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6-3 フォークダンス

体育の授業で、フォークダンスの練習が始まり、岡崎先生が説明している。 「小学生や中学生で踊ったやつもいると思うが、初めてのやつもいるだろうから、一から説明するな!」 曲を流して、一人で、踊ってくれた。 みんなの顔が、やりたくないという顔だ。 「今は、一人で踊ったが、本番は、二人で踊る。どんどん人が変わっていくから、そのつもりでいろよ。とりあえず、基本動作からな。」 一つずつ、動作を教えてくれる。 「スリー・ステップ・ターンが遅れないようにな!」 何度も何度も練習するにつれて、始めは少し難しかったけれど、徐々にできるようになった。 「次は、ペアで組んで練習する!このダンスには、内側と外側があるから、どっちになるかを決める!坂木先生からくじを借りたので、これを順番に引いてくれ。赤が外側、白が内側だ!色を覚えておくように!」 くじを引いた結果、僕と優君と凛君と東条君は赤で、藤澤君と武藤君と重岡君は白だった。 「それじゃ、色ごとに別れて練習をする!適当に組め!」 誰と練習しようかな、、 「もちろん、俺とだな!」 武藤君が声をかけてきた。 藤澤君は東条君と組んでいた。 「組はできたな!それじゃ、まずは手本を見せる!」 先生は、経験者だという人とペアになり見本を見せてくれた。 「ゆっくりでいいから、少しずつやれよ!」 僕は、武藤君と手を繋ぐ。 「こうやるんだぞ!」 武藤君は、僕をリードしてくれて、その顔は、少しはにかんで見える。 「ちょっと、ターン遅いな!」 「うん!」 一生懸命に練習する。 「お!いい感じ。いい感じ。」 だんだんできるようになると、自然と笑っていた。 なんだかとても楽しい。 それから、文化祭までフォークダンスの練習は、続いた。 最後の授業まで、藤澤君と一緒に組むことはなかった。 本番は、一緒に楽しく踊れたらいいな、、

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