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「オレの領域でオレの許可なくおっ始めようとしてる発情期どもは何処の誰だ?」  そして二人目の来訪者が保健室を訪れた刹那───顔色を一変させた副会長さんは俊敏な動作で立ち上がり、一目散に距離を置こうと会長さんの肩を両手で押しのけた……が、どうやら、会長さん本人に阻止されて脱出に失敗した様子。  下の方へと視線を下げてみると、会長さんの片腕が副会長さんの腰にしっかりと回されており、抵抗も虚しく会長さんの力には勝てないらしい。  その二人のやり取りを楽しそうに眺めるのは、生徒に絶大な人気を博す保健のセンセ。  サッカー部の先輩がけっこうこの人の被害にあっていると聞いたことがあり、俺は正直苦手な相手だ。  保健のセンセの片手にはラタンのバスケットが握られている。  その中には何故か大きな雪見大福が…………あ、灰色も混じってる。しかも上下に動いてる。噂の生徒会宣伝係はどうやらぐっすり寝ているらしい。 「なんだテメェらかよ。ここでヤるつもりか?」 「「……はあ?」」  そして会長さんと副会長さんを目にしたセンセの結論がコレだ。  確かに端から見たら近距離で見つめ合って今にもちゅーしそうな体勢でしたけど。場所が保健室ってだけあって疑われる要素は大いにあるけれど。  頼むからそういう冗談は俺がいないところでお願いします……。  そんな俺のささやかな願いを裏切るように、保健のセンセは俺を一瞥して邪な笑みをその美貌に浮かべる。 「あ、もしかしてそこの爽やかくん交えて3P? それならオレも混ぜろ」 「なっ……!!?」 「3人目と4人目が邪魔だ散れ」 「それなら私が帰ります。実家に」  会長さんと副会長さんが光の速さで抗議。  しかし男同士のリアルな場面に巻き込まれ慣れない俺は、一時的に思考がストップする。  3Pって、まさか俺もカウントされてる? 「奏ェ、さっさと丸め込め。ベッドなら有り余ってっから。で、隙を見てオレはこっちの子と一緒に参加すっからよろしく」 「な、なにを言……っ」 「「ちょっと意味が」」 「4人も人がいりゃ乱交くらい想像すんだろ」 「……あ、あの」 「無駄に豊かな発想力をお持ちのようで」 「頭腐ってやがるな」 「そんなに仲良くくっついといて今更すっ飛ぼけンなよ。実はもうデキてんだろお前ら」 「あらぬ誤解を招くと思ったら案の定でした。バ会長いい加減離して下さい」 「そう照れんなよリオ」 「頭腐ってやがりますね」  何だこの、デリカシーとか常識とか恥じらいが欠片もない異次元。  

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