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♯6 スケルツォ〝転調〟4
(僕に海外でコンサートをやれ、だって?
ふざけるな。だいたい、僕は日帰りできる仕事しか引き受けないと、あれほど伝えたはずなのに…!)
真雪のたった一つの願い…桜也のそばにいること…をないがしろにしてまで、やるべき仕事なんてない。
「申し訳ありません。疲れているので失礼します」
マネージャーの説得を無視し、世界的指揮者の横をすり抜け、さっさと楽屋で着替え、荷物を持って地下駐車場へ降りていく。
もうコンサートは終わったのだ。こんなところに留まる理由はない。
(神田のやつ、あんな仕事を持ってくるなんて、どういう神経してるんだ…!)
マネージャーに腹をたてながら車を発進させ、いつもより荒い運転で、真雪は帰途についた。
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