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6.車中にて
一向にやまない雨の中、玄関から連れ出された。車の助手席に押し込まれると、シートベルトを掛けられた。
「逃げないから、腕をはずして」
僕の訴えは一笑に付された。
車庫を出た車は港の方へ向かった。
海の目の前、倉庫街のはずれで車は止まった。
颯樹がのしかかってきて、シートがリクライニングされた。シートベルトは外された。
またスラックスを下着ごとずり下ろされ、はぎ取られた。
悲鳴のように名を呼ぶ。
「颯樹!」
颯樹はにやにやと笑っている。
「カーセックスも乙だろ? 雨も降っていて外から見えない」
後孔に指を差し込まれ揉まれた。
「まだ柔らかい」
指で弱いところを刺激されたら、もう駄目だった。
「んっ、く……」
「声、抑えてるのか。そんなことされると、いじめたくなる」
シャツの下に差し込まれた手で、胸粒をつねられ、跳ね上がった。
「欲しいだろう?」
「う……ほ、しい」
「ねだれよ、可愛く」
颯樹は嘲笑を浮かべている。
「さっきみたいに、犯して、ください。お願い、します」
「上出来」
颯樹は慣れたようすで、僕の車のシートをフルフラットにした。
そして自分も下半身をを晒すと、僕の脚の間に移動してきて、僕の両腿を抱え上げた。
すっかり欲望に満ちた颯樹の雄が僕の体に侵入する。
「あ、あっ、あ、は……」
颯樹の動きに合わせて声がもれてしまう。
雨音が天井を叩く音が響き、窓ガラスが僕たちの放つ熱に曇る。
狭い車内で、つながり合ったまま、うつ伏せにされた。
「行くぞ、真」
颯樹の腰使いが急に速くなった。僕も体が一気に熱くなる。
「も、もう……、さつき、さつき」
「好きだ、愛してる、真」
僕らは上り詰めた。
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