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粗方薄橙色話⑪

肌襦袢を脱がされたあと、皇のキスが、胸からお腹へ下がっていった。 おへそにキスされて『そこまで』と、皇にキスされないようにペニスを手でガードすると『何故だ』と、皇は途端に機嫌を悪くした。 「だって……お風呂入ってない」 「気にせぬ」 「オレがやだ!」 「これ以上せぬと申すのか」 「ちが……口で、が……やだ」 皇の手に手を伸ばして『手……で』と、ねだったあと、無性に恥ずかしくなって『やっぱり終わり』と、布団を被ると、ガバッと布団ごと背中から抱きしめられて『そのような意地悪を申すな』と、布団からちょっとはみ出していた頭のてっぺんに、そっとキスされた。 意地悪、だって……。可愛っ。 もぞもぞと布団から顔を出して『だって、口、では、やだ』と、もう一度言うと『口ではせぬゆえ』と、キスされて、布団を剥がされた。 背中から抱きしめられて、後ろから伸ばされた皇の手に、ペニスを包まれた。 「あ、……は」 ほんのちょっとの刺激で体を丸めると、その拍子に、お尻からツゥっと、何かが垂れるのがわかった。 シシにもらった印から、溢れて、きた? 印から湧いてくる粘液は、皇を欲しがるほど溢れてくるって、皇が言ってた。 ジンジンと、印がうずいている。 地下牢で、初めて印を擦られた日から、何かっていうとあの時の快感が蘇ってきて……。 前立腺を、自分でいじったこと、は……ある。 でも印は、オレの指じゃ届かないくらい奥にあって……。皇のペニスじゃないと……届かない。 印が、うずく。 早く……触られたい。 揺れ始めた腰に、硬い感触が当たって、オレはビクンっと体を震わせた。 もう……今すぐにでも、奥まで……。 そう思った時、お尻の中に指が入ってきた。 「あぁっ!」 ぐちゃっという音を立てて、皇はオレの中で、ぐるりと指を回す。 「ああっ!」 「柔らかい。今すぐ……そなたの望みを叶える」 皇はオレの腰を掴むと、後ろから一気にペニスを差し込んだ。 「ひっ!あ!」 体の奥の印に、皇のペニスの亀頭部分が届いた。 皇が、シシの印は小さな突起だって言ってた。 そこを擦られると、オレはもちろんものすごくいいんだけど……皇も、ものすごくいいって、言ってた。 「ああっ!あっ!あ、はぁっ!ああ!」 もう、声も我慢出来ない。 ガツガツ突かれて、オレも腰を振った。 「あ!皇っ!もう、ああっ!」 印を擦られると、ものすごい速さで登りつめてしまう。 オレは、あっと言う間にいってしまいそうになって『待って!』と、何度も皇に懇願した。 『待たぬ。いけ』と、皇はなおもペニスを突き立てた。 「ああっ!あっ!」 ガクガクガクっと、大きく体を痙攣させると、皇も『くっ』と、小さくうめいて、ペニスを抜いた。 その瞬間、背中にあったかい物がペタッと乗った感触がわかった。 同時に、ふわっと、ものすごい多幸感に包まれた。 印で絶頂を迎えたあとはいつも、ふわふわとした幸福感が、オレの頭を支配する。 射精もしていないのに、ものすごく満足して……。 オレの背中に放った自分の精を拭きとった皇は、オレを背中から抱きしめた。オレはすぐに体を回して、向き合った体勢で、皇に抱きついた。 「風呂に入るか?」 頭にキスをした皇が、そう聞いてくる。 「……もうちょっと……」 オレはモゾモゾと、皇の胸に顔を埋めた。 「ん?」 「このまま……」 だって……すごく、幸せなんだ。 まだこのまま、くっついていたい。 『ああ』と言った皇が、笑ったような気がして顔を上げると、やっぱり笑っていた皇と目が合った。その顔を見たら、オレも何か笑っちゃって……何がそんなにおかしいのかわからないけど、二人でクスクス笑いながらキスをした。 気が済むまでハグしたあと一緒にお風呂に入って、お風呂の中で、また襲ってきそうな皇を止めて、和室で夕飯を食べた。 和室で寝ようと思ったけど、離れの和室はソッチ的に盛り上がりそうな気がして、自分の部屋で寝ることにした。 今夜も12時には、サクヤヒメ様の祠に集合しないといけない。これ以上、盛り上がっている場合じゃないから。 部屋に戻ると、シロが窓辺で寝そべっていた。 シロにおやすみと言って、皇と一緒にベッドに入った。 皇と並んで寝ていると、さっきの夜伽を思い出してしまった。 皇もそうだったのか、オレの上に覆いかぶさってきた。 皇を止めようとした時、ギシッと音を立ててベッドに乗ってきたシロが、皇の額をペロリと舐めた。 「な、にを……シロ……」 皇は、そこでオレの上に倒れこんた。 「皇?!」 皇の体を回して仰向けにすると、スースーと規則正しい寝息を立てている。 「え?!」 そういえば……オレもシロにおでこを舐められたあと、すぐ寝ちゃったことがあったっけ! 「え?シロがやったの?すごい!」 はしゃいでシロに抱きつくと、シロにおでこを舐められた。 オレの意識は、そこで途切れた。

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