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♯7 ノクターン〝拒絶〟1

ピッピッピッ…ピー。 ピッピッピッ…ピー。 「…ん…」  耳障りな電子音で、桜也は目覚めた。  この電子音は、この部屋のドアに設置された番号認証を入力する音だ。 「真雪…もう帰ってきたの…?」  昨日もさんざん犯されたせいで、体がだるい。  寝転がったまま、真雪が入ってくるのを待つ。  それにしても様子がおかしい。  真雪なら、一度か二度でさっさと解除して、中に入ってくるはずなのに。 ピッピッピッ…ピー。 ピッピッピッ…ピー。  電子音に拒否され、侵入を拒まれている。…ということは。 (真雪じゃ、ない…⁉︎)    桜也は恐怖で跳び起きた。  固唾を呑んで、ドアのある方向を注視する。

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