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第3話人間。を攫った(上)

 注意。  乱暴な描写や残酷な場面があります。  苦手な方はおやめ下さい。  大丈夫な方だけどうぞ。    R18Gになります。 ×××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××  話が違うと思った。  奴らは海の外まで追ってこないはずだった。  陸の上なら大丈夫だと思ったのに。  密航した船で、見つかり殺されかけていた。  簀巻きにされ、海に投げ込まれるのは時間の問題だった。  殺す前に楽しませろと犯されていた。   長い航海に女に飢えた男達には、少年はちょうどいい代替え品だった    でも少年はどうやってでも生き延びるつもりだった。  レイプされるのも初めてではない。  あのクソみたいな場所から逃げるためなら、何だってする。  その為に密航したのだから。   必死で男達のものを咥え、舐めて、言われるがまま淫らに振る舞い、生き延びるチャンスをさがす。  どこかへ逃げる。  ここではない場所。  優しい場所。  傷つけられない場所。  そこを見つけるためには死ぬつもりない。  快楽などない乱暴な行為を心に鍵をかけて耐える。  乱れたふりさえしながら。  「どうせ殺すんなら、二人一緒に挿れてみようぜ」  「してみたかったんだ二輪車挿し」  男達が笑っている。  少年を跨がらせ、下から貫いていた男がニヤニヤと笑う。  違う男のモノを咥えさせられていた少年の背中に誰かが乗りかかってくる。  もう1人のものが入っていてギチギチになっているそこに、さらに突っ込もうとしているのだ。  無理だ。  少年はさすがに暴れた。  もう出血しているのに。  海に投げ込まれ死ぬより先に、コイツらにヤり殺されてしまう。    「何でもするからぁ、何でも・・・」  泣く少年の喉にまた、性器が押し込まれ喉を犯す。  押さえこまれる。  男達は三人で少年を犯すことにとりつかれている。  それをゲラゲラ笑う周りの男達は順番を待っている。  殺してやる。  殺してやる。  そう思う。   死んでたまるか。  コイツら全員殺すまでは。  無理やりねじ込まれようとする痛みに耐えようとしていた時だった。  そこにそれが現れたのだ。  背中にのしかかっていた男が急にいなくなった。  穴に入ろうとしていたふたつ目のペニスの存在も。    そして、二つの音はほぼ同時にしたのだ。  どしっ  重たい何かが刺さるような音と    ぐきゃゃあ  悲鳴。  自分を押さえつけていた腕達がなくなったので、喉から性器をはずし、振り返ることができた。  下から貫かれてはいたけれど。  二本目を少年に打ち込もうとしていた男は、自分の胸に銛を打ち込まれ、船の縁に止められ、絶命していた。  数メートルは飛ばされていて、物凄い衝撃だったことがわかる。      誰かが、いや何かが、凄まじい力で銛を男に打ち込んだのだ。  男達はパニックになる。  少年は投げだされる。  少年は訳がわからないまま、甲板の荷物の影に隠れる。  とにかく、生き延びなければ。  それは水面から跳ね上がってきた。  凄まじい跳躍だった。  「人魚!!」  「まさか!!」  男達は叫んだ。  海の男達が最もおそれるもの。  人魚。  海に引きずり込み、人間を喰うモノだ。  だが、人魚は船の上にあがってきたりは・・・しないはずなのだ。  普通は。  だがその人魚は甲板に跳ね上がってきた。  上半身は逞しい男のもの。  下半身は尾鰭のある姿。  脚はなくても、その強靭な下半身は甲板の上で直立してみせた。    人魚が水の外へでたなら何も出来ないなんてことは、嘘だとは知っていた。  そこが海である限り、水の外だろうが、船の上だろうが人魚には敵わない。  それは船乗りにはか知られていた。  惨殺は瞬く間に行われた。  人魚は跳ね上がり人間達に襲いかかり、その首や手足をもいでいく。  子供が虫の手足をもぐように。  少年は人魚が惨殺している間に救命ボートを下ろした。  ゴム製の救命ボートというよりは、筏だ。  木造の密航船はそれでも、エンジンのあるボートをのせていた。  ボロボロに傷ついた身体で、尻から精液と血液をたれ流しながらも、少年はボートをポンプで膨らまし、海に下ろした。    逃げた。  ちかくに陸があるのは知っていた。  後少しで陸だったから、レイプされるのも耐えたのだ。  後少しなら、なんとかして陸にたどり着けるはずだから。  エンジンをかけて逃げる。  少しでも速く。  あいつらが頑張って少しでも時間を稼いでくれることを祈った。  こんなエンジンでは、人魚には勝てない。  追いつかれる。  海の上で、人魚に叶うモノなどないのだ。  陸の上では・・・別だ。    船の上の人間を人魚が襲うのは、その船を人魚が許さないと決めた時だけだ。  めったにはないことだが。  全員殺すのだ。  1人も生かさない。  だから、全員殺されている間に逃げるしかない。  陸に。  陸に。  浜辺にまで行けば、人魚はもう無敵ではない。    なのに。  なのに。  浜辺にたどり着いたのに。  必死で陸にあがったのに。  その人魚は変異したのだ。  その尾鰭は二つに割れ脚になり、陸ににげた少年を走り捕まえた。    そんな話聞いたことがなかった。  陸に上がれる人魚だなんて。  陸に上がった人魚を殺した話は聞くのに。  捕まった。  首を千切られるのか。   手足を千切られるのか。  殺される。  少年は悲鳴を上げた。  その太い腕に背中から抱き込まれた。  無理やり前を向かされる。  黒い瞳。  人魚には珍しい色だ。  人魚は青く白い肌に、青い髪、青い瞳をしているものなのに。  肌も海の男のように褐色だ。  髪も夜のように黒い。  そして、人魚らしく美しい男だった。  人魚はすべて例外なく美しい。  人間を惑わせ、海にひきずりこむために。  彫刻のような顔が少年を見つめる。  真剣に。  確かめるように。  そして、場違いなほど無邪気に笑った。  男達を殺したばかりだというのに。  「やはりお前がいい」  そう囁かれ抱きしめられた。  人間の言葉を話す人魚など。  聞いたことがなかった  二本の脚を持つ人魚。  陸に上がる人魚。  黒い髪と瞳の人魚。    この人魚は何なのか。  わからないうちに砂の上押し倒された。  そして、人魚に少年はだかれたのだった。  わけがわからなかった。  でも、優しい労るような手が髪を撫でて、優しい唇が髪や頬に落ちてきた。  場違いな微笑みに感情や感覚が混乱する。  死の危機に抗っていた、身体が誤作動を起こす。  まるで助けられたかのように、その身体をその指に任せてしまう。  「全員殺した。もう誰にも触れさせないからな・・・安心していい。お前を誰にもきずつけさせない」  酷く扱われた痣や吸われた跡を無くそうとするように舐めながら囁かれた。  「オレのを挿れて出してやるから心配するな。他の連中の種はそれで死ぬ。・・・・・・オレの子は当分はらめなくなるが仕方ない」  耳元で囁かれる言葉の意味もわからない。  だけど脚を押し開かれたから、その意味はわかった。  出血している部分を眉をひそめて人魚は見つめたが、少年の髪をなでて、言い聞かせるように言う。  「仕方ないんだ。許してくれ。お前にはオレの子供を生んでもらわないといけないから」  大きなモノをあてがわれ、少年はそのおおきさに怯えた。    「許してくれ」  唇が塞がれ舌が入ってきた。  本能的にそれに応える。  これから始まる痛みから逃れるために。    引き裂かれた。  男達の精液を書き出すようにうごかれ、中の形を変えられる。    悲鳴を優しいキスに飲み込まれる。    痛くて苦しいのはいつもと同じ。  でも、でも。  何度も犯された時にはなかったものがそこにはあった。  黒い瞳が、熱く見つめてくる。  大切なものを見つめるかのよう。  「オレの花嫁。オレの」  愛しげな声。  「大事にする。大事にするから」  誓うように叫ばれる。  焼かれるような熱さを身体の中に感じて・・・少年は意識を失ったったのだった。  続く      

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