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第9話 確認

命は秋人を抱えて家に入った 施錠してリビングに向かう ソファーに秋人を座らせ、飲み物を取りに行こうとすると、秋人は命の腕を掴んだ 「どうしたんや?」 「側にいて…」 命を掴む腕が震えていた 体躯の震えは…中々取れなかった 「ええよ!側におる 絶対に離さんと言ったやん」 「命…命…」 秋人は確かめる様に縋り着いた 命は秋人を抱き上げるとリビングを後にして寝室へ連れて行った ベッドの上に座らせると、その横に座った 「秋人約束して欲しいんや!」 命は厳しい声で秋人に言った 「絶対に隠し事はなしにして!」 「命…お前を守りたかったんや…」 命の人生を潰すと…夏彦は言った 潰させたくなんかなかった 守りたかったんや ポロポロ秋人の瞳から涙が溢れて零れる 「秋人の犠牲の上に護って貰っても嬉しくない! 共に生きるって約束はどないしたんや!」 「ごめ…本当に…許して…」 秋人は膝に顔を埋めて…泣いた 「俺以外の奴に抱かれるつもりやったんか?」 命は意地悪な質問を投げ掛けた 許されないんだな… と、秋人は…泣きながら… 「命以外に触られるなら… 死のうと思った 命以外に触られたくない… 触られるなら…命を断とうと覚悟を込めていた…」 命以外には触られたくなどないのだ 命… 命… 愛する命だけに触られたいのだ…   「もう俺から離れたりしないな?」 「命…命だけしか要らない…」 「何もされなかったか?」 「頬を撫でられた… それだけで…吐きそうになった…」 想像しただけて秋人の肌に鳥肌が立つ 「嫌なんや… 命以外に触られるのは… 絶対に嫌なんや…」 涙で濡れた瞳を命に向ける 「愛してるで…秋人!」 「命…命…僕も愛してる… 命を亡くしたら…僕は死ぬ… 命のいない世界では生きて行けない」 今回実感させられた 命以外の奴に…抱かれるなんて… 絶対に嫌だ 命のいない世界 想像するだけで… 死にたくなる  「命に触られた…この体躯を… 命以外が触るなら…僕は死んだ方がましやと想った…」 「誰にも触らせん! 俺だけのもんや!」 秋人は何度も頷いた 「秋人、今度俺から離れようとしたら その息の根止めるで!」 あぁ…それこそが本望だ 秋人は恍惚に笑った 「命の手にかかれるなら… 僕は死んでもええ… 命のいない世界なんて…考えたくもない…」 「煽りなや秋人」 命は秋人の上にのし掛かった 秋人に重なり執拗な長い接吻をした 嚥下しきれない唾液が秋人の顎や喉を濡らし扇状的だった ツッと服の上から指を這わせると、秋人の乳首は敏感な程尖って勃ち上がっていた 「秋人の乳首…コリコリに硬い…」 ボタンを外し直に触れると… 秋人は体躯を震わせた 「え?…ひょっとして…イッちゃった?」 涙で濡れた秋人の瞳が、命を見詰める 「ごめん…命…」 頬を赤らめ…瞳を潤わせて見つめられたら 我慢の限界になる 命は秋人を離して立ち上がった 「命!行かないで!」 秋人は叫んだ 「何処にも行かへん 頼むから服脱がせてくれへん?」 「服?」 「脱がんと秋人を抱けれんやん」 「あ…」 秋人は赤面した 「秋人も脱いで‥‥」 秋人はボタンの外れたYシャツを脱ぎ、濡れた下着ごとズボンを脱いだ 命もサクサク服を脱ぎ秋人に重なった 「俺が何処かへ行くと想ったんか?」 「‥呆気なくイッてしもたから呆れたんかと想った」 「呆れる訳ないやん 俺が触って感じたんやな想ったら嬉しいやろが」 愛撫を再開する 執拗に秋人の乳首を吸いつつ、下肢に指を這わせる 秋人の性器は濡れて勃ち上がっていた その指を奥へと這わすと、戦慄く襞が歓喜して待ち構えていた 命の指を食べようと咀嚼を開始する穴は、貪欲に蠢いていた 中指を挿し込むと、腸壁は煽動しながら指を飲み込んでいった 「命…欲しい…」 堪えきれないとばかりに秋人は、命を抱き締め訴えた 「まだ解してないよ? 傷付けたい訳やない…」 「命のや…命のやから好きにして… 傷付いてもええ…命のモノにして…」 「俺は自分のモノは大切にするんや そうやって育てられたからな…あと少し我慢して…」 命はローションを取り出すと、秋人の秘孔に塗り込んだ ローションの滑りで、更に指を増やし秋人の中を掻き回す 秋人は堪えきれず…泣き出した 子供みたいに…ひっく…と啜りながら堪えていた 命は秋人に優しい接吻を落とした 「行くで、秋人… 俺の総てを受け止めて…」 命はそう言い秋人の足を抱えると、秋人の蕾を開き挿入を始めた 命のエラの開いた亀頭が秋人の襞を際限まで開き押し入る 秋人は息を抜いて…体を弛緩させる でないと後が辛くなる 亀頭が入ってしまえば、後はそのエラで掻き回して快感の渦に飲まれて行くだけ 命は全部秋人の中に収めると、動かず秋人が整うのを待った 秋人の体躯が命を搦める 「ねぇ…命…奥を掻いてぇ…」 ぐちゃぐちゃに掻き回して突いて… 秋人は誘った 命は最初は余裕で、途中から限界になり 秋人の中を掻き回し貫いた 秋人の腕が命を掻き抱く 強く、離さないでと命に縋り着いた 「ァッ…アァッ…アン…イクぅ…ねぇ命…イッちゃう…」 舌っ足らずな秋人の訴えが愛しい 「イッて!秋人! 俺もイクから…っ……秋人…秋人…」 命も爆ぜて秋人の最奥に熱い飛沫を飛ばした ドックン…ドックン… と命の精液の熱を感じる 愛してる 愛してる… 命だけを愛してる もう止まれない 神に裁かれる時が来ても 離れられない 離れたくはないのだ そんな秋人の胸の内を知ってか 「秋人!裁かれるなら2人一緒や あの世に逝っても俺等は共に在るんや! 何があっても離さん…離したくないんや!」 こんな台詞吐かれたら… 今殺されたって構わない 本望だ 僕は笑って逝けるよ…命 「この世の摂理に反して様が 許されなかろうが…構わねぇんだよ秋人! そんなんで止まれるなら…抱いてねぇよ! 共に墜ちよう…地獄の果てまで俺は秋人を離す気はねぇんだよ」 そんな嬉しい言葉を言われたら… それだけでイッてしまう 秋人は体躯を震わせ命を締め付けた 「ひょっとして? イッちゃった…秋人?」 「お前が…あんなこと言うからやろ?」 涙目で睨まれても威力はなく その夜は何度でも命の好きにされ 秋人は気絶した 命は精液だけ掻き出して、秋人を抱き締めて寝た 秋人… やっと、身も心も手に入れた もぉ離さへん 命は秋人を強く…強く抱き締めた 秋人 秋人! おい!秋人!! 命の声がする 僕の愛する命の声がする そんなに必死に呼ばんでも僕は此処におるやろ? 愛しさが込み上げてくる 秋人は目を開けた すると命の顔があり 秋人は笑った 幸せそうに まだ夢を見ている様に 秋人は笑った 「まだ目、醒ましてへんのか?」 夢現の秋人に、命は笑った 秋人の好きな顔だった 「起きてるよ おはようは?命」 「本当に起きてるんか? おはよう秋人!愛してるで!」 そう言い命は秋人の唇に接吻を落とした 「そろそろ起きんとな、晴香さん達が押しかけて来るんやけど…」 「…………そうやった…問題は山積やな」 「そうやで!明日の朝来るから使えるようにしとき! 晴香さんはそう言ったやろ? あの人は言った事は必ず実行する 難儀な人なんや、支度するで秋人」 「嫌や…」 「秋人…」 「お前が姉さんの名前を言うのも嫌や お前が僕以外に笑いかけるのは許せん」 秋人は命を抱き締め 「僕のやからな!」 主張する 「秋人のに決まってるやん! 秋人が他を見るな言うなら目を潰そか? 他に行くな言うなら、足を折ればええ 誰かを抱くなと言うなら、腕をもぎ取ればええ」 命は秋人が望めば… 笑って受け入れるだろう 「あほ…僕はそんな事はしたくない ずっとおってくれればええんや」 「ずっとおるで!離さへんからな!」 甘い雰囲気になりそうで、秋人は起き上がった 「晴香姉さんの事だから、ベルが壊れるまで鳴らし続けるからな…起きないと家が危ない」 秋人は笑って言う 流石兄弟 晴香の性格を熟知している 命は秋人を抱き上げると浴室に運んだ 体躯を洗い、湯船に浸かると 秋人の支度をして、自分の支度を始めた 支度がすむと、命は秋人を抱き上げリビングへと運んだ ソファーに座らせ、寝室まで携帯を取りに行く 着信を知らせるランプが点滅していて 命はスマホを開いた 取り敢えず、リビングへ行き秋人の横に座り携帯を見る 「メール?」 催促の電話だと想ったらメールだった 送信者は堂嶋正義 命はメールを開いた 『命、想った以上の収穫があったから お前の青田刈りはチャラにしてやる お前が大学を出て使える男として成長していたら その時、正式にスカウトに行く 良い男に成長しろ! 揺るぎないモノを手に入れたお前なら可能だろ? 絶対に欲しい人材だと私を唸らせてみろ!』 命はそのメールを見て、堂嶋正義の想いを知った 一人国会の戦場に繰り出す男 不屈の精神を持つ男は、命の未来を束縛するつもりなどなかったのだ 百目鬼命 この人材は喉から手が出る程に欲しいのは確かだ だが命がこれから進む道を 堂嶋正義は見たかったのだ 何時まで経っても理想の人材でいるか 成長を妨げる事なく育てたかったのだろう 枷を着ければ伸びぬ事も在る 自由ならばこそ 動ける人材もいる 命は秋人にメールを見せた 秋人は何も言わず、携帯を命に返した その時、携帯がけたたましく鳴り響いた 『命!これから行く!』 晴香の声は訪問を告げて…切れた なんともまぁ…直情的な人なんだ と、命は呆れ 秋人は笑っていた 「姉さんは全然変わってないな」 懐かしそうに秋人は言う 「昔からなんか…あの性格…」 「そう。僕が子供の頃からあんなんやった」 思い立ったら即実行 有言実行を絵で描いた様な性格をしていた

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