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◇文芸部の声
「…………さて。王道転入生こと佐久間くんを我が学園に迎えて一ヶ月が経過したわけだけど」
「復習しようか。転入生の影響力の軌跡を」
「まず、わんこ書記以外の生徒会5名様だね」
「あの伝説の食堂イベントからもう1ヶ月も経つのかあ……」
「それから取り巻き三人と、ホスト教師、その他クラスメート、体育委員長」
「《白薔薇》様と《蒼薇》の君は」
「意外だったよな。俺、そこの二人と副会長で三角関係妄想してたんだが」
「そもそもあの2人、ほんとに王道のこと好きなの?」
「王道がいると《白薔薇》様は三割増しでにこにこしてるし、《蒼薇》の君だって傍に居ても何も言わなかったじゃん」
「それってただ受け流してるだけじゃね?」
「まあ、その二人は保留ってことで……他にいない? 王道を特別扱いしてる方々」
「風紀副委員長……は誰にでも優しいか」
「図書委員長は?」
「クラン先輩はほら……ちょっと変わってるから」
「何にしても噂の美形ホイホイには違いないよ」
「たった一月にしてはなかなかのラインナップじゃね」
「でもやっぱり、こう……物足りなくね?」
「あー……風紀委員長様ね。まさかあんなにばっさり拒絶なさるとは」
「あの人の周り綺麗どころが多いから靡いてくれないのかも。王道の素顔が超美人なら相手してくれそうじゃない?」
「顔さえ良けりゃいいって話でもねえだろ」
「わんこが拒否ったときもそうだったけど、ところどころ非王道展開なんだよね」
「接触して一番反応が気になるのは保健委員長かな」
「あ、俺も俺も。あの二葉先輩を攻略できたら王道のこと尊敬するわ」
「そろそろ族関係のイベント来るかなぁ……」
「どうだろ。王道通りに進むとは限らないし」
「そういえば、歓迎祭では親衛隊と制裁イベもなかったんだよね……残念」
「そりゃあ、歓迎祭自体が突然の発表だったし、見回りも多かったから」
「そもそも鉄板の鬼ごっこでもなかったし」
「先月末にカンニング騒動があったじゃん。あれ、親衛隊の仕業って噂だよ。ある意味、制裁イベントみたいな……?」
「あれはさすがにやり過ぎだよなあ……」
「昔の族仲間と学園で再会、みたいなテンプレは?」
「今のところないね。そもそも、王道が族関係者かどうかすらはっきりしてないし」
「確認してきてよ」
「やだよ、怖いもん」
「執筆滞るんだが」
「夏までには間に合わせないと」
「…………ただ、正直言うと、さ……」
「「「あの鬘と眼鏡は想像以上に萌えない」」」
【文芸部】……
漫画研究部の次に腐男子が多い部活動。
過去多くの有名作家を排出し、実績も実力もあるが、自分らの欲望には大変忠実。メモ帳を常に持ち歩く部員がほとんど。
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