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2話 鬱屈(後編)

コンビニへ行くために近くの公園を通ると、裕貴がスマホをいじっている姿が見えた。 学校のバックを持ってる所から、学校帰りだろう。 どうせ時間もある事だし、公園の中に入った。 「おーい、裕貴!」 「お?快晴じゃん!今日、学校来ててビックリしたぞ」 「気まぐれだよそんなの。にしてもお前の紫の髪は目立ってるから見つけやすくていいなー。」 「快晴も茶色じゃなくて派手な色にしようぜ!ピアスもめっちゃ付けててカッコイイんだから、派手な色にしたら更にかっこよくなる!」 「ははっ。なにそれ意味わかんねぇよ。」 俺は持っていた千円札を使って自販機で缶コーラを2つ買った。 「裕貴も飲む?奢るよ。」 「飲む飲む!ラッキー。」 2人で缶コーラを片手にベンチに座る。 公園の時計を見ると、ちょうど18時になる時だった。日も沈んできて、そろそろ街灯が着く。 「そういえばお前の彼女の美羽ちゃんが怒ってたぞ。最近、構ってくれないってな。」 「あー。なんかなー。可愛いけど冷めちゃったんだよね。」 「なんだよそれ。やっぱモテる奴は言うことが違うよな。あんな可愛い彼女なのにそんなこと言いやがって。俺に譲って欲しいくらいだよ。」 「そんなことより俺、十字架ピアスの男に会ったよ。」 「え!?まじで?どんな奴だった?」 「んー、どんな…。俺らと変わらない、ただの男子だったよ。まあ先輩にお酒飲まされてゲロってたけどな。けど、もうあそこら辺には近づかないんじゃないかな。」 「なんだそれ。けどそいつ、先輩に喧嘩売ってるっぽいぞ。」 「は?それどういうこと。」 「さっき友達から連絡があったんだよ。十字架ピアスの男が今、先輩に喧嘩売ってるってな。」 「はぁ?いつ、どこで?!」 「え、ちょうど五分くらい前に連絡きたんだよ。場所は多分、お前がよく行くコンビニの近くにある小さな公園じゃないか?あそこ人も来ないし。てか何、気にしてんの?友達にでもなった?」 「…いや、別に…そんなんじゃない。」 確かにどうしてこんなに動揺してるんだ。春樹には少し興味があるだけ。忠告もしたのに馬鹿な行動をしてる。 「そんなことより快晴は美海ちゃんのことを思ってやれよー。小言を言われるのは、なぜか俺なんだぜ?」 俺には関係なのに… 「裕貴、悪いけど用事できたからもう行くわ。」 「え?」 「じゃあな!」 「はぁ?やっぱお前…ってうわあ!」 俺は裕貴の言葉を最後まで聞かず、飲みきったコーラの缶を裕貴に投げた。 「じゃあ、ごみ捨て宜しく。」 そう言って俺はコンビニへ走った。

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