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秘密
あの人と関係は……
誰にも内緒なんだ
だって……あの人は……
「なぁ、千尋……これ、解る?」
友人の池上隆二が僕に話し掛けてくる
「………解らないから隆二の所に来てるのに……」
「そうだよな……お手上げだぜ千尋……」
三上千尋は友人の家に毎日の様に来ていた
隆二の所に来るのには、訳があった
千尋は……隆二の父、隆正に恋をしていたのだ
当然……本人には内緒
隆二にも内緒
片想いなのだ……
千尋には……父親はいない
父親を知らずに千尋は育った
母親は最近再婚した……
再婚した相手には、連れ子がいた
連れ子は女の子の二人で、千鶴と同い年の17歳の長女と、15歳の次女がいた
その中に千尋が入るのは……危険だと再婚相手の男が言った
言われなくても……同居なんかする気はなかった
母親の再婚相手は……千尋を嫌っていた
母親は……再婚相手に嫌われたくなくて……
千尋をマンションに住まわせた
このマンションの部屋は再婚相手の持ち物だったらしく、家賃はかからない
生活費は毎月振込で、気が楽だった
同居したら……それはそれで大変だ
相手の家に住み込むのだから……気も遣うし……女ばかりの中に入る気はなかった
母親の再婚相手に……
父親なんて求めてはいなかった
そして自分を捨てた父親にも……
父親なんて求めてはいなかった
たのに……隆二の父親には……
父親を求めていた
あの大きな手で触られたい
名前を呼ばれたい……
笑顔を向けて欲しい……
そう思っていた
千尋は物心ついた頃から父親を知らない
だから……大人の男の人への憧憬は
隆二の父親は、妻と離婚して男手一つで隆二を育てていた
遊びに行くと何時も「千尋」と優しく出迎えてくれた
あの人に……名前を呼ばれるだけで……
心がときめいた
ジナル二次創作
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自分の作品
秘密…
第1章 友達の…
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「隆二、夕飯だ!
千尋も一緒にどうぞ!」
料理が上手い男は何時も美味しい夕飯を作ってくれた
隆二とは小学校の時からの付き合いで、かれこれ十年来の付き合いになる
「千尋、オレの分も食っとけ!」
隆二はるんるん♪とスキップして浮かれてるのが解った
「おい!隆二、こんな時間から出掛けるのか?」
隆正は息子に問いかけたい
「親父、千尋を食わせといて!
独り暮らしだからな飯食ってねぇからな!」
隆二はそう言い出掛けた
千尋は呆気に取られて……
見送った
隆二はモテる
兎に角モテる
何時も女の子のお尻を追っていた
そして何時も……別れて……
千尋が慰めていた
立ち直りの早さだけは……千尋も驚きのバイタリティーの持ち主だった
「千尋、今日も二人で食べるか……」
「パパさん、はい!」
千尋は笑顔で答えた
隆正と一緒に食事……
ドキドキする
隆正はまだ35歳だった
学生結婚で年上の妻に養って貰っていた……と隆二は言ってた
今じゃ会社で部長職にある、大人の男だった
隆正は、隆二の製造元だけあって顔は良かった
仕事も出来る男は、部下の信頼も厚かった
ネクタイをさり気なく解く……姿は……
堪らなく色っぽく男前だ……
女性社員の信頼も厚く、人気も絶大だった
「パパさん…美味しい」
「隆二は黙々と食うだけだからな……そう言ってくれるのは千尋だけだよ」
「隆二は今浮かれてるからね…」
「………また彼女?」
「うん、スッチーと別れて落ち込んでたからね……」
「千尋は誰かいないの?」
隆正の言葉に……千尋の胸は高鳴る
「パパさんは?
再婚相手はいないの?」
「………なんかさ最近面倒でな…」
隆正はモテる
小学校の頃から千尋は隆正の相手を見てきた
派手なお姉さんもいれば、淑女もいた
女遍歴は派手で……ここ最近はなりを潜めていた
また誰かと……
そう思うと胸が痛んだ
たが……隆正とどうにかなれるなんて……
想ってもいない
ノーマルな隆正が千尋なんて相手はしない
逆立ちしたって……
隆正は不自由してないのは誰よりも近くで見て知っているから……
「パパさんならモテるもんね
その気になれば……より取り見取りだもんね」
「…最近想うんだが……俺は恋愛向きじゃない…」
「……パパさん……」
千尋は熱い視線を隆正に向けた
隆正は悪い男だから…千尋が自分に惚れているのは解っていた
「……また……そんな瞳…する
僕が好き?」
問い掛けると千尋は真っ赤な顔をした
答えなんて……解っていた
「……パパさん……」
「答え……聞かせて…」
いつの間にか……隣りに座っていて……千尋は慌てた
そんな千尋を抱き締めて…
追い詰めてゆく
経験のない千尋なんて……
隆正に取ったら……ウブすぎて…赤子の手を捻るより簡単だった
そっと口吻されて……
千尋は……夢みたいだった
「……答えて… 」
「……好き……です」
「君も男で、僕も男だ……
世間で許されないの解るよね?」
「………はい……」
「だから……内緒に……してるなら抱いてあげるよ」
「………え?……」
「内緒に出来る?」
千尋は頷いた
「なら抱いてあげる……
君に僕を刻んであげる…」
狡い男は…唇を吊り上げ嗤った
容易い子供を自由にする
誰にも内緒にするなら……と囁いた
千尋はその言葉に落ちた
恋人になれるなんて……想っていない
隆正も自分も男だから……
そんなの望んでなんかいなかった
望んで手に入るものなんて……
この世に1つもない
自分は親にも……
嫌われてるんだから……
隆正は千尋を抱いた
近年希に見る優しい愛撫を与え……
蕩けさせ
硬い蕾を散らした……
初めて抱いたのは……
三上千尋が17歳
池上隆正が35の時だった
その日から……
千尋と隆正の秘密が始まった
3年前、隆正は再婚した
千尋と関係を持って直ぐの頃だった
千尋を抱いて……
ハマりそうになり焦った
で、好きだと言う女と結婚した
相手は誰でも良かった
冷静になりたかった……だけだから……
元々、隆正は誰と付き合っても……長続きはしなかった
今度の結婚も、長続きはしなかった
入籍をして半年で……別居
そして入籍をして1年で離婚した
千尋との秘密は……
続いていた
千尋を抱きながら……
千尋に溺れて行く感覚に……
足掻いて再婚した
自分は千尋以外も抱けると……
確認する為だけに……結婚した
でも、その結婚は……愛なんてなかった
女は隆正に愛を求めた
隆正は女に愛を与えなかった
女は疲れ果てて…
隆正の側を去った
決定打が
………千尋………愛してる……
隆正が……寝言で言ったから……
千尋ってどんな女?
妻は怒った
怒って探偵を使って探りを入れた
だが千尋と言う女は出て来なかった……
当たり前だ……千尋は女じゃない……
まさか……離婚の原因が……
千尋……愛してる……と言った寝言だなんて……
隆正はダメージを受けた
「千尋……千尋……」
隆正は千尋を抱きながら千尋の名を呼んだ
「隆正さん……あぁん……イイっ……」
「千尋は……ココが好きだものね」
隆正はニコッと微笑み……
千尋の弱い部分を擦って責めた
千尋を抱いて3年……
17歳の千鶴は20歳になっていた
大学に通い、卒業したら学校の教師になると…夢を叶える為に日々生きていた
隆正は後2年で40……
40……その年の差は隆正を臆病にさせた
千尋のひたむきな性格が好きだった
妻と別れても……
千尋だけ抱いていた
妻と結婚している間も……
千尋の家に行き……千尋だけ抱いていた
千尋に溺れていた
若い無垢な千尋の初めてを散らしたのは隆正だった
隆正は……何年も続く千尋との関係に……
答えを見いだせずにいた
千尋……
こんな卑怯な男に捕まって…
お前……幸せか?
隆正は千尋を抱けば抱くほど…
……千尋には溺れて行った
「……千尋……一緒に……」
千尋は隆正に縋り着いて……
扱かれずにイッた
隆正も千尋の中に熱い飛沫を飛ばして弾けた
千尋を抱き締め…接吻を貪る
尽きない欲望に駆り立てられ…
千尋を求める…
千尋……お前をなくしたら
…………どうなるんだろ?
千尋は隆正が、内緒だよ……
と言うから……
誰にも内緒にしていた
側にいられれば良かったのだ
抱いて貰えれば……
それで堪えれた
隆正が欲しい気持ちは大きい
隆正が結婚を決めた日……
抱かれた後の気怠さに身を投げ出す千尋に向かって
煙草を吸いながら隆正は
『千尋、再婚する事になったから……』
と告げた
もう……この内緒の関係は終わると思っていた
泣きそうな顔をすると隆正は千尋を抱き締めた
『………千尋……泣くな……』
『……結婚……おめでとう御座います…』
千尋は精一杯…言葉にした
『……千尋……僕が通うから待っておいで……』
『……え?……隆正さん……』
『そんな顔しなくても大丈夫だ千尋……
お前から離れたりしないから……』
『……隆正さん……』
『……バレなきゃ……側にいて僕を刻んであげる……と言っただろ?』
狡い男は……甘美な言葉で千尋を雁字搦めにするのだ
千尋は隆正と離れたくなかった
秘密だよ……
その言葉を守っていた
隆二に呼び出されて、千尋は隆二の家を尋ねた
隆二は今も隆正と同居していた
一時は家を出て結婚していた
だが今は離婚して家に帰っていた
隆二は大学へは進まずに会社に勤めていた
「なぁ、千尋……」
「何?隆二?」
「……お前さ……親父と……デキてる?」
「………え?……何で……」
千尋は顔色をなくした
「……初めて見掛けのは……3年前……
忘れ物を取りに家に帰った時……親父に抱かれるお前を見た
親父が再婚した頃……お前のマンションに遊びに行った時…
お前のマンションに通う親父を見掛けた……
お前…遊ばれてる?」
千尋は……そんな前から知られていたのか……
と、落胆した
内緒……の関係だった
バレれば……終わる……
関係だった
千尋は泣きそうになった
涙よ……出るな……
そう思っていたのに……
涙が溢れて仕方がなかった……
終わったのだ
隆正との関係が終わりを告げた
隆正が千尋のが来てるのを知ってお茶を持って来た
そして泣いているのを見て……
「……隆二……千尋を虐めたのか?」
と問い掛けた
隆二は父親を睨み付けた
「千尋を苦しめてるのは、てめぇじゃねぇのかよ?」
隆二は言い捨てた
「………何の事だ?」
「………3年間……千尋を弄んでいたのは親父、あんたじゃないか!」
隆二は怪訝な視線を千尋に向けた
「………千尋……言ったの?」
千尋は必死で首をふった
でも信じて貰えないかも知れない……
「僕は言ってない……
でも秘密だよ……と言う約束は……もう反故だね…
もう良いよ隆正さん……もう終わりで良い…」
「………千尋……」
「親父、俺は3年前から知っていた……
親父が本気なら……それで良いと想っていた
でも親父は再婚した……
親父の再婚に千尋は傷付いているかと想ってマンションに行ったら……親父は平気な顔して……千尋の部屋に入って行った…
親父……遊びなら……千尋を解放してやれよ
千尋だってこれから恋人を作って……幸せになる権利はある
違うか?親父!」
隆二の言う事は正論だった
隆二は千尋を抱き締め
「千尋、お前に相応しい恋人を探してやるからな!
待ってろ!」
「……隆二……ありがとう……
僕……今日は帰るね…」
「……家に帰って泣くんだろ?
よし!付き合ってやるから飲もうぜ……」
隆二はそう言い唖然とする隆正を置き去りにして家を出て行った
隆二と千尋は、知り合いの居酒屋に来ていた
酒を飲みながら……
「……あんな奴の何処が好きだった?」
「全部好きだった…」
「………内緒……たったのかよ?」
「……うん……内緒にしていたら抱いてあげる……と言われた
バレたら終わるのは最初から決まっていたんだ……
何時か……誰かが知ったら……別れるのは決まっていたんだ…」
「………バカだな千尋……
そんな狡い男の言い分飲んだのかよ?」
「……それでも良かったんだ…
好きだったから……
でも……辛かった……
パパさん……結婚したから……
エッチの後に……結婚するって聞かされた……
その時に終わると想っていたんだ……
なのに僕が泣いたから……
パパさん……別れが切り出せなかったのかな?」
「………違うだろ?……
あの男は……そんなに優しくないさ……」
よくもまぁ……3年も続いたな……と隆二は想う
初めて二人の関係を知った時……
長くは続かないだろう……と想っていた
なのに……結婚しても千尋のマンションに通う父親を見て……
意外に本気なのかと……想った
なら何故……隠してるんだ……
隆二には理解不能だった
飲んで……飲んで……
千尋はずっと泣いていた
千尋は何年経っても変わらぬ友達だった
フラれたり、離婚したりした時………
千尋がいる……
そう思って甘えていた
酔い潰れても泣く千尋を自分ちに連れて帰った
そして自分の部屋のベッドに寝かせた
自分はソファーで眠った
朝方……父親が部屋をノックした
隆二は不機嫌な顔をしてドアを開けた
そして入り口を封鎖して部屋の中を見えなくした
「要件は?」
「少し……話をしないか?」
隆二はドアを閉めると
「そうだな!
話しとかないとな」
と言い父親を促して応接間へと向かった
ソファーに座ると隆二は父親を睨み付けた
「話って?」
「……千尋の事だけど?」
「言っとくけど、千尋は内緒だと……言われて必死に守っていたよ
俺が……遊ばれてないか……心配になったんだよ
恋人だと言えない相手……なんて千尋が可哀想じゃねぇかよ!
だから問い質したんだ」
「………そうか…」
「俺はな親父、3年前……から知ってる
本気なら……黙ってようと想った
なのに親父は結婚した……これって千尋に対しての裏切りだよな?
そして今も親父は千尋を抱いている……
で、見合いしてるだろ?親父
千尋はまた……親父の再婚を見なきゃ駄目なのかよ?
だからな切り出した!
別れてやってくれ!
アイツは俺の友達だ!
親父の玩具じゃねぇ!」
隆二は言葉もなかった
「……見合いは……上役から、逢うだけと言われた……それだけだ、結婚する気はない……
それに……千尋を玩具にした覚えはない…」
「一緒だろ?
俺なら御免だぜ……
結婚してる奴に…抱かれるアイツの気持ち……考えた事ある?
千尋は誰か紹介してやるつもりだ!
千尋と付き合いたいと言う奴は多いからな!
もう親父は千尋に関わるな!
話はそれだけだ!」
隆二はそれだけ言うと部屋に戻った
その日から……
隆正は……千尋と逢えなくなった
『隆正さん……パパさん…』
千尋の声がする
抱き締めれば嬉しそうに笑った
愛している……と言う言葉も与えてやらなかった
大切にしてやらなかった
約束しても破る日の方が多かった
そのたびに……千尋は哀しい顔をしていた
それなのに……隆正は応えてはやらなかった
それでも千尋は隆正の側にいる……
絶対に離れない
そんな想いがあったから…
3年……
隆正が身勝手に千尋を抱いて来た年月だ
千尋は一度も約束も与えてやらず
愛してる……と言う言葉もやらなかった
バレない様に……
何時も不安な瞳をしていた
バレても……どうでも良かった
千尋が離れていかないなら……
それで良かった
もう……千尋は戻っては来ない
千尋と隆二は今も友達だ
隆二が時々、友達を呼ぶ時に千尋も家にやって来る
だが……千尋は隆正を見なかった
隆正は部屋に閉じ籠もり……
千尋を見ないようにした……
でないと……千尋を掴んで……
自分のモノにしてしまうから……
『千尋にもやっと恋人が出来たんだ!祝おうぜ!』
キッチンにいると……ご機嫌で叫ぶ隆二の声が聞こえた
千尋に恋人……
千尋は誰かのモノになると言うのか?
隆正はいてもたってもいられなくなった……
応接間のドアを開けて……千尋を見た
千尋は驚いた瞳を……隆正に向けた
次の瞬間……隆正は千尋の腕を掴んでいた
「……痛い……隆正さん……離して…」
「……離したくない!
千尋……恋人が出来たの?」
「……隆正さん離して!」
千尋は叫んだ
隆正は千尋を抱きあげ……
自分の部屋へと連れ込んだ
部屋の鍵を掛けて……
隆正は千尋をベッドの上に座らせた
「……千尋……恋人……出来たの?」
「……隆正さんには関係ない……」
「……千尋……答えて…」
「……隆二が恋人を作れと言ったんだ…」
「………恋人を愛してる?」
「……これから愛せるかも知れない……」
「……他の奴なんて愛さないで……」
隆正はそう言い千尋を抱き締めた
千尋は流されそうで……拒んだ
もう……愛されないのに……抱かれたくない
隆二を裏切りたくない
「……隆正さん……離して…」
「……もう……触られるのも嫌?」
「………うん……もう触られたくないんだ…」
「……千尋……」
「……隆正さん……再婚するんでしょ?
なら今度は大切にしてあげなよ」
「……再婚なんてしない!
……千尋……信じて……」
隆正は泣いていた
ポロポロ涙を流し……千尋を抱き締めた
「隆正さん……離して……」
隆正は千尋を離した
大切に扱わなかった報いは受ける
「……お前を大切にしなかった
千尋を抱けば抱くほど……お前の体躯に…溺れた
認めたくなくて……再婚したけど……千尋を手放せなかった
僕はズルいから……認めたくなかったんだ……」
「……なら認めなくて良いじゃない……」
「……千尋を他の奴に渡して……?
誰かに渡して……護らなきゃならないモノなんてない……」
「……隆正さん…」
「……千尋を愛してる……
口に出して言えなくてゴメンな……
そして離婚の原因は……
千尋愛してる……と寝言で言ったからだ……」
「……え……」
「千尋愛してる……夢の中では……お前に何時も言っていた
本気になったらダメだ……
こんなオッサンに……千尋が何時までもいてくれる筈なんてない……
千尋が何時でも他に行ける様に……ズルい大人だから……
内緒にしたんだ……」
隆正は千尋を離した
寝室の鍵を開けると
「………ゴメンな…皆といたのに…行って良い…」
と言葉にした
行かせたくなんかない
でも……自分には……千尋を捕まえる権利なんかない…
「……隆正さん……本当に行っても良いの?」
「……あぁ……もう近寄らない……」
千尋はベッドから立ち上がると……
隆正に抱き着いた
「……隆正さん……」
「………千尋……」
「……隆正さんのモノにして?
もう誰のモノにもならないで…」
「………千尋……」
「……もう内緒なんか嫌……
再婚する隆正さんを見るのは嫌……」
千尋は魘された様に言葉にした
「………千尋……
もう内緒になんかしない
もう再婚なんてしない……
千尋じゃなきゃ……満足出来ない……」
隆正は千尋の手を掴むと……
自分の昂ぶりに触らせた
そこは……熱く滾って……隆々と存在を訴えていた
「……千尋……触るの……ダメ?
千尋を大切にする
隆二にも紹介する
一緒に暮らそう……
こんな親父だけど……手放せないんだ……」
隆正だって…何も思わなかった訳じゃない
年の差は大きい
息子と同い年の子供に手を出した……
若すぎる相手だ……
束縛したくない……
何時でも手放せる様に……
何時でも……旅立たせてやれる様に……
そう思って来た
だけど…もう無理だ……
手放したくない
40近くの大人が何言ってるんだか……
自分をセーブして来た
だけど抱けば抱く程……のめり込み……離せない自分を思い知った
「………千尋……お前を掴んだら……もう離してやれないよ?」
「離さなくて良いよ」
「………こんなオッサンのモノになるのか?」
「隆正さんは素敵だよ…
オッサンじゃない!」
「……それでも確実に……千尋より年を食ってる……
千尋の父親と変わらないかも知れないんだよ?」
「僕は……父親は知らない……
幾つなのか…何処にいるのか知らない……」
「……なら千尋は僕に父親を求めてたんでしょ?」
「………父親とは寝れないよ……
隆正さんが好きだったんだよ
隆正さんだから……抱かれたいと想ったんだよ」
「……限界……千尋……もう我慢出来ない……」
隆正は千尋を抱き上げると、ベッドに押し倒した
「……抱いても良い?」
「……良いよ……もう離さないでくれるなら……」
「……もう離さない……」
お喋りは終わりとばかりに唇を塞がれた
執拗な接吻を受け……
服の中に手を入れられた
昂ぶりを押し付けられて……クラクラして来た
「千尋……恋人って…誰?
あの中にいたの?」
「……ぁん……いない……
付き合う予定だけだもん…んっ…」
「……千尋……愛してる……
ずっと言いたかった……まさか寝言で言うなんて想わなくてな……聞いた時焦った…」
「……隆正さん……」
上半身起こしてキスを強請る
服は脱げて……はだけて……色っぽさを増していた
千尋の乳首に吸い付き……舐めると刹那げに千尋は喘いだ
隆正は夢中になり千尋の体躯を貪った
俯せにさせて秘孔を舐めて解した
「……隆正さん……ダメっ……擦らないでぇ……あぁっ…」
千尋は腰を突き出して催促した
「隆正さん……来て……ねぇ…」
「挿れるよ?」
千尋の足を抱えて問いかけると…
千尋は頷いた
千尋に餓えていた
餓えた欲望に火がつき……隆正は止まれなくなった
秘孔に挿し込み……肉棒を埋める
亀頭の部分が千尋を苦しめる
「……千尋……息を吐いて……」
息を詰められると狭くて……身動き取れなくなる
千尋は隆正の言う通りに深呼吸した
弛緩した体躯に……奥まで貫く……
千尋は「……あぁぁ!……んっ…」息を乱して達った
「……千尋……早くイッちゃうと後が辛いよ?」
「……だって……あぁっ……隆正さん太い……ゃ……壊れちゃう…」
「大丈夫……どれだけ抱いても千尋は受け止めてくれた…」
「……ムリっ……あぁん……またクル……ねぇ隆正さん……」
千尋は隆正に縋り付いた
二人して……性欲の尽きるまで貪り合い……尽きた
千尋は……閉じきらぬ蕾から……隆正の精液を溢れさせて寝そべっていた
その腰のセクシーさに隆正は千尋に手を伸ばした
蕾はまだ閉じきっていなかった
隆正は開いた蕾を捲った
「……ゃ……隆正さん許して……」
開いた秘孔をペロペロ舐めると千尋は喘いで泣いた
「……千尋、若いのにもう降参?」
「……何回犯ったと想ってるの……」
千尋は真っ赤な顔をした
「年若い恋人を満足させてやれなくなったら困るから……
やはり玩具買おうかな?」
「……満足してる……ぁん……ゃ…」
ペロペロ舐められて指を差し込まれて千尋は喘いでいた
隆正とのセックスは満足していた
はっきり言って……もっと手抜きでも良い……
そんなに体力ないんだから……
千尋は想う
だけど、若い恋人を持つ隆正は恋人を満足させる為に……
考える
離したくないから……
体躯で籠絡しておきたい
離れない様に……執拗に愛撫も施す
それも総て……愛してるからだ……
千尋は鳴かされ喘がされ……
気絶した
気絶した恋人を隆正は大切に抱き締めて眠りに落ちた
翌日、ベッドから起きて、恋人の為に食事を作りに行くと……
応接間で、酔っ払いがくたばっていた
あれから……
飲んだくれて寝たのが解る
隆正は応接間の窓を開けて空気の入れ換えをした
目を開けた隆二と目が合った
「……千尋を鳴かせすぎ…」
「……聞こえた?」
「……聞きたくねぇがな…
本当に性格悪いな……わざとドアを少し開けておいたろ?」
隆正は笑った
「千尋と離れてやろうと想った……
年の差を考えたら……自分のモノにして良い子じゃない…
逃げ道を作って……手放そうとした……
でも無理だ……誰も千尋の代わりになんてならない…」
真剣な隆正の想いを聞いて隆二は言葉をなくした
結婚は……逃げ道だったのだと解る
年若い恋人を持つと大変なのが解る
「……親父……案外普通の男なんだな……」
パーフェクトな男は……何時も飄々と苦労なんて見せない
「………年取ってる分……身動きが取れなくなる……
自我を通せれる年に……勝てないからな……」
「……親父が千尋に本気だなんて想わなかった…」
「………本気だ……離せない程に…な」
「……俺……そこまで狂った様に求めた事なかった……」
隆正は苦笑した
「ご飯食べてくだろ?」
「……嫌……多分……起きたら帰ると想う…」
激しいセックスは……いたたまれず……深酒させた
取り敢えず飲んで忘れよう……
そして潰れた
起きれば……抜かないと……刺激的過ぎて顔なんて合わせられない
「コイツ等と出掛けるからな…千尋と二人で食ってろよ」
「ならそうする」
そう言い隆正は応接間を出て行った
悪友の北村省吾は……
「……刺激的な夜だったな……
あんなエリート然した人が必死に千尋を欲しがって……意外過ぎたわ…」
「……親父も男だったな…」
「……鳶に食われて……奪われた……」
北村省吾は千尋が好きだった…
「……諦めろ……勝ち目ねぇぞ」
「……だな……」
「省吾、飯食いに出掛けるか…」
「……だな……失恋パーティしようぜ!」
隆二も省吾は応接間を出て、家を後にした
静まり返った家に……
隆正と千尋二人になった
隆正は食事をトレーに乗せて寝室に行くと千尋を起こした
「千尋……千尋、起きろ…」
千尋は目を醒ました
ボーッと隆正を見て……
驚いた顔をした
「……隆正さん……」
「目が醒めた?」
隆正はトレーをテーブルに置くと、ベッドに座り千尋にキスを落とした
「おはよう千尋」
「………隆正さん……」
朝まで一緒にいたのは初めてだった
3年間……ベッドを供にしたが……朝まで一緒にいたのは初めてだった
身を起こした千尋を隆正は抱き締めた
「朝食を作って来たよ」
隆正は千尋の前にトレーを置いた
「……あの……隆正さんは?」
「千尋に貰うから良い…」
「……え?……」
「全部食べちゃうの?」
「……え……隆正さん……どうぞ…」
千尋はトレーを隆正の方に押した
隆正が哀しい顔をすると……千尋はどうして良いか解らずに困った顔をした
隆正は千尋の頭をポンポンと撫でた
「困らせたかった訳じゃない…
お食べ千尋」
「……隆正さんは?」
「千尋を沢山食べたから大丈夫だ」
「……美味しくないよ?」
「美味しかったよ」
隆正は千尋の唇に口吻た
千尋はパンをちぎると隆正の口に放り込んだ
スープもスプーンで掬って口に運んだ
二人で一つのモノを食べる
なんだか照れくさかった
「千尋、起きれる?
起きれなきゃ……寝てて良いよ」
隆正は会社に電話を入れた
体調不良で……起きれない……と連絡を入れて……会社を休んだ
恋人と結ばれた日位、恋人といたかった
「……隆正さん会社……」
「……千尋と身も心も結ばれた日に会社に行けと言うの?
疲れ果てた恋人を放って会社に行けと言うの?」
千尋は真っ赤な顔になった
トレーをテーブルに置くと隆正は千尋を押し倒した
「恋人になったの覚えてる?」
千尋は頷いた
「ドアを少し開けておいたから……応接間にいた人間は……
勿体ないけど千尋が何をしてるか……解っちゃったよ?」
「…え……そんな……」
「遅いよ千尋……お前が僕を本気にさせたんだよ?
離してあげようと想っていたのに……
もう手放せなくなった……
僕は恋人は束縛する
どんな手を使っても……害虫は駆除する……」
隆正が怖かった……
自分の愛した男は……
こんなに危ない男だったの……
でも愛されてる
「……嬉しい……」
大概……自分も壊れてる
執着が嬉しくて堪らないんだもん
「……もう……内緒になんかしない……」
「……ん……全部隆正さんのモノにして……」
「僕がいなきゃ生きていけなくなれば良い……」
「……隆正さん……」
脳まで浸食されて……隆正に染められる
この男のモノでいたい
執着が……こんなに嬉しい……
押し倒されて……
ぐちゃぐちゃ舐められて…挿れられて…鳴かされた
隆正の底なしの性欲に……
翻弄され……
千尋は恋人を抱き締めた
春の穏やかな日に
隆二は結婚した
3度目の結婚だった
「これで離婚したら……もう結婚しねぇわ!」
そう言い清々しく笑った
悪友が集まった
三上千尋、北村省吾、中村俊作は……結婚式に参列し
千尋は「3ヶ月」
省吾は「半年」
俊作は「1年」
と賭をした
新婦のお腹は……はち切れんばかりで……
千尋は「……子持ちシングルファザー」
省吾は「右に同じ」
俊作は「以下同文」
と賭にならなかった
そんな奴等を尻目に隆二は晴れ晴れと笑っていた
悪友の側にいる千尋を隆正は腰を抱き引き寄せた
「千尋、式を挙げたいなら挙式をしますか?」
「………隆正さん……」
新郎新婦よりも熱く……甘い恋人同士がいた
俊作は「……千尋……嫁に行ったのか?何時よ?」と呑気に問い掛けた
「……嫁に行ってない…」
抵抗するが俊作は
「………お前……嫁と替わらないだろ?
お前がどう見ても挿れられてる方だよな?」
と爆弾発言した
千尋は真っ赤な顔をした
はい!そうです!と言ってるもんなのに……
隆正は苦笑した
隆二は幸せそうだった
隆二ラストの結婚式は華々しく終わった
「……良いお式だったね」
「………3回……挙げてなければ……」
「隆正さん!」
隆二は花嫁と新婚生活を始めて……家を出て行った
広い一軒家に隆正と千尋の二人きりになった
「千尋、何時でも何処でも邪魔されずに……繋がれるね」
それは……嫌かも……
千尋と一緒に暮らしだして部長だった隆正は……43で
支店長になっていた
千尋は……25になっていた
………学校の先生を目指して免許も取ったが……
何故か専業主婦……となっていた
外に働きに行かせて貰えなかった
忙しい隆正に変わって、家の事をやっていた
何時しか立派な専業主婦になっていた
「……千尋……」
応接間のソファーに押し倒されて……
千尋はズボンを脱がされて……
あられもなく股を開き……
秘孔に隆正を挿れて喘いでいた
ピンポンと玄関のチャイムが鳴り響く
「……ぁぁ……隆正さん……お客様……」
「……放っておいて構わない……
セールスマンに見せたいのか?
お前の欲張りの下のお口を……」
卑猥な言葉で千尋を追い詰める
「……隆正さん……イクぅ……イッちゃう……」
下腹を引き攣らせて……千尋は射精した
腸壁がキュッキュッと引き締まり痙攣して……隆正は千尋の奥深くに……精液を飛ばした
執拗な隆正の性器を抜いて……服を直す
奥から隆正の精液が流れて出て……千尋は震えた
それでも来客が気にかかる
千尋はインターフォンを作動すると……
隆二が立っていた
「……隆二!今玄関開けるね!」
千尋は慌てて玄関を開けた
玄関を開けると、隆二は千尋に赤ちゃんを渡した
「……え?……赤ちゃん……」
「お前が育てろ…」
「……え?隆二ぃ……」
「隆昭って言うんだ……」
「……隆昭……え??」
「お前の戸籍に入れろよ」
「隆正さん……」
千尋は大声を張り上げた
隆正は側で見ていて笑っていた
「千尋、子育てする?」
「……僕……母乳出ないよぉ…」
「大丈夫!今はミルクも良いものがある」
「……隆二……いなくなっちゃった…」
「そのうち帰るだろ?」
「僕に子育て出来るかな…」
「大丈夫……母乳でる様に吸ってあげるから……」
吸っても出ないってば……
千尋は赤ちゃんを抱えて途方に暮れていた
隆二は相変わらず適当な奴で……
帰って来たり出て行ったりの繰り返しで
いつの間にか……北村省吾と中村俊作と3人で同居していた
千尋は悩む
北村省吾と隆二
どっちが責めで
どっちが受けなんだろ?
「隆正さん、どっちが受けなのかな?」
「………隆二?」
「……隆二が挿れられて、あんあん喘いでいるの?」
二人で想像してみる……
鳥肌が立ち……
想像を辞めた
「……なら省吾?……」
北村省吾は、筋肉ムキムキのスポーツインストラクターをしていた
……あの筋肉がネコ……
隆正も想像してみる
「…………筋肉ムキムキであんあん……は勃起しないかも……」
隆正は絶対に勃起は無理だと想った
「…ならただの同居なのかな?」
「なら俊作?……」
モデルバリの俊作を思い浮かべる
「……俊作が受けかな?」
「……なら3人で犯るのか?」
「…無理だろ?穴は1つしかない…同時二輪挿しは無理だ」
「……そっか……一本しか入らないよね?」
「………千尋…考えるのはよそう…」
隆正は考えるのは辞退した
隆二の子ども、隆昭は日々千尋が育てて大きくしていた
そんな頃、隆二と省吾、俊作とでホストクラブを立ち上げたと聞いた
3人が同居していたのはホストクラブの資金の為と判明した
ホストクラブ開店の日
千尋はホストクラブへとお祝いを届けに行った
隆昭を抱っこして……何処から見ても女の子みたいだった
「千尋、来てくれてありがとう」
隆二、省吾、俊作が出迎えてくれた
何だか……バージョンアップしてキラキラになっていた
「……何だか別人みたい……」
「そう言うな!お仕事なんだから!」
隆二は変わらずの笑顔でそう言った
お祝いを置いて千尋は 我が家に帰った
愛する隆正との家に……
「……ママ……」
隆二そっくりの隆昭が千尋を呼ぶ
「たっくん、何?」
「らっこ…」
甘えて抱っこをせがむ
千尋は幸せそうだった
わが子と愛する隆正がいて幸せだった
千尋は隆昭を抱き上げて家へ帰った
「千尋、お帰り」
仕事から帰っていた隆正が千尋にキスを落とした
「たっくん、お帰り」
隆昭を抱き上げて、千尋の腰を抱く
千尋は隆正の胸に顔を埋めた
「……隆正さん……愛してる」
「……千尋……積極的だね
たっくん寝かすまで待ってて…」
「うん…言いたかっただけ…」
「僕も愛してるよ千尋」
隆正は千尋の唇に口吻た
幸せに微笑む千尋がいた
隆正さん…
僕 幸せだよ
━━━━━━━━━END
【あとがき】
読んで下さって
本当にありがとうございます
2014 11.29 Saturday
★追記
池上隆二、北村省吾と中村俊作
この3人
ホストしてます
でも本来の仕事はホストじゃないんです
飛鳥井康太の情報屋
だったりする駒……なんですよ
何かの拍子に名前が出るかも…
そしてこの三人、スピンオフで出て来るかも知れません
この作品はiのべると言うサイトで書いた作品です
君へと続く場所 本編で飛鳥井康太の情報屋
と言うのを出したくなり書いた作品です
愛すべきキャラ達が受けいられます様に……
最後まで読んで下さり本当にありがとうございます
感謝の想いを込めて
2015.4.27
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