印”を擦り上げると、どんどん絶頂感に向けて、自分の体が登りつめていくのがわかる。 だらしなく口を開けて、小さい嬌声を繰り返しながら、皇に、さらに強く奥を突かれて、初めて感じる、振り切った絶頂感に、ふわりと体が浮いた気がした。 『ひっ』という悲鳴のような声を上げて、ガクガク震える体で、必死に皇に抱きついた。 「青葉、大丈夫か?」 ギュッと皇が抱きしめてくれた刺激が、また印に伝わって、オレは『駄目』と何度も言いながら、皇のペニスで印を擦るように、自分で必死に腰を振った。 ああ、もう……何、これ……どうしよう……気持ちいい。ここ……気持ち、いい。 「青葉……」 「皇……皇……もっと……あ、あっ……はぁ……あ、皇っ……うごい、て……」 「ああ」 皇は、苦しく呼吸をしているオレにキスをしながら、また印を擦り始めた。 「んんっ!」 「……よいな」 「いいっ……いい、皇ぃっ……いいっ、気持ちいぃ」 快楽に目を閉じると『目を開けよ』と、皇がオレにお願いしてくる。 「なん、で……」 薄く目を開くと、苦しげな皇が、オレのこめかみにキスをした。 「そなたを穿つのが誰か、よう見ておれ」 さらに奥に打ち込むように、皇はオレの腰を掴んで、何度も出し入れを繰り返す。 青葉、青葉と、何度もオレを呼ぶ皇の声と、グチグチという粘着質な水音が響いて、オレはまた、一気に登りつめていく感覚に、皇の腕を強く掴んだ。 「はぁっ!」 短く息を吸って、大きく体がのけぞった。 皇が、オレの中に精を放った感覚が印に響いて、オレの目の前は、真っ白になった。 「青葉!」 「は、はっ……あ、あ……す……あ……」 快楽の波が、全身を包む。ビクビクと小刻みに震える体を、皇にきつく抱きしめられても、快感の波がひいていかない。 オレの中からペニスを引き抜こうとした皇に、オレはゆるゆると腰を揺らしながら『いかないで』と、力なく抱きついた。 皇に抱きしめられながら、ふんわりとようやく気持ちが落ち着いてくると、皇は『シシは凄まじいものを寄越したな』と、オレに軽いキスをした。 皇のペニスは、まだオレの中におさまったままで、皇のつぶやきに『うん』と返事をすると、はっきりわかるくらい、皇のペニスがオレの中で膨張した。 「あ……」 「……すまぬ。抜くか?」 そう言われても……オレ……もう、今ので、スイッチ、入っちゃった……。 「オレ……」 皇の肩にキスをして、小さく腰を振った。 びくりと体を揺らした皇が『良いのか?』と、聞いてくる。 「……もっと……」 したい……。そう言えずに、皇の胸に顔を埋めると、皇は『あとで恨み言を申すでないぞ』と、また腰を動かし始めた。 「ああっ!はぁ……あ、皇っ……あ、んあ、あ……あっ」 気絶するように眠りにつくまで、互いを貪るように、皇と体を繋げた。

ともだちにシェアしよう!