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◇保健委員会の声

◇保健委員の声 「やー、昨日の放課後さあ。俺、予定より早く第二の当番回ってきたんだけどよ」 「それ、暴力沙汰が起きたからだろ? 先輩が駆り出されてた。何、ついにセンセーに喰われたとか?」 「ばッか俺は三年間貞操を守り抜くと決めたんだ!」 「でも、B組の荒井、昨日第二保健室でヤられたらしいぜ」 「え、嘘だろ? じゃああれはもしかして事後……?」 「何があったんだよ?」 「その、昨日な。第二保健室で……寝てたんだよ。副会長が」 「、えぇぇ、まじか! あの人保健室っつーかセンセーのことキライそうなのに!」 「ほんと何でだろな? 見間違いかも。………何もしてねえよ。何だその目。鍵開けた瞬間固まって、そっ閉じしたわ」 「うわ勿体ね。既成事実作れたのに」 「馬鹿、できるか。んで、昨日に限ってセンセーに『面白いモン見れるから』って言われて、ローテ回されたんだけどよ。あれかな、副会長、やっぱセンセーに喰われたのかな……」 「んー。でもセンセーってガタイいいのが好みじゃね? 生徒会で言えば……ほら、横峰センパイあたり」 「それなら生徒会長もなかなか……」 「でも従兄弟だろ? ……まあセンセーなら血の繋がり関係なく食ってそうな気もするけど……」 「───それは有り得んな」 「え、うわ! 二葉(ふたば)さん!」 「保健委員長……驚かさないで下さいよ…」 「ならば声量を落としたまえ。そして話を続けるがよい。我にも聞かせよ」 「話……つっても、副会長が第二保健室で寝てた、ってだけですが」 「……ふむ。そこに新しい材料を足そうか。我は授業中厠に立った際に、会長と連れ立つ副会長を目撃してな。そのまま尾行しようとしたら教師に呼び戻されてしまい、追いかけられると逃げたくなる衝動に駆られた結果がこの反省文なのだ」 「あんた相変わらず奇行種だな」 「後半のせいでスルーしがちだっけど、あの二人ですか。まあ尾行失敗して良かったですね」 「して、副会長殿は無事に帰宅できたのかのう」 「それは多分、大丈夫かと。俺がそっ閉じしてすぐに、警備員服の……かっけーお兄さんが来ましたね。『支倉くんはここにいるのかな?』って聞かれたから、多分お迎え」 「生徒会会長に保健室に連れ込まれて、センセーに喰われた疑惑もあって、年上の警備員がお迎えに来て……うわ、なんか修羅場ってても可笑しくなさそう、このメンツ」 「邪推はやめとけって」 「お主らその話は文芸部や漫画研究部に話しておらぬよの? アニマル同好会にも」 「二葉さん、それアニメ同好会ね」 「話してないッスよ?」 「ふむ。伝わってないと良いのだが」 「フツーの部活動っしょ? 何警戒してんスか」 「知らぬがホトトギスとも言うだろう」 「誰か翻訳機」 【保健委員会】……  一クラス一名ずつ。特にやることはない委員会。行事の度に救護班となるか、神出鬼没な養護教諭の代わりに昼休みや放課後ローテーションでお留守番。ただ、役員によっては養護教諭のお手つき済み。  ミステリ電波な保健委員長は喰われてない。  

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