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♯4 練習曲〝憧憬〟4
(そうだ、今は僕だけの桜也なんだ。
歴代の彼女たちのことなんて、もう桜也は覚えてやしないだろう。いや、思い出させる余裕もないくらい、ぐずぐずにしてしまえばいい…!)
真雪は、桜也の両足を肩にかけ、無我夢中で腰をうちつけ始める。
精液をかぶり、てらてらと濡れている桜也の胸やお腹が、すごく扇情的で美しい。
「ま、ゆき、待っ、イッ、たばかり、だから、…あっ、ダメ、そこ、ヘンになる、からあっ…やあ、あ…!」
弱々しく抗議する声は、もう喘ぎ声へと変わってしまった。今、桜也の世界には、真雪から与えられる悦楽しか存在しない。
ああ、幸せだ。
ここに桜也がいてくれることが、とてつもなく幸せだ。
腰を揺らがせ、桜也の喘ぎ声を聞きながら。
真雪は心から思った。
ここに桜也を監禁してよかった、と。
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